
都市におけるエネルギー消費の増大

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ヒートアイランド現象により夏季の都市部の気温が上昇すると、都市部における冷房需要は大きくなります。そして、冷房需要が高まると電力需要も大きくなりますよね。関東の都市圏におけるヒートアイランド現象による電力需要の増加量は最大で1時間あたり500万kWhになるという推計結果もありますよ。
そして、これだけの電気を作り出す過程で2000トン程度の二酸化炭素が放出されます。二酸化炭素は温室効果ガスで地球温暖化に寄与しますよね。つまり、ヒートアイランド現象が深刻化すると、地球温暖化もより深刻化するという悪循環に繋がってしまうのです。
生物への影響

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ヒートアイランド現象は人間以外の生物にも影響を与えますよ。大阪市では、中心市街地と大阪湾沿岸部でソメイヨシノの開花が最大で1週間程度差があることが確認されており、この現象の原因はヒートアイランドによる中心市街地の気温上昇にあると考えられています。
また、本来であれば越冬できない昆虫がヒートアイランド現象により気温が上昇した都市で越冬することで、伝染病などを深刻化させてしまうケースもあるのです。実際、ヒートアイランド現象により、マラリアを媒介するハマダラカの生息域は広がりつつあります。
ヒートアイランドについて学ぶ意義
ヒートアイランド現象という言葉を耳にしたことはあるが、詳しくは知らなかったという方は決して少なくはないでしょう。ですが、ヒートアイランド現象が都市で生活する人々に与える影響は極めて深刻であり、他人事とは言えない状況にありますよね。
そして、少しでも多くの人が、ヒートアイランド現象について知ることが、この環境問題を解決するための第一歩となります。ぜひ、この記事を読んでヒートアイランド現象について詳しく学んでみてくださいね。