
今回はニンヒドリン反応を紹介していくぞ!
ニンヒドリン反応の名前は聞いたことありますが「どのような反応」で「どう使うのか」知らない人が多いでしょう。
テストで出題されることは少ないが、アミノ酸やたんぱく質を学ぶうえで重要な反応です。
今回は、アミノ酸とたんぱく質の違いとニンヒドリン反応のポイントを、化学に詳しいライターリックと一緒に解説していきます。
ライター/リック
高校生で化学にハマり、大学院までずっと化学を勉強してきた化学オタク。今は化学メーカーで働きながら化学の楽しさを発信する。
アミノ酸とペプチドとたんぱく質の違いとは
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まずは、アミノ酸とペプチドとたんぱく質の違いを紹介していきます。アミノ酸は分子内にアミノ基とカルボキシ基の両方を持つ有機化合物の総称です。そしてアミノ酸が連結することでペプチドになり、さらにアミノ酸が結合していくとたんぱく質が出来上がります。分子内に2つの反応点を持つアミノ酸は、アミノ酸同士で反応することができ、無数に連結していくことができるんです。
ちなみに、アミノ酸同士で反応するときはアミノ基とカルボキシ基が反応して、ペプチド結合ができます。アミノ酸同士が連結していくと、ペプチド、たんぱく質と呼び方が変わっていくんです。
アミノ酸は特殊な分子?

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アミノ酸は、実はとても特殊な分子なんです。アミノ酸とは「分子内にアミノ基を持つカルボン酸の総称」と百科事典に書かれています。1つの分子内にアミノ基とカルボキシ基があるということがすごく珍しいんです。だからこそアミノ酸同士で反応して、ペプチドやたんぱく質という大きな分子を作ることができ、人の身体というさらに大きなモノも作ることができるんですよ。
ちなみに、人体を作っているアミノ酸は約20種類のみで、体内で合成できないまたは合成されにくいアミノ酸を必須アミノ酸といいます。体内で作ることができないので、必須アミノ酸は食事やサプリメントから摂るしかありません!
無数のたんぱく質が人の体内で生産されていますが、使われているアミノ酸はなんと20種類だけなんです。目的のたんぱく質を作るために、20種類のアミノ酸をどのように反応させ、結合させていくかはすべて決まっており、体内で完全に制御されています。
たんぱく質の検出方法とは?

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化学よりも生化学の分野に近い話になってしまいますが、ここからはたんぱく質の検出方法をご紹介していきますね。体内では完全に制御された、たんぱく質の合成が行われており、アミノ酸から必ず目的のたんぱく質が出来上がります。
体内の有機合成技術を模倣しようという研究は数多く行われていますが、試験管の中で体内で起きている反応を再現することは本当に難しいです。体内でのたんぱく質合成の制御を可能にしているのは、酵素があるからこそなんですが、酵素についての紹介は、ここでは割愛させていただきます。
試験管の中でアミノ酸が反応してたんぱく質が合成されているのか、確かめるためには、検出方法が重要です。
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