この記事ではザラメと砂糖の違いについてみていきます。2つとも甘味を加える調味料ですが、具体的な違いがわかりづらいよな。違いはずばり種類で、味などにもそれぞれ違いがあるみたいです。
今回はそんな料理に欠かせないアイテムの違いを、定義から確認しつつ、料理好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

料理好きライター。最近は健康を意識するようになり、糖質控えめなレシピを勉強中。日頃の料理経験を活かして違いを分かりやすく解説していく。

ザラメと砂糖のざっくりした違いは?

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ザラメや砂糖はスーパーなどでもよく見かける調味料です。どちらも甘い調味料だということはわかるけど、具体的な違いはわからないという方も多いと思います。まずはザラメと砂糖のざっくりした違いからチェックしていきましょう。

砂糖:植物のショ糖を主成分とする甘味料の総称

砂糖はサトウキビや甜菜(てんさい)などの植物が原材料で、ショ糖を主成分とする甘味料の総称です。ある一つのものを指す名前ではありません。砂糖は大きく分けると以下の2種類に分かれます。

分蜜糖(あるいは精製糖)
原材料から絞り出した汁に含まれるショ糖を結晶にしたもの。作っている途中で他の成分はほとんど取り除かれている。

含蜜糖
原材料から絞った汁を煮詰めて結晶にしたもの。汁にした段階で不純物は取り除かれるが、ミネラルなどショ糖以外の成分はそのまま使われる。

ただ日本の家庭では砂糖の一種である「上白糖」がよく使われるため、上白糖のことを砂糖(あるいは白砂糖)と呼ぶことも多いです。

ザラメ:砂糖の一種

ザラメは砂糖の一種を指す名前です。砂糖の大きなジャンルでいうと、分蜜糖に分類されます。成分の99%ほどがショ糖で純度が高いのも特徴です。

また一般的にザラメと呼ばれる砂糖の中には「白双糖」「中双糖」と2つの種類が。2つの大きな違いは色で、白双糖は無色透明・中双糖は薄茶色をしています。製造方法や粒の大きさはほぼ同じです。

ザラメと砂糖(上白糖)の違いをチェック!

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ここからは「ザラメ」と、日本の家庭で最も使われている「上白糖」の違いについて詳しくご紹介していきます。見た目・製造方法・味・使い方など、様々な角度からチェックしてみましょう。

\次のページで「ザラメと砂糖の「見た目」の違い」を解説!/

ザラメと砂糖の「見た目」の違い

ザラメと上白糖は見た目がかなり違います。知っている方も多いかもしれませんが、それぞれどんな砂糖なのか改めて確認してみましょう。

ザラメの見た目
・粒径:1.0〜3.0mmほど
・色:無色透明または薄茶色

上白糖の見た目
・粒径:0.1〜0.2mmほど
・色:白

ザラメは粒が大きめな砂糖です。袋に入った状態でも、一粒一粒の形がハッキリと見えるほど。上白糖はザラメに比べると粒が小さいです。

ザラメと砂糖の「製造方法」の違い

ザラメと一般的に砂糖と呼ばれる上白糖は、「原材料がサトウキビ」で「精製糖」という点は同じです。しかし製造方法はそれぞれ違います。特に大きく異なるポイントを以下にまとめました。

上白糖
・ショ糖の結晶にビスコ(転化糖液)をつける。

ザラメ
・上白糖を作る途中にできた糖汁を濃縮して固める。
・茶色のザラメはカラメルをつけたり、煮詰めてカラメル化させている。

ザラメと上白糖だけではなく、ザラメの中でも白色のザラメと茶色のザラメは製造方法に違いが。最後にカラメル化するかしないかで色に違いが出ています。

ザラメと砂糖の「味」の違い

ザラメと砂糖はどちらもサトウキビから作られていますが、実は味に違いがあるというのはご存知でしょうか。2種のザラメと上白糖の味の違いをみていきましょう。

茶色のザラメ
・カラメルを吹きつけたり煮詰めてカラメル化させているため、まろやかな甘味がある。

白色のザラメ
・カラメル化していないため、茶色いザラメよりショ糖の純度が高い。上品であっさりとした甘味。

上白糖
・転化糖という甘味の強い成分を多く含むため、ザラメより甘い。

\次のページで「ザラメと砂糖の「使い方」の違い」を解説!/

ザラメと砂糖の「使い方」の違い

味や粒の大きさが異なるため、ザラメと砂糖を使い分けるとさらに料理が美味しくなります。特にどんな料理に向いているのか、それぞれチェックしていきましょう。

いわゆる砂糖である上白糖は溶けやすく、様々な料理に使えるオールラウンダー。飲み物の甘さ足しにも向いています。上白糖さえあれば、普段の料理で困ることはほとんどないでしょう。一方ザラメは使い方を少し意識する必要があります。

ザラメのオススメな使い方
・煮物や佃煮など長時間加熱する料理を作るとき。
・お菓子などで食感にアクセントを出したいとき。
・高級感のある上品な甘さを出したいとき。(白色のザラメ)
・甘さだけでなくコクを出したいとき。(茶色のザラメ)

ザラメは粒が大きいため、上白糖と同じ感覚で炒め物などに投入してしまうと溶け残りが気になる可能性も。ゆっくり溶ける性質を活かして、加熱時間が長い料理に使うのがオススメです。

それぞれ甘さにも違いがあるので、作るものによって変えてみると料理の幅が広がりますよ!

ザラメは体に悪いという噂について

たまにザラメが体に悪いという噂を聞いたり、ネットで目にすることはありませんか?またザラメに限らず、精製糖自体が健康に良くないという話があることも。

結論を言うと、どんな種類の砂糖を使ってもあまり違いはありません。確かに黒糖など、特別な加工がされていない含蜜糖はミネラルが豊富という特徴があります。しかし、砂糖自体がそもそも摂取しすぎると体に良くないものなのです。

1日の摂取量で比べると、精製糖を含蜜糖に変えたからといって健康に劇的な違いはないと言えます。砂糖の種類を意識しすぎることより、摂取量を守ることの方が健康にとって大切です。

ザラメと砂糖は代用できる?

料理を作っている途中に「砂糖を使いたいのにザラメしかない!」と気づいたり、「ザラメが余ってる」と困った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方のために、それぞれ代用できるのかを解説していきます。

代用することは可能

ザラメと上白糖は糖度がほぼ変わらないため、甘さを加えるという点では代用可能です。ただ場合によっては難しいこともあります。

代用が難しい場合の例
・ザラメの代わりに上白糖でわたあめを作ること
わたあめを作る機械の仕様上、代用できない場合が多いです。

・上白糖の代わりにザラメで飲み物や合わせ調味料に甘さを足すこと
ザラメは粒が大きいため、上手く混ざってくれない可能性が高い。

・上白糖の代わりにザラメを使ってお菓子を作ること
分量がシビアなお菓子作りにはあまりオススメできない。茶色のザラメで代用する場合、仕上がりの色味に影響する可能性もある。

それぞれ大さじ1杯の重さを比べると、ザラメが約15g・上白糖は約9gとなります。また上白糖の方がザラメより甘いという点も、代用する際には意識した方がいいでしょう。

\次のページで「いろいろな砂糖の特徴」を解説!/

いろいろな砂糖の特徴

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ザラメと上白糖についての違いを解説してきましたが、砂糖には他にも沢山種類があります。いくつかご紹介するので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

グラニュー糖

世界で最も使われている砂糖です。日本では「砂糖=上白糖」ですが、世界の多くの場所では「砂糖=グラニュー糖」と認識されています。

白色で粒がかなり細かくサラサラしているのが特徴。甘さにクセがないので、幅広く使われています。上白糖より甘さは少し控えめです。

黒糖

サトウキビから作られた濃い茶色の砂糖。糖汁を煮て固めるというシンプルな方法で作られています。ザラメや上白糖とは違う、含蜜糖というジャンルに分類される砂糖です。

ほろ苦さや香ばしさを感じるような独特な風味が特徴。蒸しパンや麩菓子など素朴なお菓子によく使われています。

粉砂糖

お菓子作りによく使われる砂糖。グラニュー糖などを粉状にして作られています。トッピングとして使われる粉砂糖は、溶けたり湿気を吸ってダマになりにくいよう、コーンスターチが含まれていることが多いです。

スッキリとした甘さなので、チョコレートケーキやクッキーに振りかけるのもオススメ。見栄えしますよ!

三温糖

ザラメのように、上白糖を作る途中に出た汁を煮詰めた砂糖です。粒は上白糖と同じくらいの大きさですが、煮詰めて作られているため薄茶色をしています。

商品によってはカラメルの色素を使って色付けしているものも。カラメルならではのまろやかさやコクがあるので、三温糖を使うと料理に深みがでますよ。

てんさい糖

日本で作られる砂糖はほとんどサトウキビが原材料ですが、てんさい糖は「甜菜(てんさい)」という植物から作られています。薄茶色でまろやかな甘さがある砂糖です。

甜菜は見た目が大根ににているため「さとう大根」とも呼ばれています。腸内環境を整えてくれるオリゴ糖が含まれているのもポイントです。

違いを活かして使ってみよう!

一括りに砂糖と言っても、それぞれ甘さや粒の大きさなどに違いがあります。上白糖があれば普段の料理で困ることはありませんが、いつもと違う砂糖を取り入れてみるのもオススメです。

煮物・漬物・すき焼きの割下などを作るときにザラメを使ってみると、いつもと少し違った味わいを楽しめますよ。砂糖は賞味期限を記載しなくていいほど、長い間保存できる調味料です。

開封後も密封して常温保存しておけばいつでも使えるので、ぜひ色々な種類の砂糖を使ってみてください。

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雑学食べ物・飲み物

3分でわかるザラメと砂糖の違い!味や使い方は?代用できるかなど料理好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事ではザラメと砂糖の違いについてみていきます。2つとも甘味を加える調味料ですが、具体的な違いがわかりづらいよな。違いはずばり種類で、味などにもそれぞれ違いがあるみたいです。
今回はそんな料理に欠かせないアイテムの違いを、定義から確認しつつ、料理好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

料理好きライター。最近は健康を意識するようになり、糖質控えめなレシピを勉強中。日頃の料理経験を活かして違いを分かりやすく解説していく。

ザラメと砂糖のざっくりした違いは?

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ザラメや砂糖はスーパーなどでもよく見かける調味料です。どちらも甘い調味料だということはわかるけど、具体的な違いはわからないという方も多いと思います。まずはザラメと砂糖のざっくりした違いからチェックしていきましょう。

砂糖:植物のショ糖を主成分とする甘味料の総称

砂糖はサトウキビや甜菜(てんさい)などの植物が原材料で、ショ糖を主成分とする甘味料の総称です。ある一つのものを指す名前ではありません。砂糖は大きく分けると以下の2種類に分かれます。

分蜜糖(あるいは精製糖)
原材料から絞り出した汁に含まれるショ糖を結晶にしたもの。作っている途中で他の成分はほとんど取り除かれている。

含蜜糖
原材料から絞った汁を煮詰めて結晶にしたもの。汁にした段階で不純物は取り除かれるが、ミネラルなどショ糖以外の成分はそのまま使われる。

ただ日本の家庭では砂糖の一種である「上白糖」がよく使われるため、上白糖のことを砂糖(あるいは白砂糖)と呼ぶことも多いです。

ザラメ:砂糖の一種

ザラメは砂糖の一種を指す名前です。砂糖の大きなジャンルでいうと、分蜜糖に分類されます。成分の99%ほどがショ糖で純度が高いのも特徴です。

また一般的にザラメと呼ばれる砂糖の中には「白双糖」「中双糖」と2つの種類が。2つの大きな違いは色で、白双糖は無色透明・中双糖は薄茶色をしています。製造方法や粒の大きさはほぼ同じです。

ザラメと砂糖(上白糖)の違いをチェック!

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ここからは「ザラメ」と、日本の家庭で最も使われている「上白糖」の違いについて詳しくご紹介していきます。見た目・製造方法・味・使い方など、様々な角度からチェックしてみましょう。

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