
端的に言えば手ぐすね引くの意味は「準備して機会を待つ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手ぐすね引く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ
学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。
「手ぐすね引く」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
それでは早速「手ぐすね引く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手ぐすね引く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。
「手ぐすね引く」の意味は?
「手ぐすね引く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。
1.十分用意して待ちかまえる。準備して機会を待つ。「—・いて待ち受ける」
2.滑りをとめて弓返りを防ぐため、弓手に薬練を塗る。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「手薬練引く」
「手ぐすね引く」は滑りをとめ弓返りを防ぐために弓手に薬練を塗ること、また転じて十分用意して待ち構えることを意味する言葉です。「手ぐすねを引いて待つ」といった言い回しで使われることが多く、準備をしっかり整え機会を待つ様子を表現します。また漢字では「手薬練引く」と書く点も覚えておきましょう。
「手ぐすね引く」は古風な表現ですが、現在でも書籍・新聞等の文章中を中心として時折使われています。口語としては基本的に使われていない言葉となっているため、注意しましょう。この機会に「手ぐすね引く」の意味・用法をしっかりと覚え、自身の語彙力を高めていきましょう。
「手ぐすね引く」の語源は?
次に「手ぐすね引く」の語源を確認しておきましょう。手ぐすね引くの「薬練(くすね)」とは、松脂を油で煮て練ったもので、粘着力が強く、これを利用して弓を用いる際に弦に塗ることで補強を行います。「手ぐすね引く」は、元々はこの薬練を弓に塗っておき、戦に備えることを意味していました。
この意味がその後広がり、「手ぐすね引く」は、十分に準備し機会を待つことを意味する慣用句となります。現在は主にこうした、しっかりと準備を整え機会を待つ意味でよく用いられていますね。「手ぐすね引く」の語源から、意味・用法について、より正確に理解していきましょう。
\次のページで「「手ぐすね引く」の使い方・例文」を解説!/