ライター/Y.oB(よぶ)
大学・大学院と合成化学を専攻した後、化学メーカーで研究職として勤務。白金族元素の触媒反応で製品開発に携わった経験のある化学に詳しいライター。
イリジウムの性質、特徴を解説!
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イリジウムの性質や特徴を一言で表すならば、それは頑丈です。融点は高く、展延性は乏しい。さらに反応性も乏しいため、加工が難しい金属になります。イリジウム単体の比重は全元素中2番目に大きいため、非常に重いです。
この章では頑丈なイリジウムについて、性質や特徴を学んでいきましょう。
性質その1 腐食しない
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イリジウム単体の反応性の低く、酸やアルカリ、常温では王水(濃硝酸:濃塩酸=1:3)すら反応しません。削り取って粉末にした後であれば、王水に少量溶ける程度です。常温程度では空気中酸素に酸化もされないため、耐腐食性能と耐酸化性能を持った材料として利用しています。
王水はほとんどの金属を溶かす事ができる液体です。酸の比率はテストにも出るので覚えておきましょう。
性質その2 白金族元素を硬くする
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イリジウムはその頑丈な性質を合金に利用しています。特に白金族元素との合金は耐高温耐酸化の性質や強度を上げる。ロジウムや白金とイリジウムの合金は有名です。他の材料では耐えられない条件でも、イリジウム合金なら使用できます。
性質その3 イリジウム塩は虹色になる
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イリジウムは塩として存在している場合があり、この塩類は水溶液にすると様々な色に呈色する。そのため、虹の神イリスに因んでイリジウムと名付けられました。
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