内臓反射の代表的経路
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内臓反射の代表的経路を見ていきましょう。以下は内臓−内臓反射の例です。
内臓−内臓反射では、内臓からの感覚情報が自律神経により求心性に脊髄にまで伝えられます。脊髄内には介在神経が存在。求心路の神経は、この介在神経を介して遠心性の自律神経に情報を伝達しています。このような、大脳を介さずに無意識下で情報伝達される仕組みを反射といい、そのための経路を反射弓と言いましたね。今回お示しした例は脊髄を中枢とし反射弓を形成するものでしたが、内臓反射の中枢には他にも中脳や延髄なども存在しています。これについては次の章で扱いますね。
内臓反射の具体例
内臓反射の具体例を見ていきましょう。
【反射中枢が中脳】
・対光反射(網膜への刺激→縮瞳)
【反射中枢が延髄】
・せき反射(気道粘膜への刺激→咳)
・圧受容器反射(大血管の圧受容器への刺激→心拍出量低下、血管拡張)
・唾液反射(口内への刺激→唾液分泌)
・嘔吐反射(食道などへの刺激→横隔膜が収縮、食道の蠕動運動)
・胃反射(胃壁を広げる刺激→胃が緩む)
【反射中枢が腰髄・仙髄】
・排尿反射(膀胱壁が引き伸ばされる刺激→膀胱が収縮、尿道が緩む)
・排便反射(直腸壁が引き伸ばされる刺激→直腸が収縮、肛門が緩む)
脳幹とは?
生命維持に重要と言われる脳幹ですが、一体どのような器官なのでしょうか?
脳幹は生命中枢!
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脳幹は中脳、橋、延髄からなる器官。大脳と脊髄の間に存在している、細長い「脳」です。脳幹は、古くから生命維持活動の中枢と言われてきました。というのも、脳幹には内臓反射の中枢、特に、呼吸や循環など生命に関わる反射の中枢が多く存在しているからです。
さらに、脳幹には大脳や小脳、視床下部などからの情報も集合してきます。複数臓器の情報が集合し、統合的に調節されるのが脳幹という器官なのです。
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