ライター/きき
大学生の頃は農学部に所属し植物のことを勉強した。現在は大学院に進学し植物のことを研究中。生物や植物の面白さを伝えられるライターを目指している。
木って何?
「木」は地球上に存在する最も大きな植物です。幹と根、そして枝が木質化しており、強固になっていることが他の植物との違いであると言えます。草本植物などと異なり、頻繁に植物体全体が枯死することはなく、毎年少しずつ成長することが特徴的ですね。
そんな「木」は、どのように進化し、地球上でどのような役割を担っているのでしょうか。ここでは木の進化の流れと役割について解説していきます。
木の進化の流れ
約3.8億年前のデボン紀に世界最古の木が誕生しました。その名も「アーケオプテリス」で、木生シダ植物の1種です。このシダ植物は陸上に進出し、大気から大量の二酸化炭素を取り除き、代わりに酸素に置き換えたことで、多くの生物の陸上進出を促し、進化したと考えられています。
その後、木は様々な気候変動に伴い環境に適応する能力を得て、以下のように進化しました。
デボン紀:胞子で増える木生シダの出現
石炭紀:リンボクが繁栄
ペルム紀:種子を保護する原始的な針葉樹の誕生
三畳紀:イチョウの仲間の出現
ジュラ紀:ソテツと針葉樹が繁栄
白亜紀:針葉樹に代わって現代の木に属する科の多くが進化し、優勢になる
古第三紀:被子植物が優勢になり、現存の木の種が定着する
木の役割
木を含む植物は、光エネルギーを利用して、大気中の二酸化炭素を吸収し酸素を放出する「光合成」を行います。また、森林の木々は野生動物の住みかとなるだけでなく、水量を調節することで洪水や土砂崩れから私たちを守ってくれるのです。
このように木は、私たち生物が生きていくために必要な酸素を作りだし、身も守ってくるのですね。
こちらの記事もおすすめ
3分で簡単にわかる「光合成」の仕組み!何が必要?作られるものは?元塾講師がわかりやすく解説
木の分類
image by Study-Z編集部
そもそも分類とは、生物をグループに分けて命名することです。植物学者のカール・フォン・リンネによって、生殖方法や花の構造などによって植物をいくつかのグループに分類されるようになりました。上記の図のように、まずは胞子で増える「シダ植物」と「種子植物」に分け、種子植物はさらに、「裸子植物」と「被子植物」に分けられます。被子植物にはさらに、「基部被子植物」、「単子葉植物」、「真正双子葉植物」の3つのグループに分類されるのです。
こちらの記事もおすすめ
”分類学の父”リンネとはどんな人物だった?医師としての顔も!現役講師がわかりやすく解説します
\次のページで「シダ植物」を解説!/