物理理科

なぜ電車内でジャンプしても後ろに下がらない?慣性との関係について阪大院卒ライターがズバリわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。電車の中でジャンプしたら、どこに着地するか想像してみてくれ。実際に電車の中でジャンプするのは迷惑行為になるから、思考実験だ。果たして着地するのは、ジャンプしたのと同じ場所だろうか?ジャンプしている間に電車が進んだ分、別の場所に着地するだろうか?
正解は、なんと元の場所に着地するんだ。この秘密は慣性の法則、と呼ばれる法則にある。この不思議について、物理に詳しいライター小春と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/小春(KOHARU)

見た目はただの主婦だが、その正体は大阪大学大学院で化学を専攻していたバリバリの理系女子。大学院卒業後はB to Bメーカーで開発を担当し、起きている現象に「なぜ?』と疑問を持つ大切さを実感した。高校時代の苦手科目は物理。苦手なぶん、人より長い時間勉強した自負がある。

動いている電車でジャンプしても元の場所に着地するのはなぜ?

image by iStockphoto

動いている電車の中でジャンプしてみたことはありますか?浮いている間も電車は動き続けています。着地するとき、その地点はジャンプし始めた地点でしょうか、それとも、ジャンプしている間に電車が進んだ分、車両の後ろ側に着地するでしょうか?

動いている電車でジャンプしたらどうなる?

動いている電車でジャンプしたらどうなる?

image by Study-Z編集部

答えは「ジャンプし始めた元の位置に着地」します。止まっている電車の中でジャンプしても、動いている電車のなかでジャンプしても、答えは同じなのです。

これは電車でなくても、例えば船や飛行機でも同じ現象が起こります。他にも、電車の中でボールを上に投げてもちゃんと自分の手元に戻ってくるはずですよ。

これらの現象は全て1つの物理法則で説明することができます。それは「慣性の法則」と呼ばれる法則です。慣性の法則を簡単にいうと「物体はその運動の状態を維持し続けようとする」法則。つまり、動いている物体は動き続け、静止している物体は静止し続けようとするのです。

動いている電車の中では、乗っている人も同時に「動いて」いる

電車の中にいる私たちは、物理的にいうと「電車と一緒に電車の方向に動き続けている」のです。動いているかどうかは、私たちが自分の意志で動いているかどうかでなく、その方向に移動しているかどうか、で考えてください。

ですから、電車の中でジャンプしたとしても、ジャンプ前もジャンプ中も電車と同じ速度で電車と同じ方向に運動し続けている(=慣性)ので、ジャンプ前と同じ地点に着地することができるのです。

不思議に思う方は、電車の外側からこの実験を見ている人を想像してみてください。その電車の外の観察者から見れば、ジャンプした位置と着地した位置は違います。観測者も実験者も電車の中にいるので、「同じ位置に着地した」ように見えている、とも言えるでしょう。これは相対位置の話になっていくので、気になった方は調べてみてください。

慣性の法則について分かりやすく解説!

動いているものは動き続け、止まっているものは止まり続ける、と簡単に説明した慣性の法則について、詳しく説明していきましょう。

慣性の法則の定義

ブリタニカ国際大百科事典の定義によると、慣性の法則とは「外から力が作用しなければ、物体は静止または等速度運動を続けるという法則」です。ニュートンの運動の法則の1つで、運動の第一法則ともいいます。慣性とは、運動の現状をそのまま保持しようとする物体の性質のことです。

\次のページで「慣性の法則を数式で表す」を解説!/

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