この記事では「眉を読む」について解説する。

端的に言えば「眉を読む」の意味は「人の心を推しはかる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「眉を読む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Maicodori

建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「眉を読む」の意味をわかりやすく伝える。

「眉を読む」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 87045645

それでは早速「眉を読む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「眉を読む」の意味は?

「眉を読む」には、次のような意味があります。

顔の表情から、人の心を推しはかる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「眉を読む

「眉を読む」は「まゆをよむ」と読み、相手の表情から心境・心情を推察する際に使用する言葉です。「推察」という行為を示すと共に、その対象が「顔」に限定されているところが「眉を読む」の特徴であると言えます。「眉」は「び」や「まみ」とも読めますから、間違えないようしっかり覚えておきましょう。

「眉を読む」の語源は?

次に「眉を読む」の語源を確認しておきましょう。「眉を読む」の語源は明確ではありませんが、2つの単語がくっついた慣用句ですから、それぞれの意味を確認してみます。

まず「眉」は身体器官として「目の上に弓状に生えている毛。まゆげ。」のことです。「眉」自体には「表情」などの意味は無いのですね。次に「読む」は「外面を見て、その隠された意味や将来などを推察する。」の意味で間違いないでしょう。

そのため「眉を読む」を丁寧に言い回すと、「まゆげを見て隠された意味(心境)を推察する」となることがわかりますね。

「眉を読む」の使い方・例文

「眉を読む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「眉を読む」の類義語は?違いは?」を解説!/

1. 国語の授業中に隠れてメールを送っていたら、教師にじっと見つめられて、眉を読まれているような気分になった。

2. ガスの価格の状況は非常に難しいところだ。国民に記者会見が必要だが、ポーカーフェイスで、眉を読まれないようにしないといけない。

3. 僕は誰かの眉を読むことが得意なんだ。あの人に恋人の存在があるか、顔を見ただけでわかるよ、見てあげようか?

このようにどの例文においても「眉を読む」が、誰かの表情から何かを推察する際に使用していることがわかります。例文の1と2にあるように、自分が読まれようとしている際にも使用することが可能です。

「眉を読む」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 87208893

それでは次に、「眉を読む」の類義語を3つほどピックアップしましたので、見ていきましょう。

1. 「顔色を窺う」

今回最初にご紹介する類義語が「顔色を窺う」(がんしょくをうかがう)です。正しくは「かおいろ」ではなく「がんしょく」と読むのですね、気をつけましょう。以下に意味を見てみます。

相手の表情から心の動きを知ろうとする。相手のかおいろをみる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「顔色を窺う

このように「顔色を窺う」は「眉を読む」とほぼ同じ意味を有していることがわかりますね。「うかがう」も「伺う」や「覗う」といった間違えそうな漢字がありますから、注意して覚えておきましょう。

\次のページで「2. 「腹を読む」」を解説!/

2. 「腹を読む」

次にご紹介する類義語が「腹を読む」(はらをよむ)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

相手の心中を推測する。相手の考えを理解する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腹を読む

「腹を読む」も同じような意味を有していることがわかりますが、比較すると「眉を読む」が「表情」に限定した慣用句であったのに対して、「腹を読む」は「顔」に限定せず推察することを指す言葉です。つまり「眉を読む」よりもやや広い概念で、幅広く使用できる慣用句と言えるでしょう。

3. 「揣摩憶測」

最後はやや難しい四字熟語で、「揣摩憶測」(しまおくそく)です。意味を確認しておきましょう。

自分だけの判断で物事の状態や他人の心中などを推量すること。当て推量。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「揣摩憶測

「揣摩憶測」も同じような意味を有していますが、比較すると「表情」に限定していないこと、「自分だけの判断」というニュアンスが強調されていることが「眉を読む」との違いと言えるでしょう。

「眉を読む」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

\次のページで「「眉毛を読まれる」」を解説!/

「眉毛を読まれる」

「眉を読む」の対義語としては「眉毛が読まれる」が挙げられるでしょう。「相手に心中を見すかされる。」という意味ですから、対義関係にあることがわかりますね。上述した例文にもあったように「眉を読まれる」も同じ意味で利用可能です。

「眉を読む」の英訳は?

image by PIXTA / 66265622

最後に、「眉を読む」を英訳するとどうなるかを見ていきましょう。

「watch one's face」

「眉を読む」を英語で言い回す場合は「watch one's face」が良いでしょう。「顔色を覗う」といった意味合いで使用することが可能です。以下に例文を見てみましょう。

・We need to watch out for that scary teacher's face. If he's in a good mood, you won't be guessed and there won't be a test, but if you get it wrong, you'll be standing in the hallway.

あの怖い先生の眉を読む必要がある。機嫌が良ければ当てられないしテストも無いのだけれど、間違えると廊下に立たされてしまうぞ。

・As a fortune teller, the ability to watch one' s face is essential. We do not tell you everything about the future that we can see, but we must consider how to convey it according to their facial expressions and state of mind.

占い師としては、眉を読む能力は必須です。見えている将来を全てお伝えするわけではなく、相手の表情や心境に応じて伝え方を考えないといけません。

・Gambling with other people is all about the skill of watching their faces. Cards and the overall flow of the game are important, but so are the opponents.

対人のギャンブルは眉を読むスキルが大事だよ。カードや全体の流れも重要だけれど、相手があるものだからね。

「眉を読む」を使いこなそう

この記事では「眉を読む」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。

「眉を読む」は相手の表情から心境・心情を推察する際に使用する言葉でした。ビジネスシーンでも日常生活でも、言われなくとも相手の表情を読み解く「眉を読む」スキルは重宝されますから、日ごろから鍛錬しておくと良いでしょうね。逆にポーカーフェイスで「眉を読まれる」ことのないようにしておくことも商談の席では重要です。

" /> 【慣用句】「眉を読む」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説! – ページ 3 – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「眉を読む」の意味や使い方は?例文や類語を元校閲者がわかりやすく解説!

2. 「腹を読む」

次にご紹介する類義語が「腹を読む」(はらをよむ)です。こちらも意味を確認しておきましょう。

相手の心中を推測する。相手の考えを理解する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「腹を読む

「腹を読む」も同じような意味を有していることがわかりますが、比較すると「眉を読む」が「表情」に限定した慣用句であったのに対して、「腹を読む」は「顔」に限定せず推察することを指す言葉です。つまり「眉を読む」よりもやや広い概念で、幅広く使用できる慣用句と言えるでしょう。

3. 「揣摩憶測」

最後はやや難しい四字熟語で、「揣摩憶測」(しまおくそく)です。意味を確認しておきましょう。

自分だけの判断で物事の状態や他人の心中などを推量すること。当て推量。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「揣摩憶測

「揣摩憶測」も同じような意味を有していますが、比較すると「表情」に限定していないこと、「自分だけの判断」というニュアンスが強調されていることが「眉を読む」との違いと言えるでしょう。

「眉を読む」の対義語は?

さて、同義語の次は対義語(反対語)を見ていきましょう。

\次のページで「「眉毛を読まれる」」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: