この記事では「信用」と「信頼」の違いについてみていきます。どちらも相手から信じてもらい、何かをするイメージがあるよな。違いはズバリ!客観的か主観的かのようですが、調べてみると他にも色々な違いがあるみたいです。
今回はそんな2つの違いを、少女向け小説家兼ライターさらささらと一緒に調べていきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集め、わかりやすい言葉で説明。

「信用」と「信頼」の違いとは?

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友人や上司から「貴方を信用しています」、「君の手腕を信頼する」と言われたなら、誰もが少なからず誇らしい気持ちになりますね。このように、「信頼」と「信用」どちららの言葉にも「相手を信じる気持ち」という意味が含まれています。そこで今回は、2つの言葉の意味や違いについて、様々な方向から調べてみました。

「信用」は実績に評価

「信用」とは、過去の行いや成果を評価して、対象者であるそれ(ものや事象)が確かであると信じ・受け入れることです。成績、成果、実績など、目に見える形のものに基づいて行われます。

それぞれの漢字が持つ意味は、

■信…嘘ではない、本当と思う。
■用…使う、役立つ、はたらきがあるなど。

英語だと、
「信用」:credit(クレジット)、confidence、 faith、 credence、 reliance、 belief。
※後述しますが「クレジットカード」の"クレジット=credit" です。

つまり「信用」は、対象となる相手の過去の実勢を評価している点で「客観的(=誰もが見てもそう思う)」とも言えるでしょう。

信用の例文】
1.あの人は嘘ばかり吐くので信用してはいけない。
2.誠実な彼だからこそ信用できる。
3.マイノリティーを差別する彼の人間性を信用できない。
→特に1と3は、「信用」を「信頼」に置き換えると違和感があります。

\次のページで「「信頼」は人柄や考えなどを評価」を解説!/

「信頼」は人柄や考えなどを評価

一方の「信頼」とは、対象者であるそれ(ものや事象)に高い評価を持ち、仕事や要望を任せる気持ちを抱く意味です。「信用」との違いは、必ずしも過去の実績を判断材料としません

それぞれの漢字が持つ意味は、
■信…嘘ではない、本当と思う。※前述同様
■頼…あてにする、期待するなど

英語だと
「信頼」:trust(トラスト)、confidence、 reliance。
※後述しますが「信託」などの"トラスト=trust" です。

つまり「信頼」は、対象(人や会社など)の未来の行動を期待し、この人なら大丈夫と頼りにしている点で「主観的(=自分だけでそう思う)」と言えるでしょう。

信頼の例文】
1.彼女は恩師の信頼を裏切った。
2.彼の講師としての手腕を信頼している。
3.このチームは深い信頼関係で強くなったきた。
→特に3は、「信頼」を「信用」に置き換えると違和感があります。

ビジネスシーンではどう使うの?

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例えば、取引先や上司の方から「まだ君を信用できないけど信頼はしている」と言われた場合、貴方ならどのような反応をするでしょう。自分のこれからを期待されたと喜ぶのか、もしくは、実績を認められなかったとガッカリしますか?

こちらの項目では、ビジネスで使う「信用」と「信頼」を比べてみたいと思います。

ビジネスシーンに於ける「信用」と「信頼」

ここまで調べた結果、簡単にまとめると「信用」と「信頼」の違いは次の通りです。

■信用…過去の実績
■信頼…未来への期待

極論ではありますが、ビジネスに於いての「信用」と「信頼」は、過去に積み上げてきた実績と、これからの成長に対する期待となります。つまり、ビジネスパーソンの成長を促し、ひいては会社を発展させるために相手とかわす約束でもあるのです。

前述した通り「信」には「嘘を言わない、まこと」の意味があります。過去の「信用」に基づき、これからを「信頼」して貰うのがビジネスのなかでは最も大切なことだと言えますね。

【ビジネスにおける信用
・課長の采配には過去の実績があるので信用できる。
 →過去の実績=信用。
・電話や受付での対応が悪いと会社の信用を落とすことに繋がる。
 →対応が悪い=築いてきた信用を落とす。
・納期に遅れると相手先の信用を失う。
 →納期に遅れる=これまで築いた実績(信用)を失う。

【ビジネスにおける信頼
・彼女は我が社の顧客満足度NO.1なので信頼できる。
 →顧客満足度NO.1=実績があるので信頼。
・彼はまだ実績のない新人だが、真摯な態度と真面目な人間性に信頼をおいている。
 →実績のない新人=人間性を信頼。※必ずしも過去の実績で判断しない。

金融関係に於ける「信用」と「信頼」の意味とは?

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前述した「信用」と「信頼」の説明で「信用・credit(クレジット)」と「信頼・trust(トラスト)」に触れましたが、こちらの項目では少しだけ掘り下げたいと思います。

 

信用=credit(クレジット)

「クレジットカード」を作る際、「本人情報→本人確認→入会審査」の次に「信用情報」の確認が行われますね。これは、クレジットやローン契約などでも調べられ、"客観的な取引事実を登録した個人の情報"と照会します。

「信用取引」とは、株式運用に関する金融用語です。入金した額+証券会社から借りたお金で株式を取引します。対義語は、入金した金額以内で取引をする「現物取引」です。

信頼=trust(トラスト)

「トラスト(traust)」とは、市場に於いて独占的大企業や独占的大企業を形成する企業合同を指します。元々は「トラスト=信託」でしたが、1879年にアメリカで起きた独占体形成の歴史により「信託→トラスト=企業合同形態」へと転用されました。

「信託(traust)」とは、「自分の大切な財産を信頼できる相手に託し、自分が決めた目的に沿って運用・管理をしてもらう」ことです。免許または登録を必要とし、信託会社でなければ業務を行えません。
例)信託銀行や地方銀行など。

\次のページで「自分を信じてもらうが前提の「信用」と「信頼」」を解説!/

「信用」と「信頼」の違いをまとめてみると、以下のような点が挙げられるので確認してみて下さいね。

■「信用」
 ・過去の実勢を評価
 ・客観的、物質的 → 誰もが見てもそう思う
 ・相手に対する一方的な評価。
 ・条件付きで信じること。

■「信頼」
 ・未来の行動を期待
 ・主観的、精神的 → 自分だけでそう思う。
 ・「信用」と違い必ずしも過去の実績を判断材料にしない。
 ・互いの関係性に成り立つ感情。
 ・条件なしで真実こと。

実際の意味や違いはこれだけで収まりませんが、これらの点を加味しながら会話や文章などで使ってみて下さい。

自分を信じてもらうが前提の「信用」と「信頼」

記事の初めにも書かせて頂きましたが、「信用」と「信頼」の前提には「相手側に自分(こちら側)を信じてもらう」があります。それは、今まで築いてきた成果(実績)に加えて、現在持ちうる自分(こちら側)のスキル+これからの立ち振る舞いが重要となるわけです。

仕事でも生活に於いても、誰かに「信じて」貰えることが更なる成長と躍進を生みます。結果として生まれるこれらを指針としながら、「信用」や「信頼」を得られるよう行動したいものですね。

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言葉雑学

信用と信頼の違いとは?人の気持ちが左右する!?例文を交えながらビジネスや金融での意味や使い方もご紹介!

この記事では「信用」と「信頼」の違いについてみていきます。どちらも相手から信じてもらい、何かをするイメージがあるよな。違いはズバリ!客観的か主観的かのようですが、調べてみると他にも色々な違いがあるみたいです。
今回はそんな2つの違いを、少女向け小説家兼ライターさらささらと一緒に調べていきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集め、わかりやすい言葉で説明。

「信用」と「信頼」の違いとは?

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友人や上司から「貴方を信用しています」、「君の手腕を信頼する」と言われたなら、誰もが少なからず誇らしい気持ちになりますね。このように、「信頼」と「信用」どちららの言葉にも「相手を信じる気持ち」という意味が含まれています。そこで今回は、2つの言葉の意味や違いについて、様々な方向から調べてみました。

「信用」は実績に評価

「信用」とは、過去の行いや成果を評価して、対象者であるそれ(ものや事象)が確かであると信じ・受け入れることです。成績、成果、実績など、目に見える形のものに基づいて行われます。

それぞれの漢字が持つ意味は、

■信…嘘ではない、本当と思う。
■用…使う、役立つ、はたらきがあるなど。

英語だと、
「信用」:credit(クレジット)、confidence、 faith、 credence、 reliance、 belief。
※後述しますが「クレジットカード」の”クレジット=credit” です。

つまり「信用」は、対象となる相手の過去の実勢を評価している点で「客観的(=誰もが見てもそう思う)」とも言えるでしょう。

信用の例文】
1.あの人は嘘ばかり吐くので信用してはいけない。
2.誠実な彼だからこそ信用できる。
3.マイノリティーを差別する彼の人間性を信用できない。
→特に1と3は、「信用」を「信頼」に置き換えると違和感があります。

\次のページで「「信頼」は人柄や考えなどを評価」を解説!/

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