水の中の食物連鎖について詳しく解説!
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陸上、水中にかかわらず、生物はほかの生物を食べたり、食べられたりする関係でつながっており、これを食物連鎖といいます。
植物プランクトンや海藻がいて、それを食べるのが動物プランクトン。動物プランクトンを食べるのが小魚。小魚を食べるのがさらに大型の魚。といったように食物連鎖でつながっています。
一般的に生物は自分が生きていくために、体重のおよそ10倍のエサが必要です。そのため、バランスのとれた生態系では食べられるものの数が食べるものの数よりも10倍大きくなっており、きれいなピラミッドを形成しています。この生態系のバランスを保つことが非常に大事です。
動物プランクトンは植物プランクトンをエサにする
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動物プランクトンは植物プランクトンをエサとして食べて生活しています。
大型の藻類や植物プランクトンを食べるのは甲殻類のオキアミ類やカイアシ類などです。原生生物のように非常に小さい動物プランクトンは、さらに小さい藻類やバクテリアをエサにしています。
動物プランクトンは小型の魚に食べられる
動物プランクトンは主に小型の魚に食べられます。
基本的に直接プランクトンを食べるのは、生まれてからすぐのうまく泳げない子供の時期の魚や、イワシやサンマなどのエラでプランクトンを濾過して食べるような種類の魚です。エラに備わっている「鰓耙(さいは)」と呼ばれる、ザルのような器官を使ってプランクトンを濾しとるようにして食べます。
大型の海洋生物の中には動物プランクトンを食べるものがいて、ジンベイザメやシロナガスクジラなど濾過食性をとる生物はその代表例です。濾過食性であることで少ない労力でエサを得ることができるのと、動物プランクトンを食べるようにすることでエサにありつける可能性を高めていると言われています。これは、動物プランクトンが海洋の生態系の下位に位置しているのでその量が多いからです。
動物プランクトンは生産者なの?
動物プランクトンは植物プランクトンを食べて生活しています。なので、動物プランクトンは生産者ではなく、消費者です。
水の中では海藻や植物プランクトンなどが生産者です。植物プランクトンは光合成を行 って、自ら栄養分を作っているので他の生物を捕食する必要がありません。地上の植物の生育には肥料が欠かせないですが、植物プランクトンは水の底にいるバクテリアが生物の死骸やふんなどを分解して作り出した養分を肥料の代わりとして利用しています。
赤潮の発生と動物プランクトンの関係について解説!
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赤潮とは、海水中で植物性プランクトンが異常に増殖して、海の色が変わる現象のことをいいます。春から秋にかけて起こりやすく、海水が富栄養化した状態(通常よりも栄養成分が増えすきた状態)のときに、太陽の光をたくさん浴びて植物プランクトンが大量発生している状態です。
赤潮が発生すると動物プランクトンや魚は死滅ししやすくなります。これは、増えすぎた植物プランクトンの影響で海水中の酸素濃度を低下したり、魚のエラに付着して窒息させたり、藻類に毒素を発生させたりするためです。
富栄養化の主な原因には地球温暖化や、排水として流れ出る人間が使った洗剤や農薬、肥料などに含まれている窒素やリンが挙げられます。これらはヒトの生活に起因するものですので、日々の生活から各人が気をつけるのが大事です。
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