2-1.足とまぶたの違いで見分ける
トカゲとヤモリで大きく違うのが、足の構造。トカゲの足指は細いですが、ヤモリの足指は丸みを帯びて太さがあるのです。トカゲは垂直の壁面を走ることはできませんが、ヤモリはツルツルの窓ガラスにさえも容易に取りつくことができます。
ヤモリは足の裏に、趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる構造を持っているのです。この趾下薄板は、非常に細かなナノメートル単位の毛の集合体で構成されています。微細な毛が、壁との間に分子間力の一種である「ファンデルワールス力」を発生させるので、ヤモリの足と壁が引きつけ合い、垂直な壁でも落ちないでいられるのです。
また、トカゲにはまぶたがありますが、ヤモリはまぶたを持たず、透明な膜が目を覆っています。よく観察していると、トカゲが瞬きをする瞬間を見ることができるかもしれません。
2-2.活動時間と場所で見分ける
トカゲは昼行性。石垣や草むらの他、公園や庭先でも見かけます。地面を素早く走る姿が目立ちますが、日当たりの良い場所で日光浴をし、体を温めていることも。
一方、ヤモリは夜行性で、暗くなると活動を始めます。民家やその周辺に住み、壁や天井などに取りつくのです。窓ガラスにへばりつき、窓の明かりに集まる虫を捕食する姿も見られます。
3.トカゲやヤモリに似た動物、カナヘビとイモリの見分け方
トカゲやヤモリと混同されやすい動物に、カナヘビやイモリが挙げられます。それらの見分け方や特徴についても解説していきましょう。
3-1.カナヘビの特徴と見分け方
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カナヘビは、トカゲやヤモリと同じ爬虫類。トカゲと同じ有隣目トカゲ亜目スキンク下目に属し、かなり近い種類と言えます。カナヘビ科カナヘビ属に分類されており、日本でよく見られるのはニホンカナヘビです。
カナヘビのうろこはカサカサしており、体表面にはトカゲのような光沢はありません。また、カナヘビの尾は体長の3分の2を占めていて、トカゲやヤモリと比べると長めです。
さらには、舌先が二つに分かれていることも特徴。においをかぐタイミングで舌を出し入れするので、ぜひ舌先をチェックしてみてください。
3-2.イモリの特徴と見分け方
イモリは両生類で、爬虫類であるトカゲ・ヤモリ・カナヘビよりも、同じ両生類のカエルやサンショウウオに近い動物です。
川や池、田んぼといった淡水の中で暮らしており、皮膚は粘膜で覆われ、ヌルヌルしています。イモリは皮膚に毒を持つ種類が多いため、素手で触るのは避け、触ったら必ず手を洗ってください。
日本の代表的なイモリはアカハライモリで、その名の通り腹部が赤色をしています。
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