化学理科

キセノンとはどんな元素?性質や化合物、利用例などを理系ライターが詳しくわかりやすく解説!

車のヘッドライトにも!照明として利用

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最近では、電車や車のヘッドライトにはキセノンガスが使用されています。キセノンガスは、外部からのエネルギーによって原子、分子のエネルギーが高まり放電し発光するのです。これをキセノンランプと言います。一般的な白熱電球はフィラメントという電線に電気を通すことで発光するので、キセノンランプの方が消費電力が低く、長寿命だといえますね。

また、キセノンランプは太陽光に近い白色光源なので、写真用のストロボや映写機用のランプにも用いられています。

宇宙衛星のイオンエンジン!

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小惑星探査機「はやぶさ」のような宇宙衛星は、軌道を制御するためにイオンエンジンが用いられています。イオンエンジンは、キセノンガスをプラズマにし電気的に加速させ、高速で噴射させることで推進するのです。

化学燃料だと重く、宇宙まで持っていくとその分スペースを取られてしまいますが、イオンエンジンではそのような心配はありませんね。ちなみに電力は衛星に搭載されている太陽電池で充てんできます。

医療分野でも活躍!

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キセノンは1946年に麻酔作用があることが発見され、長きにわたり研究されてきました。導入と覚醒が早く、鎮痛作用や脳を保護する作用があることから、理想的な麻酔薬と言えるでしょう。しかし、キセノン単体は高価で、副作用の心配もあることから一般的に普及されていないのが現状です。

また、キセノンはX線を減らし電気信号に変えて、高エネルギー電磁波の透過を防ぐことができます。その性質から、人体のCTスキャナーの造影剤として利用されているのです。

さらに、キセノンの光を照射する光線療法があります。キセノン光線は身体の深部まで届くので、細胞を活性化し、筋肉や自律神経をコントロールするのです。慢性的な痛みやスポーツ障害などに効果が期待されています。

塗料の実験に!キセノンウェザーメーター

キセノンウェザーメーターとは、高促進耐候性試験機のことです。

キセノンの光は太陽光の分光エネルギー分布に類似しています。そのことから主に建築分野において太陽光、温度、湿度など屋内外の条件を人工的に再現し、製品や材料の劣化を促進させる試験に利用されているのです。

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耐候性とは、建築材料などを屋外に放置したときの耐性のことだ。家の外壁など塗り替えのタイミングを把握するのに重要だな。

キセノンは今後期待されているレアなガス!

キセノンはあまり聞きなじみがないだけで、実際は車や電車、医療や建築分野など、世の中にさまざまな形で利用されている元素であることがわかっていただけましたか?

ただ、キセノンは原料である空気中に微量しか含まれていないため、日本国内だけの生産では追い付かず、海外からの輸入に頼っているのが現状です。今後キセノンの需要が高まってきたら、外国との関係性や安定的に原料を確保することが大切になってくるでしょう。

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