今回のテーマはソーダ石灰です。「ソーダ石灰」ですが、どこで使われているか知っているか。まずは、ソーダ石灰の特徴を解説します。
そして「ソーダ」や「石灰」という言葉の意味と高校化学で必ず学習する重要な反応「アンモニアソーダ法」をチェックしていく。
今回は「ソーダ石灰の特徴」と「ソーダ」と「石灰」を使った重要な化学反応を化学に詳しいライターリックと一緒に解説していきます。
ライター/リック
高校生で化学にハマり、大学院までずっと化学を勉強してきた化学オタク。今は化学メーカーで働きながら化学の楽しさを発信する。
ソーダ石灰とはなんのこと?
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まずは、ソーダ石灰の特徴を解説していきます。ソーダ石灰は、酸化カルシウム(CaO)と水酸化ナトリウム(NaOH)で構成させる白色の固体です。主成分は酸化カルシウムで、その中に水酸化ナトリウム(5~20%程度)が含まれています。
ソーダ石灰の一般的な用途は乾燥剤です。水酸化ナトリウムは空気中の水分を吸着する潮解性があるので、空気中の水分を取り込むことができます。そして、酸化カルシウムは水分と反応して水酸化カルシウムに変化するんです。
「水酸化ナトリウムの潮解」と「酸化カルシウムと水の反応」が進むことで、空気中の水分を取り除くことができるんですね。
乾燥剤として使われるソーダ石灰ですが、高校化学の実験でとても大切な役割があります。
二酸化炭素も吸収するソーダ石灰
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水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムを含むソーダ石灰は強アルカリ性の物質です。アルカリ性の物質は酸性の物質と中和反応を起こします。そのため、ソーダ石灰は酸性ガスを吸収することができるんです。
酸性ガスには様々な種類がありますが、特に注目してほしいので、二酸化炭素。二酸化炭素は酸性ガスで、ソーダ石灰のアルカリ性成分(水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム)と反応して炭酸塩と水ができます。水酸化ナトリウムが反応した場合は炭酸ナトリウムが、水酸化カルシウムが反応した場合は、炭酸カルシウムが生成物です。
二酸化炭素を吸収できる特徴を生かして、ソーダ石灰はある実験に使われます。それが「元素分析」です。元素分析は高校化学で必ず勉強しますよね。詳しくは次で紹介していきます。
元素分析に使われるソーダ石灰
元素分析は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)からなる有機化合物の組成(分子内の炭素・酸素・水素の比)を出すための実験で、操作はとても簡単です。
まず、乾燥空気中で試料を加熱して完全燃焼させます。試料は炭素・酸素・水素しか含んでいないため、完全燃焼するとできるのは水と二酸化炭素ですね。
発生した気体は塩化カルシウムが詰まった管を通り、その後ソーダ石灰の詰まった管を通ります。塩化カルシウムも乾燥剤として使われ、水分を吸収する特徴があるので、発生した気体のうち水のみが塩化カルシウムに吸収されるんです。そして二酸化炭素はソーダ石灰に吸収されます。
ココで大切なのが、塩化カルシウムは吸収した水の分だけ、ソーダ石灰は吸収した二酸化炭素の分だけ質量が増えますよね。つまり、発生した水と二酸化炭素の質量が分かります。水と二酸化炭素の質量が分かれば、水素と炭素の質量が計算できるんです。水素と炭素の質量が分かれば、はじめの試料の質量から酸素の質量が分かります。
試料中の炭素・水素・酸素の質量が分かりましたね!後はそれぞれの質量を原子量ごとで割れば、試料中の原子の数の比(炭素・水素・酸素の原子数の割合)が分かります。
ソーダ石灰の「ソーダ」はどういう意味?
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ここからはソーダ石灰の名前について解説していきます。まず、ソーダ石灰を「ソーダ」と「石灰」に分けて考えてみましょう。ソーダとは、ナトリウム化合物のことを指します。ナトリウムは英語で「Sodium(ソディウム)」。そこから由来してソーダになりました。
ちなみに、水酸化ナトリウムを苛性ソーダ、炭酸ナトリウムを炭酸ソーダと呼びます。
ソーダ石灰の「石灰」はどういう意味?
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次は、ソーダと石灰の「石灰」の部分をチェックしていきます。石灰とは、カルシウム化合物のことです。高校化学では、「生石灰」と「消石灰」がテストでよく出題されます。
生石灰とは酸化カルシウムCaO、消石灰とは水酸化カルシウムCa(OH)2の別名です。先ほども出てきましたが、酸化カルシウムは水と反応して水酸化カルシウムを生成します。反応式はCaO+H2O→Ca(OH)2です。酸化カルシウムと水の反応はぜひ書けるようにしておいてください。
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