
突然ですが、ナメクジに塩をかけたことはあるか?
みるみるうちに小さくなっていくナメクジを見て、驚いたでしょう。
実はこの現象には、高校の化学でも習う「浸透圧」が関係しているんです。
今回はナメクジと塩から浸透圧について学習していこう。
化学メーカーで研究をしているnaaaakaに解説してもらうぞ。

ライター/naaaaka
化学メーカーに研究・開発者として勤める。 製品を開発することよりも、法則や理論を見出すことに喜びを感じる困った男。
ナメクジに塩をかけると何が起きる?
ナメクジに塩をかけると何が起きるか知っていますか?ナメクジの体は溶けている?それとも気化して、消えてしまっているのでしょうか?
答えは、ナメクジの体内の水分が外へ出て、体が縮んでいるのです。人間に塩をかけても縮んだり、脱水なんてしないですよね。なぜナメクジは体の水が抜けてしまうのでしょうか?
脱水の原因は「浸透圧」
塩をかけられたナメクジが脱水して縮んでいく現象には「浸透圧」が関係しています。浸透圧の定義は以下の通りです。
浸透圧:濃度の異Fなる溶液が半透膜で隔てられると、濃度の低い方から高い方へと溶媒分子が移動する。この溶媒分子を半透膜を透過させる力を浸透圧という。
半透膜:一定のサイズより小さい分子やイオンだけが透過できる膜。
まず浸透圧のメカニズムを説明し、次にナメクジの脱水と浸透圧の関係を見ていきます。
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