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ベイトマンの原理とは?ホントに雄よりも雌の方が希少?具体例や反例は?現役の研究者がわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。今日は「ベイトマンの原理」について見ていこう。多くの動物種の繁殖においてメスが希少資源となる考え方だ。つまり、繁殖においてはメスの方が重要ということだ。しかし、この考えには矛盾もあり、多くの反例があるんだ。大学で生物学を学び、現在も生物学に精通した研究者として活躍するライターポスベクランナーと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ポスドクランナー

大学で生物学を学び、現在も研究者として活動を続け多くの研究成果を出すべく日々奮闘している。

ベイトマンの原理ってなに?詳しく解説

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「ベイトマンの原理」は生物学における概念であり、常にメスの方がオスよりも繁殖に大きなエネルギーを費やすので、ほとんどの種の繁殖においてメスは希少資源となることを示した理論です

この考えはオスは大量の精子を作れるのに比べて、メスは限られた数の卵子しか作れないということから導き出されます。メスは周囲にどれほどオスがいて、どれほど多くの精子をもらったとしても、子孫を残せるのは自分の卵の数のみです。なのでメスにとって、自分が残す子どもの数には、何匹と交尾したかは関係がありません。一方で、オスは精子は山のように持っています。次々にメスを取り替え受精をしていけば、交尾数に比例して残す子どもを増やすことができるのです。

つまり、子孫を残すことにおいてメスは希少になり、オスからすると競争が非常に激しくなるという考え方になります

ベイトマンの原理を人間を例に解説!

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ヒトの場合、健康な男性であれば一日に約2億個の精子が作られ、元気な人なら高齢になっても精子を作ることが可能です。

一方で、女性は卵子を約一ヶ月に1個しか生産できません。 また、卵子を生産できる期間は限られており、思春期初期から、閉経する40~50代までの30年程度です。さらに一度受精すると女性は約 10ヶ月もの間子供をお腹に宿さなければならず、その間は新たな子どもを作ることができません。しかし、このとき男性は別の女性との間に子どもを作ることが可能です。

そのため男性は子孫を残しやすく、女性は残しにくい。つまり、女性の方が希少になるということです。

誰が発見したの?

ベイトマンの原理を提唱したのは、その名の通り、Angus John Bateman(A. J. ベイトマン)です。彼はショウジョウバエを用いて実験からこの理論を1948年に提唱しました。

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ベイトマンの原理ではメスは希少資源となる。って考え方なんだな。ベイトマンの原理は性選択や実効性比、潜在的繁殖速度などと関連付けて考えることができるぞ!次で解説していこう!

ベイトマンの原理は性選択(性淘汰)と関連がある?

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ベイトマンの原理は性選択(性淘汰)と関連があります

ベイトマンの原理では種の繁殖においてメスは希少資源です。少ないメスを獲得するためにオスは他のオスと競争する必要があるので、他のオスよりもメスに選ばれやすくなる必要になります。そこで、特有の形質(魅力的で好まれやすくなる形質)を発達させるのです。これを性選択と言います。基本的に性選択はオスに働くものです。これはメスが希少資源という考えに基づきますので、ベイトマンの原理は性選択と関連があると言えます

例えば、グッピーの雄の美しい色や大きな尾びれを性選択で獲得することで、雌に好まれる、目立つので選ばれやすくなり、繁殖に有利に働くのです。

性選択についてはこちらの記事でも解説しています。

\次のページで「潜在的繁殖速度はベイトマンの原理を支持する?」を解説!/

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