理科生き物・植物生物

偽果とは?植物の種類や真果との違いについて例を挙げて現役理系学生がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。果実の分類の1つである「偽果」。みんなは、どういう植物が偽果に当てはまるのかを知っているだろうか。また、偽果に対する言葉である「真果」との違いを説明できるだろうか。今回は偽果について、生物に詳しいライターききと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/きき

大学生の頃は農学部に所属し植物のことを勉強した。現在は大学院に進学し植物のことを研究中。生物や植物の面白さを伝えられるライターを目指している。

偽果って何?

「偽果」とは、子房壁以外の箇所が発達した果実のことを言います。これだけでは、「子房壁とは何なのか」、「そもそも子房壁が発達する果実はあるのか」、「子房壁以外とはどういうことなのか」、など気になることが多いのではないでしょうか。

「偽果」とはどういう意味なのかを知るためには、まずは花と果実の構造を知る必要があります。はじめに、この2つについて学び、結論として偽果は何を指すのか、また偽果とセットでよく耳にする「真果」との違いは何なのかについて学習しましょう。

花の構造

はじめに、花の構造についておさらいしておきましょう。

多くの果樹は1つの花に雄しべと雌しべが存在するのでしたね。雄しべの上部には花粉を作る「やく」があり、雌しべの上部には花粉がくっつく「柱頭」があります。そして、雌しべの下部の膨らんだ部分を「子房」と呼び、中には「胚珠」があるのです。この胚珠の中では雌性配偶体が発達しており、受精すると「種子」になります。これらが花の基本的な構造になるので、しっかりと頭にいれておきましょう。

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花の基本的な構造を学んだな。実は、全ての花が同じ構造をしているわけではないのだ。果実の分類方法はいくつかあるのだが、偽果を学ぶ上で知っておきたい分類方法は「子房の位置」だ。ここからは子房の位置について学んでいくぞ。

子房の位置

花には様々な構造があるのですが、花の最も外側にあるがくと子房の位置で「子房上位」、「子房中位」、「子房下位」の3つに分類することができます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. 子房上位

1. 子房上位

image by Study-Z編集部

「子房上位」とは、子房ががくや雄しべ、花びらよりも上に位置するものを言います。花のつくりを学ぶときに、たびたび、この子房上位の花の図が使われており、皆さんにとって最もなじみ深い花の構造でしょう。

\次のページで「2. 子房中位・子房周位」を解説!/

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