単為発生は有性生殖にふくまれる
さて、今回のテーマである単為生殖にもどりましょう。先ほど、単為生殖は『メス(雌)もしくはオス(雄)が単独で子どもをつくり出すタイプの生殖方法』という説明をしました。
いいですか?『メス(雌)もしくはオス(雄)が』なのです。
そのとおり!ここが、単為生殖と無性生殖のちがいになります。
単為生殖は、ふつうは有性生殖で子どもをつくる生物が、配偶子から単独で生殖をおこなうこと。メスのもつ卵(雌性配偶子)が受精せず、もしくはオスのもつ精子(有性配偶子)が卵に融合せずに発生が進み、次世代ができる現象なのです。
「メス」や「オス」の配偶子をつかう前提なので、単為発生は有性生殖の一種(有性生殖する生物がおこなう生殖)とみなされています。
単為生殖をするものは、普通の有性生殖もする
単為生殖は、メスのもつ卵(雌性配偶子)が受精せず、もしくはオスのもつ精子(有性配偶子)が卵に融合せずに発生が進み、次世代ができる現象です。その発生は単為発生といわれます。
Henry Vandyke Carter – Henry Gray (1918年) Anatomy of the Human Body (See “ブック” section below) Bartleby.com: Gray’s Anatomy, Plate 9, パブリック・ドメイン, リンクによる
なお、単為発生によって次世代をつくるものは、普通の有性生殖もおこなうのです。きちんと卵と精子が受精して、新しい個体の発生がすすみます。
処女生殖と童貞生殖
ふつう「単為生殖」というと、メスの卵(雌性配偶子)が単独で発生することを指します。精子(雄性配偶子)を必要とせずに子どもができるので、このようなタイプの単為生殖は処女生殖とよばれることもあるんです。
一方で、精子(雄性配偶子)から新しい個体が発生することもあり、この場合は童貞生殖とよばれます。こちらは処女生殖よりも例は少なく、自然界では植物のみにみられる現象です。単為生殖の説明がなされるときには、この童貞生殖は含まれないこともあります。
単為生殖をする生物
単為生殖をおこなう生物は限られています。まず、私たち人間をふくむ哺乳類には、単為生殖をする生物は確認されていません。
現在単為生殖が確認されている動物の多くは、比較的小型の無脊椎動物です。
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