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消化液とは?こうやって覚える!種類や酵素、はたらきを現役医学生がわかりやすく解説!

よぉ、桜木健二だ。消化液、どのようなものを想像するだろうか?「酸っぱい液」、「苦い液」、「食べ物を溶かす液」、「ストレスで胃に穴をあける液」……。生活の中にも登場することの多い消化液だが、その正体はいったい何なのだろう。また、どのようにして複雑な食べ物を消化しているのだろうか?
「食べたものが血肉となる」とはよく聞く言葉だが、いったいどのようにして食べ物が体の一部となるのだろうか。現役医学生ライター、たけのこと一緒に説明していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/たけのこ

心臓に魅せられた現役医大生。心臓外科医に憧れ、中学生の頃は血管モデルや心臓模型を作ったりして遊んでいた。個別指導の経験がある。人体全般と再生医療に興味あり。

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消化液とは?

消化液の定義から見ていきましょう。

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消化液の定義

消化液の定義は以下の通りです。

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食物を消化するために、腺細胞から消化管内に分泌される液体。消化酵素を含む。唾液、胃液、膵液(すいえき)、腸液など。(広辞苑より)

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消化液は、文字通り食物を消化する液です。腺細胞というのは、全身のさまざまな臓器・組織に存在しうる分泌を担当する細胞で、臓器そのものを構成するたくさんの細胞たちに紛れて存在しています。また、酵素というのは、生物の体の中で物質の分解に関わる高分子化合物です。

消化液が分泌されるのは、その名の通り消化管から。口からは唾液、胃からは胃液が分泌されています。複数の臓器から消化液が分泌されているのがわかりますね。

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消化の種類

消化にはいくつかの分け方があります。まず、場所によって分けてみましょう。

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細胞内消化:細胞内における固形物の消化。細胞内のリソソームにより分解される。

細胞外消化:消化管消化とも。消化管内における、消化液による物質の分解。

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細胞内消化は単細胞生物で見られます(ヒトでも似た現象が起こりますが、この場合エンドサイトーシスや食作用などと言います)。細胞内消化では、細胞膜に包み込む形で固形物を細胞内に取り込み、これがリソソームと融合することで分解が起こります。一方、ヒトを含む多細胞生物で行われているのは細胞外消化

次に、消化の方法で分けてみましょう。

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機械的消化:咀嚼や蠕動運動などによる物理的分解

化学的消化:消化液による化学的分解

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共に、文字通りの方法で食物が分解されます。複数の手段で食物が分解されていることがわかりますね。

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消化器の種類

image by iStockphoto

消化管の全体像を見てみましょう。消化管は、口から肛門までの1本の管です。消化管に属するそれぞれの臓器を消化器と言います。

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【消化器】

口腔→咽頭→食道→胃→十二指腸→空腸→回腸→結腸→直腸→肛門

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小腸に該当するのは、十二指腸と空腸と回腸。空腸と回腸は順番が混乱しやすいので、「空海」と覚えると忘れにくいですよ。また、大腸に該当するのは結腸です。結腸は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。

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生活で使う言葉と医学で用いられる言葉が異なることはよくある。

聞きなれない言葉が出てきたら、自分の知っている言葉との関係を調べると混乱せずに済むぞ。

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口腔では咀嚼による機械的消化と共に、炭水化物の消化が行われます。飲み込まれた食物は蠕動運動により食道を通りに到達。では主にタンパク質の消化が行われ、ここで食物は3~6時間蓄えられます。その後、食物は小腸へ。ここでは炭水化物、タンパク質、脂肪の消化が行われます。3大栄養素全てが消化を受けていることがわかりますね。小腸は消化において重要な部位なのです。小腸ではさらに、栄養素と水分の吸収も行われています。その後、食物は大腸へ。ここでは大量の水分が吸収されるのみで消化はほとんど起こりません。下痢をした時に水っぽいのは、大腸で水分が十分に吸収される間も無く排泄されるためです。

ちなみに、消化管に属していないけれど消化に関係する臓器を付属器と言い、次のような器官が含まれます。

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【付属器】

歯・舌、肝臓、胆嚢、膵臓

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特に、胆嚢と膵臓は消化に重要だ。消化管ではないけれど消化に関わる臓器として忘れないようにしよう。

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消化液の種類

消化液にはいくつか種類があります。分泌される部位別に分類していきますね。

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[消化液(pH):含まれる消化酵素]

唾液(pH6.0~7.0):アミラーゼ

胃液(pH1.0~3.5):ペプシン

膵液(pH8.0~8.3):トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、膵アミラーゼ、リパーゼ

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ここに記載したもの以外にも消化酵素はありますが、主要なものはこんなところです。消化液ごとに、含まれる酵素やpHが異なることがおわかりいただけますか。それぞれの消化液が異なる消化の目的を持っているのです。 次の章で詳しくみていきましょう。

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アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼ、ラクターゼ【炭水化物の消化】

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炭水化物は、又の名を糖質と言います。白米やパン、砂糖、イモ類などがその代表。

炭水化物は多糖類の状態で食品に含まれることがほとんどです。例えばデンプン。デンプンは、口内に入ると唾液に含まれるアミラーゼによりある程度分解されます。飲み込まれた炭水化物は胃に到達しますが、ここでは消化を受けません。胃液には炭水化物を分解する酵素が含まれていないのです。そして胃を通過した炭水化物は十二指腸へと向かいます。

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image by Study-Z編集部

十二指腸には、膵液と胆汁が出てこられる穴が開いています(ファーター乳頭)。ある程度分解されていたデンプンは、ここで膵液に含まれる膵アミラーゼによりオリゴ糖であるマルトースに分解されます。そして小腸にてマルターゼによる分解を受け、単糖類であるグルコースにまで分解されるのです。グルコースは小腸の壁から吸収され、血管内に入ります。

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ファーター乳頭を理解すると付属器の概念が理解しやすくなるぞ。

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ちなみに、糖にもいくつか種類がありますよね。このため消化酵素もいくつかあります。マルトースはマルターゼが、ラクトースはラクターゼが、スクロースはスクラーゼが分解するので、混乱しないよう注意しましょう。

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リパーゼ、胆汁酸【脂肪の消化】

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脂肪は、又の名を脂質と言います。油やマヨネーズ、バターなどがその代表。

脂肪は、トリグリセリド(中性脂肪)の形で摂取されます。トリグリセリドは口内から胃までは消化を受けません。十二指腸に到達したトリグリセリドは、膵液に含まれるリパーゼによってモノグリセリドと脂肪酸に分解されます。そして膵液と同様、ファーター乳頭から出される胆汁によりミセルを形成。脂肪は油ですから水には溶けません。そんな脂肪が消化管内に存在していては厄介なので、胆汁によって水に溶けやすく加工されるのです。

脂肪酸とモノグリセリドは、小腸の壁から吸収されると再び脂肪に合成されます。そして小腸の壁の中にあるリンパ管へ。グルコースやタンパク質が血管を通る一方、脂質だけはリンパ管を通るのですね。

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ペプシン、トリプシン、ペプチダーゼ【タンパク質の消化】

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タンパク質の代表といえば、肉、魚、大豆など。

タンパク質は、長い鎖の状態で食物に含まれています。アミノ酸が連なった構造をしていましたよね。タンパク質は胃までは消化を受けず、胃液に含まれるペプシンによる消化が1段階目。ペプシンは強酸性の状況下で働きやすいので、胃液にはペプシンと共に塩酸も含まれています。これが「胃液が酸っぱい」理由です。

さて、胃から十二指腸に出てきたタンパク質は、膵液に含まれるトリプシンやキモトリプシンによってオリゴペプチドにまで分解されます。そして、オリゴペプチドは小腸にてペプチダーゼによりアミノ酸にまで分解。アミノ酸はグルコースと同様、小腸壁から血管内に入ります。

 

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image by Study-Z編集部

最後に、まとめとして3大栄養素の消化と吸収の流れを図にしておきます。

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消化液は食べ物の種類に応じて使い分けられる!

今回は消化液について見ていきました。まずは基本的なワードの定義を抑えること、次に人体解剖を図表を用いて理解すること、そして最後に機能を照らし合わせていくとスムーズに理解することができますよ。消化液の難しいところは、3大栄養素ごとの違いが混乱しやすい所にあります。一つひとつ丁寧に整理し、確実に暗記すれば得点源につながりますよ。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。

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