
「信頼」は人柄や考えなどを評価
一方の「信頼」とは、対象者であるそれ(ものや事象)に高い評価を持ち、仕事や要望を任せる気持ちを抱く意味です。「信用」との違いは、必ずしも過去の実績を判断材料としません。
それぞれの漢字が持つ意味は、
■信…嘘ではない、本当と思う。※前述同様
■頼…あてにする、期待するなど
英語だと
「信頼」:trust(トラスト)、confidence、 reliance。
※後述しますが「信託」などの”トラスト=trust” です。
つまり「信頼」は、対象(人や会社など)の未来の行動を期待し、この人なら大丈夫と頼りにしている点で「主観的(=自分だけでそう思う)」と言えるでしょう。
【信頼の例文】
1.彼女は恩師の信頼を裏切った。
2.彼の講師としての手腕を信頼している。
3.このチームは深い信頼関係で強くなったきた。
→特に3は、「信頼」を「信用」に置き換えると違和感があります。
ビジネスシーンではどう使うの?

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例えば、取引先や上司の方から「まだ君を信用できないけど信頼はしている」と言われた場合、貴方ならどのような反応をするでしょう。自分のこれからを期待されたと喜ぶのか、もしくは、実績を認められなかったとガッカリしますか?
こちらの項目では、ビジネスで使う「信用」と「信頼」を比べてみたいと思います。
ビジネスシーンに於ける「信用」と「信頼」
ここまで調べた結果、簡単にまとめると「信用」と「信頼」の違いは次の通りです。
■信用…過去の実績
■信頼…未来への期待
極論ではありますが、ビジネスに於いての「信用」と「信頼」は、過去に積み上げてきた実績と、これからの成長に対する期待となります。つまり、ビジネスパーソンの成長を促し、ひいては会社を発展させるために相手とかわす約束でもあるのです。
前述した通り「信」には「嘘を言わない、まこと」の意味があります。過去の「信用」に基づき、これからを「信頼」して貰うのがビジネスのなかでは最も大切なことだと言えますね。
【ビジネスにおける信用】
・課長の采配には過去の実績があるので信用できる。
→過去の実績=信用。
・電話や受付での対応が悪いと会社の信用を落とすことに繋がる。
→対応が悪い=築いてきた信用を落とす。
・納期に遅れると相手先の信用を失う。
→納期に遅れる=これまで築いた実績(信用)を失う。
【ビジネスにおける信頼】
・彼女は我が社の顧客満足度NO.1なので信頼できる。
→顧客満足度NO.1=実績があるので信頼。
・彼はまだ実績のない新人だが、真摯な態度と真面目な人間性に信頼をおいている。
→実績のない新人=人間性を信頼。※必ずしも過去の実績で判断しない。
金融関係に於ける「信用」と「信頼」の意味とは?

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前述した「信用」と「信頼」の説明で「信用・credit(クレジット)」と「信頼・trust(トラスト)」に触れましたが、こちらの項目では少しだけ掘り下げたいと思います。
信用=credit(クレジット)
「クレジットカード」を作る際、「本人情報→本人確認→入会審査」の次に「信用情報」の確認が行われますね。これは、クレジットやローン契約などでも調べられ、”客観的な取引事実を登録した個人の情報”と照会します。
「信用取引」とは、株式運用に関する金融用語です。入金した額+証券会社から借りたお金で株式を取引します。対義語は、入金した金額以内で取引をする「現物取引」です。
信頼=trust(トラスト)
「トラスト(traust)」とは、市場に於いて独占的大企業や独占的大企業を形成する企業合同を指します。元々は「トラスト=信託」でしたが、1879年にアメリカで起きた独占体形成の歴史により「信託→トラスト=企業合同形態」へと転用されました。
「信託(traust)」とは、「自分の大切な財産を信頼できる相手に託し、自分が決めた目的に沿って運用・管理をしてもらう」ことです。免許または登録を必要とし、信託会社でなければ業務を行えません。
例)信託銀行や地方銀行など。
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