端的に言えば身を落とすの意味は「落ちぶれる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「身を落とす」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ハヤカワ
学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。
「身を落とす」の意味や語源・使い方まとめ
image by iStockphoto
それでは早速「身を落とす」の意味や語源・故事・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「身を落とす」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。
「身を落とす」の意味は?
「身を落とす」というキーワードを国語辞典・用語辞典・広辞苑・和英辞典・大辞林・辞書・字典・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。
1.おちぶれる。「失意のうちに—・す」
2.身を沈める。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「身を落とす」
「身を落とす」は落ちぶれること・身を沈めることの2種類の意味をもつ慣用句です。社会的地位・生活程度が悪化し惨めな状態になることを表す場合、単にからだを伏せるという意味の場合の2種類があるため、どちらの意味で使われているのか、見聞きした際は前後の文脈に注意して読み取っていきましょう。
「身を落とす」は書籍・新聞等の文章中を中心として使われている言葉です。口語ではあまり使われていない言葉となっているため注意しましょう。字面からは意味を捉えづらい言葉となっているため、この機会にしっかりと意味・用法を覚え、自身の語彙力を高めていきましょう。
「身を落とす」の語源は?
次に「身を落とす」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「身を落とす」の語源は現在はっきりとはしていません。「身を落とす」の語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「身を落とす」は1798年の洒落本・辰巳婦言にも「とんと身を落せば食客(そうちう)の権八さんとなる事」として登場しています。
このことから非常に古くから、現在と同様の意味で使われている表現であることが分かりますね。「身を落とす」が何時頃から使われだしたのかという点についても、あわせて覚えておきましょう。「身を落とす」は現在も、主に落ちぶれるという意味の表現として、書籍・新聞等の文章中を中心として使われています。
\次のページで「「身を落とす」の使い方・例文」を解説!/