泡の正体は二酸化炭素!
卵をお酢に入れるとしゅわしゅわと泡を出すのはなぜでしょう?
まず、卵の殻と白身の間には卵角膜と呼ばれる薄い膜があるのをご存じでしょうか?ゆで卵のカラを向いた時、一緒にはがれてくるあの膜です。
卵の殻は炭酸カルシウム(CaCO3)でできており、お酢(CH3COOH)に溶ける性質があります。しかし卵角膜はタンパク質からできているためお酢には溶けないんですよ。そのため、殻だけがお酢に溶け、内側の卵角膜だけで包まれた半透明の卵ができるんですね。
CaCO3+2CH3COOH→(CH3COO)2Ca+H2O+CO2
上の化学反応式を見ると、炭酸カルシウム(殻)と酢酸(お酢)が反応すると水と二酸化炭素が生成されることがわかりますね。つまり、二酸化炭素が泡となって出ていたんですね。
スケルトン卵に塩やしょうゆ、さとうなどをかけてみるとさらに実験が深まりますよ。
2:ゆで卵が固まるのはなぜだろう?
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次のテーマはゆで卵を作る実験です。ゆでる時間によって、ゆで卵の硬さが変わるのはなぜなのでしょうか?この実験ではその謎を解いていきますよ。
まずは卵を4つ用意しましょう。そして、油性マジックペンでそれぞれの卵に5分、8分、10分、15分と書いておきます。卵が水にしっかり漬かるように鍋に水を入れたら、中火にかけて沸騰させましょう。
沸騰したら弱火にして、タイマーで時間を図り始め、時間になった卵から順に取り出していき、水を張ったボウルに入れてよく冷ましてから皮をむきます。剝き終わった卵の硬さや、白身と黄身の色や火の通り具合などをそれぞれ見比べてみましょう。
タンパク質は熱で固まるため
ゆで時間が短い卵は、中身が半熟だったり、黄身がまだ柔らかい状態だったりしますよね。一方で、長い時間ゆでていた卵は黄身が黄色っぽくて固めに仕上がっていますよね。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?
これは熱凝固性(ねつぎょうこせい)とよばれるタンパク質が熱で固まる性質が関係しています。タンパク質は、私たちヒトを含め生き物の身体を構成する物質。肉や魚はぶよぶよしていて水分が多いですが、煮たり焼いたりすると硬くなりますよね。卵もタンパク質でできているため、ゆでると硬くなるんですね。
ゆでる時間が短いと半熟になるのは、中まで十分に熱が伝わらず、内部の温度が上昇していないからだったんです。ふつう、卵の白身は55~57℃で白く濁ってきて、57~58℃で固まり始め、80℃で完全に固まります。黄身も70℃になれば完全に固まりますよ。5分、8分の卵の黄身は70℃になっていなかったため、固まらなかったのですね。
温泉卵も同じ仕組みでできている
この白身と黄身の間で固まる温度に差があることを利用したのが温泉卵なんですよ。温泉卵といえば、黄身は十分に固まり切っていない柔らかさなのに、白身はトロトロしているのが特徴ですよね。
温泉卵は卵を70℃くらいのお湯に30分ほどつけておくとできあがるんですよ。これは、白身と黄身の固まる温度の違いを利用して作られているんですね。
3:黄身と白身が逆転した卵を作ろう!
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普通、卵は外側に白身があって中に黄身がありますよね。しかし、卵にある仕掛けをすれば、黄身と白身が反対になった卵を作ることができるんですよ。
まずは、生卵をセロハンテープでぐるぐる巻きにしましょう。このとき、すき間がないようにすることがポイントです。それから卵をストッキングの中に入れ、片側をしばったらもう片側は針金などで止めておきましょう。卵が真ん中にくるようにストッキングの両端を待ったらストッキングごとぐるぐる回して真横に引っ張ってみましょう。
ある程度回してから卵を取り出したら、卵をゆでます。このとき、懐中電灯で卵の下から光を当てて、卵の中が暗くなっていることを確認しておきましょう。セロハンテープは貼ったままで大丈夫ですよ。
15分ほどゆで終わったら、殻を剥いて半分に切ってみましょう。黄身と白身が反対になった逆転たまごの完成ですよ。
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