
ヒートアイランド現象による影響
ここからはヒートアイランド現象が人々やそのほかの生物にどのような影響を与えるのかということを考察していきましょう。今回は、異常気象・人間への健康影響・都市におけるエネルギー消費の増大・生物への影響の4つをヒートアイランド現象が及ぼす影響としてご紹介します。
これらの影響を知ることで、ヒートアイランド現象がいかに深刻な環境問題であるかが理解できることでしょう。ヒートアイランド現象のメカニズムを思い出しながら、以下の記事を読み進めてみてください。
異常気象

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ヒートアイランド現象により、地表面が暖められた都市部ではゲリラ豪雨の原因となる積乱雲が発生しやすくなります。近年は関東地方の都市圏で、排水設備のキャパシティを大幅に超える降雨をもたらすゲリラ豪雨の発生も頻発するようになってきました。
また、都市部おける冬場の乾燥にもヒートアイランド現象が寄与していることが判明しています。ヒートアイランド現象により、気温が上昇することで飽和水蒸気量が大きくなり、都市部の相対湿度が低下しているのです。以上のような、ゲリラ豪雨や極端な乾燥といった異常気象がヒートアイランド現象により都市部で発生してしまうのですね。
人間への健康影響

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ヒートアイランド現象による人間への健康影響の中で最も深刻なものが熱中症です。日本における東京などの都市の夏季平均気温は、郊外などのエリアに比べて3℃程度高くなっており、都市部における熱中症患者数が増加しています。
最悪の場合、熱中症は死に至るケースもあるため、深刻な健康影響と言えるでしょう。今後、地球温暖化による気候変動の影響も相まって、都市部における熱中症のリスクはさらに増大する可能性もあるので注意が必要です。
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