ナメクジのなかま
貝殻を失ったウミウシがダイバーに大人気なのとは対照的に、貝殻をほとんど失った陸生の腹足類…ナメクジの方は、残念ながらあまり人気がないかもしれません。
ナメクジの殻は退化していますが、種によっては体の中にちいさな殻が残っているものもいます。また、体全体を薄い殻が覆っている種もあったりするんです。貝殻の退化の度合いには、多様性があると覚えておきましょう。
腹足類以外の軟体動物
さいごに、腹足類(腹足綱)以外の軟体動物についても少しだけご紹介しておきましょう。
軟体動物は分類学上、軟体動物門という大きなグループにひとまとめにされています。現在は、軟体動物門をさらに8つのグループ(綱)に分けるのが一般的で、腹足綱もそのうちの一つです。
腹足綱以外には、二枚貝綱、掘足綱、多板綱、単板綱、頭足綱、溝腹綱、尾腔綱の7つの綱があります。
image by Study-Z編集部
このうち、二枚貝綱、掘足綱、多板綱などはわかりやすい殻や貝殻をもちます。その反面、頭足綱の代表的な存在であるタコやイカは、殻をもたない軟体動物です。
一口に軟体動物門といっても、その姿かたちはさまざまだということが実感できます。
軟体動物門は巨大な分類群
じつは、腹足類の含まれている軟体動物門というのは、非常に大きな分類群として知られています。動物の中では、昆虫などをふくむ節足動物門についで、ふくまれている種の数が多いのです。未知の種も含めれば、その総数は10万種をくだらないともいわれています。
そして、その軟体動物門のなかでも一番大きいのが、腹足類(腹足綱)の生物なのです。腹足綱をよく知ることは、軟体動物をよく知ることにもつながります。ぜひ、身近な腹足類に興味を持ってみてくださいね。