海の色が青い理由を知っているか?海の水をコップに入れても無色なのに、海が綺麗な青色なのは不思議ですね。
海が青い理由を簡単に説明すると、光の吸収によるものなんです。空の青色を映しているから、じゃないんです。ま、こっちの答えの方がロマンチックだけどな。今回は、海の色と空の色がそれぞれ青色に見える理由を、化学ライターの小春と科学的に説明していくぞ!

ライター/小春(KOHARU)

見た目はただの主婦だが、その正体は大阪大学大学院で化学を専攻していたバリバリの理系女子。大学院卒業後はB to Bメーカーで開発を担当し、起きている現象に「なぜ?』と疑問を持つ大切さを実感した。新婚旅行で沖縄の珊瑚礁でダイビングかシュノーケリングに挑戦したいと思っている。

デートで話すと盛り上がる!?海が青い理由をざっくり解説!

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海が青いのは空の青色をうつしているから、ではありません。まずはそれぞれ青く見える理由を科学的に説明していきます。

海が青い理由と空が青い理由は違う

海が青い理由と空が青い理由はそれぞれ光の性質に関連しています。しかし、それぞれ違う光の性質によるのです。海と空はそれぞれ影響しあって青いわけではありません。

光の性質には量子力学が関わることもあり、詳しく習うのは大学生になってからです。今回はなるべく簡単に、大学で習う内容をほとんど使わずに説明していきます。

海が青い理由を簡単に説明

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海の水が青く見えるのは全く別の理由によります。水の分子は赤い光を吸収することが研究によって分かってきました。数メートルの距離を進むと赤い光が吸収されて弱くなり、観測者の目に届くのは青の光だけになります。

海底が暗いのは、水は青色や緑色の光も少しは吸収するためです。数メートルから数十メートルの範囲で考えると、太陽からの白い光は全て吸収され、やがて光は届かなくなります。

空が青い理由を簡単に説明

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大気中には、通常小さな微粒子が散乱しています。太陽から届く光はその微粒子によって散乱されますが、波長の短い光ほどより強く散乱され、向きが変えられるのです。つまり色と波長の関係を虹の色で表すと、赤色はより波長が長く、青色は波長が短いということ。

太陽から届く光のうち、波長のより短い青色の光がより多く散乱され、私たち観測者の目に届きます。これが、空が青く見える理由です。

光の散乱について解説

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空が青色に見える理由は光の散乱だと紹介しました。ここでは光の散乱について深掘りしていきます。

\次のページで「光の波長とは」を解説!/

光の波長とは

光の波長とは

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光は粒子であり波でもある不思議な存在です。光の吸収について考えるときは、波として扱って考えた方が分かりやすくなります。
波の山から山までの長さを一般的に「波長」と呼んでいて、光の色の違いは、この波長の長さの違いによるものなのです。人間の目で感じることができるのはそのうち380〜780nmのみ。青〜紫色が400nmあたり、赤色が700nmあたりで、紫よりも短い波長を紫外線、赤色よりも長い波長を赤外線と呼んでいます。

少し脱線しますが、なぜ全てのものに「色」があるのか説明しましょう。それは、それぞれの物の表面が、特定の色だけを反射してそれ以外の色を吸収しているからです。赤いものは700nm前後の光だけを反射し、それ以外の波長帯の色を吸収しているため、赤色に見えます。

光の散乱

光の進路に障害物があると仮定しましょう。このとき、光である波の振動する電場・磁場と、障害物である微粒子を構成する分子や原子の電場・磁場との間に相互作用が起こります。

すると光と障害物との間に反発・吸引力が働き、波の進行方向が様々に変化するのです。このように、光の進行方向に微粒子などの障害物があることによって進行方向が不規則に変化する現象を「光の散乱」と呼んでいます。

レイリー散乱

光の散乱の説明の時に出てきた「障害物」のサイズが変わると、散乱現象も変化していきます。その中でも、0.05μmなど波長に比べて非常に小さい粒子の時に起こる散乱が「レイリー散乱」です。空気中の微粒子のサイズは小さく、レイリー散乱が起こります。波長の短い青い光は空気中で何度も散乱し、私たち観測者の目に空の色として入ってくるのです。

レイリー散乱は簡単に実験してみることができますよ。透明の瓶に水を入れたあと、少量のミルクを入れると、瓶の中で混ざったミルクの分子は光の障害物の役割を果たします。レイリー散乱です。懐中電灯などで瓶をの中を照らすと、通過した光は赤っぽくなります。簡単なので、試してみてください。

夕焼けの色もレイリー散乱で説明できる

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夕方、太陽が沈んでいき、地平線近くから地面を照らすときには太陽から観測者の目までの、空気を通過する距離が長くなっていることが想像できるでしょうか。

波長の短い光成分である青色の光は、真昼よりも更に散乱され、地表に到達したとき、すなわち観察者の眼に入るときには、残りわずかの状態になってしまいます。

散乱されにくい波長の長い光成分である赤色の光について考えてみましょう。波長が長く散乱されにくい赤い光でも、長い距離を通過するにつれて、ある程度の量が散乱されてしまい、太陽光の進路の周辺に広がりますが、昼間の青色の光のように空全体に広がるまでには至りません。

まとめると、太陽から直接人間の目に到達する光は、青色の短波長成分が非常に少なく、赤色の長波長成分は一部散乱されていますが、かなりの量が残っている状態になっていることになります。よって、太陽方向の空に散乱された長波長光成分が広がり、赤〜オレンジ色に染まって見えるのです。

光の吸収について解説

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海が青く見える理由である光の吸収について解説していきます。コップに入れた水や、水たまりが海の色に見えたことはありますか?ありませんよね。

ただの水の時は無色透明なのに、海が緑〜青色に見える理由を解説していきます。

光の吸収とは?

光の吸収について完全に理解するためには量子力学を理解しなくてはなりません。今回は簡単に説明しますね。

光はエネルギーを持っているので、光が当たった物質は、光のエネルギーを受け取り自分の力にすることができるのです。水分子も、光からエネルギーを受け取り、水分子自身の振動を変えることができます。

このとき振動を変えるのに必要なエネルギーは600〜700nm付近のものなので、太陽光の中の波長が600〜700nmくらいのものが吸収される、つまり青色付近の波長が残るのです。つまり、海が青色に見えるようになります。

\次のページで「科学から考える「キレイな海」とは?」を解説!/

科学から考える「キレイな海」とは?

水中に微粒子がある場合、光はどうなるでしょうか。復習すると「空が青く見えるのは、空気中の微粒子が障害物となり、光が散乱されるため」でしたね。

水中に微粒子が多量に存在すると、水の中に入った光の散乱が増えます。さらに、浅い場所では光が反射されて光路長も短くなり、入射光の水による吸収が加わることにより、乳濁した水色に見えるのです。有名な北海道美瑛の青い池には、白色の水酸化アルミニウムが浮遊物として入っているため、光の吸収と散乱が起きて、美しいセルリアンブルーになっています。

他にも日本国内できれいな海として有名なのは、日本の青の洞窟として有名な恩納村の真栄田岬や、一面の白い砂浜とコバルトブルーの海が特徴的な国頭郡のビーチです。沖縄県の透明度の高い海やサンゴ礁は世界有数の美しさで人気のスポットですので、可能ならばその目で見に行ってきてはいかがでしょうか。

空と海が青い理由は物理と化学で説明できる!

まとめると、空が青い理由は光の散乱、海が青い理由は光の吸収です。それぞれ違う理由ですが、光の性質によるところは共通ですね。

特徴的な美しい色の海や湖も、世界中には多く存在します。それぞれどんな理由でその色になっているのか、考えてみると楽しいかもしれませんね。ただし、デートで女の子に解説しても、尊敬されるどころか全くウケないと思いますので、話題に出すのはあまりおすすめしません。お気をつけください!

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物理理科

デートで使える!?海が青い理由とは?阪大院卒ライターが分かりやすくわかりやすく解説!

海の色が青い理由を知っているか?海の水をコップに入れても無色なのに、海が綺麗な青色なのは不思議ですね。
海が青い理由を簡単に説明すると、光の吸収によるものなんです。空の青色を映しているから、じゃないんです。ま、こっちの答えの方がロマンチックだけどな。今回は、海の色と空の色がそれぞれ青色に見える理由を、化学ライターの小春と科学的に説明していくぞ!

ライター/小春(KOHARU)

見た目はただの主婦だが、その正体は大阪大学大学院で化学を専攻していたバリバリの理系女子。大学院卒業後はB to Bメーカーで開発を担当し、起きている現象に「なぜ?』と疑問を持つ大切さを実感した。新婚旅行で沖縄の珊瑚礁でダイビングかシュノーケリングに挑戦したいと思っている。

デートで話すと盛り上がる!?海が青い理由をざっくり解説!

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海が青いのは空の青色をうつしているから、ではありません。まずはそれぞれ青く見える理由を科学的に説明していきます。

海が青い理由と空が青い理由は違う

海が青い理由と空が青い理由はそれぞれ光の性質に関連しています。しかし、それぞれ違う光の性質によるのです。海と空はそれぞれ影響しあって青いわけではありません。

光の性質には量子力学が関わることもあり、詳しく習うのは大学生になってからです。今回はなるべく簡単に、大学で習う内容をほとんど使わずに説明していきます。

海が青い理由を簡単に説明

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海の水が青く見えるのは全く別の理由によります。水の分子は赤い光を吸収することが研究によって分かってきました。数メートルの距離を進むと赤い光が吸収されて弱くなり、観測者の目に届くのは青の光だけになります。

海底が暗いのは、水は青色や緑色の光も少しは吸収するためです。数メートルから数十メートルの範囲で考えると、太陽からの白い光は全て吸収され、やがて光は届かなくなります。

空が青い理由を簡単に説明

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大気中には、通常小さな微粒子が散乱しています。太陽から届く光はその微粒子によって散乱されますが、波長の短い光ほどより強く散乱され、向きが変えられるのです。つまり色と波長の関係を虹の色で表すと、赤色はより波長が長く、青色は波長が短いということ。

太陽から届く光のうち、波長のより短い青色の光がより多く散乱され、私たち観測者の目に届きます。これが、空が青く見える理由です。

光の散乱について解説

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空が青色に見える理由は光の散乱だと紹介しました。ここでは光の散乱について深掘りしていきます。

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