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ウランとはどのような物質?原子力発電との関係は?現役理系学生ライターが5分でわかりやすく解説

核分裂性物質としてのウラン

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1つ前のチャプターでは、ウランの化学的な性質に焦点を当てていましたが、ここからは核化学の視点でウランについて考察していきます。ウランは核化学の視点で見ると、非常に特殊な物質であるからです。

以下では、ウランの同位体や核分裂連鎖反応について詳しく解説しますね。また、それらを踏まえてウランを平和的な目的で利用する必要性についても考えてみましょう。

ウランの同位体

あらゆる物質を構成する原子は、陽子と中性子から成る原子核とその周りに存在する電子で構成されています。そして、各元素において原子核の陽子数は固有です。つまり、原子核の陽子数によって元素が決定づけられます。一方で、同じ元素であっても中性子数が異なる原子が存在しますよ。これらが同位体です。

ウランの陽子数は92個で、様々な同位体が存在します。ウランの同位体の中で最も存在比が大きいのはウラン328(中性子数236個)ですよ。しかしながら、資源的な価値が最も高いのはウラン325(中性子数233個)となっています。ウラン325は他の同位体と異なり、核分裂連鎖反応を引き起こすからです。

核分裂連鎖反応とは?

ここでは、核分裂連鎖反応について、ウラン325を例に挙げて説明しますね。ウラン325に中性子を当てると、ウランの原子核が2つに割れて平均で約2.5個の中性子とエネルギーが放出されますここで放出された中性子は再び別のウラン235に当たり、同様の反応が生じるのですこれを繰り返すと、単位時間当たりに反応するウラン235の数は指数関数的に増加し、それに伴い莫大なエネルギーが放出されます

このような現象が核分裂連鎖反応であり、このとき放出されるのが核エネルギーですよ。ウラン235の濃度を限界まで高めて、短時間で最大限のエネルギーを取り出せるようにしたものが核兵器なのです。一方、原子力発電は核分裂連鎖反応のスピードをゆっくりと進むようにして、安全に核エネルギーを取り出しています

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