この記事では修正と訂正の違いについてみていこうと思う。
この2つには、言葉や文章・文字などの間違えを"正す"イメージがあるよな。そこで、調べてみると、違いはずばり"あきらかな誤り"があるかどうかなんです。

今回は社会生活に欠かせない2つの言葉の違いを、マナーやビジネスシーンに於いての使い方なども確認しながら、少女向け小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説していきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集め、わかりやすい言葉で説明します。

「訂正」と「修正」の違いとは?

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「先ほどの発言を訂正致します」や「その表計算は修正します」など、私たちの生活の中には"間違えを正す"言葉がいくつもありますね。どちらも"正す"という字を含む「訂正」と「修正」ですが、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?

ここからは、様々な方向からこの2つの言葉について調べてみたいと思います。

「訂正」は誤りを直すこと

「訂正」とは、誤りを正しく直すことです。特に、言葉や文章・文字の誤りを正す意味で使います。つまり、誤字脱字など明らかな誤りがある場合に「訂正」となるのです。

また、「訂正」の特徴としては、文章や言葉(発言)の間違えを直す際に
・謝罪の意味を含む
・謝罪と併せて使われやすい……などが挙げられます。

例えば、ニュースなどで人名や数字などの間違えがある場合、「訂正してお詫び申し上げます」のような表現として使われますね?このように、誠意ある意味としても使われる言葉です。

【例文】
・初芽は女子だけの名前ではないと名簿を訂正された。
・開催時間に不備があったため最新号で訂正する。
・タイムカードを押し間違えたので訂正するため訂正印を押す。

「修正」は改め直すこと

「修正」とは、不十分・不適当と思われる部分を改め直すことです。大まかに分けて「言葉や文章以外の行動や思考における道筋や方向を変える」、「不適当とされる部分を改善する」が挙げられます。

例えば、
・企画会議などで「このプランは軌道修正しないか」=行動や思考を変える。
・難解な文章に対して「わかりやすい言葉に修正します」=不適当の改善。
……となるわけです。

【例文】
・税込価格を税抜き価格に修正する。
・クレジットのリポ払いを10回に修正した。
・提出した資料の修正を求められた。

\次のページで「ビジネスにおける訂正と修正の使い方」を解説!/

ビジネスにおける訂正と修正の使い方

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「訂正」と「修正」を特に気を付けて使うのは、やはり仕事関係やビジネスシーンではないでしょうか。相手先から届いた書類に間違いを見つけた場合、(こちら側が)作った資料を(相手側に)チェックして間違いを見つけて欲しい時、それぞれどのように伝えたら良いのでしょう?

こちらで「訂正」をする時

ビジネスシーンで「訂正」を使用する主な場面は、「こちら(自分)側に間違いがあった時」です。「訂正」を使う時、自分以外の人に向けて使用してしまうと"相手のミスを指摘する"印象となります。つまり、こちら(自分・自社)側が上から目線、若しくは高圧的だと思われてしまう恐れがあるからです。

ビジネスシーンに於いて「訂正をお願いします」はNGだと覚えておきましょう。

反対に、自分のミスに「訂正」を使った場合は、自らの過ちを粛々と受け入れたという印象を相手に与えるメリットがあるようです。
例)
・ただちに資料内容を訂正します。
・こちらの誤りを訂正しました。

相手に「修正」を求める時

一方、「修正」を使用する主な場面は、「相手に間違いがあった時」や「事務的な改善をお願いする時」です。

相手に間違いがあった場合、そんなつもりはなくとも指摘した側の言葉には少なからず威圧的な印象があります。そんな時、否定的な「訂正」より、相手に対して誤りの"改善"を求める「修正」の方がやわらかな言葉になるのです。

つまり、相手へ「ミスを指摘する」=「訂正」に対して、「改善を依頼する」=「修正」のイメージとなり、こちら(自分)側の要望も伝わりやすくなりますね。
例)
・こちらの修正をお願い致します。
・一目で分かるようグラフに修正しました。

「修正」と「訂正」を英語で表現すると?

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ここまで読んで頂けたなら、「修正」と「訂正」の違いが少しだけでもおわかり頂いたかと思います。ならば、英語でもこの2つの言葉に違いがあるのでしょうか?

それぞれの英単語を書き出してみました。
・修正…「fix」「modification」「correction」「retouching」
・訂正…「correction」「revision」

見比べて頂くとわかるかと思いますが、「fix」「modification」「correction」「correction」「revision」、これらの英単語には日本語の「修正」と「訂正」両方の意味があるようです。

そこで、次の項目では、日本語の「修正」と「訂正」に相当する単語を調べてみました。

correct は「訂正する」

日本語の「訂正」に相当する英単語は「correct」です。英語のスペルや文法の誤り、誤字脱字などの間違いを直す時。つまり、日本語同様に、文章の間違いを訂正する場合に使われます。

revise は「修正する」

日本語の「修正」相当する英単語は「revise」です。基本的に資料や原稿など"書類(紙類)"を修正する時に使います。内容を確認し、間違っていた部分を直したり、不十分な点を補足する意味合いが含まれているからです。

「correct 」との違いは直す対象が必ず間違いがあるとは限らず、「revise」には不十分や不適切な点を改善・改変することを意味します。また、自分の意見や考えを変える意味でも使うようです。

\次のページで「「訂正」や「修正」と似た言葉」を解説!/

「訂正」や「修正」と似た言葉

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今回ご紹介した「訂正」や「修正」以外にも、間違いなどを正す様々な言葉がありますね。こちらでは「訂正」や「修正」と似た言葉をいくつかご紹介しながら、その意味を簡単ですが掘り下げてみたいと思います。

「変更」と「更新」とは?

変更」は「変えること」という意味の言葉です。あるものの状態を別の状態へと改めます。
・変…事態が移り変わること、変化。
・更…新しくなる、改まる。
「変更」は「間違いの有無は関係ない」という特徴があり、「間違えを部分的に直すのではなく、物事を根本的に変えてしまう」時に使う言葉です。そのため、「誤字を変更した」などの使い方は正しくありません

一方、「更新」は「新しく改めること」や「改まること」という意味の言葉です。
・更…新しくなる、改まる。
・新…従来のものと変わっている、新しいもの。
前述した"更"の意味に重複するように"新"が続きますね。つまり、今までの記録を塗り変える意味なので、「エベレスト登山の最高齢を更新した」「人気の全国ランキングを更新する」などの使い方をします。

「校正」と「是正」とは?

間違いを"正す"意味の「正」を使った言葉に「校正」と「是正(ぜせい)」があります。

「校正」とは、文字や文書を見比べ、間違いを正す意味です。この場合の誤りとは、誤字脱字や誤表記などを指します。印刷関係や文章を中心としたシーンで多く使われるようです。
例)
・小説の校正をお願いします。
・書類を校正しました。

「是正」は、悪い点や不都合な点などを改め正す、間違った点を直して正す意味です。政治的、社会的な考え方や規律などに関して、現状間違っていると思われる点を正す意味で使われます。
例)
・男性と女性の格差が是正された。
・消費の問題点を是正する。

「訂正」は誤字脱字など、明らかな誤りを正しく直すことです。ビジネスの場ではこちら(自分)側に間違いがあった時に使います。
そのため、相手に対して「訂正をお願いします」はNGです。

「修正」は不十分・不適当と思われる部分を改め、思考や行動の方向を変えます。ビジネスでは相手に間違いがあった時や、改善を願う時などに使うと良いでしょう。

使い方ひとつで印象が変わる言葉

「訂正」と「修正」はどちらも「間違いを正す」意味を持つ言葉です。しかし、使い方によってはその印象がガラリと変わってしまいます。どんなに丁寧な言葉で飾っても、相手に対して「訂正をお願い致します」と使い方を間違えてしまえば、ただの慇懃無礼な言葉に成り下がってしまうからです。

また、間違いを正す言葉には「訂正」や「修正」以外に多くの種類があります。それらを相手や状況に合わせ、きちんと使う事が出来たのならば、あなたの印象も大きく変わるかもしれませんね。

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言葉雑学

3分でわかる訂正と修正の違い!意味や使い方などを小説家兼ライターがわかりやすく解説

この記事では修正と訂正の違いについてみていこうと思う。
この2つには、言葉や文章・文字などの間違えを”正す”イメージがあるよな。そこで、調べてみると、違いはずばり”あきらかな誤り”があるかどうかなんです。

今回は社会生活に欠かせない2つの言葉の違いを、マナーやビジネスシーンに於いての使い方なども確認しながら、少女向け小説家兼ライターのさらささらと一緒に解説していきます。

ライター/さらささら

少女向け小説家兼ライター、神社や名所を訪ねるのが趣味。お話のネタにするため様々な雑知識を集め、わかりやすい言葉で説明します。

「訂正」と「修正」の違いとは?

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「先ほどの発言を訂正致します」や「その表計算は修正します」など、私たちの生活の中には”間違えを正す”言葉がいくつもありますね。どちらも“正す”という字を含む「訂正」と「修正」ですが、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?

ここからは、様々な方向からこの2つの言葉について調べてみたいと思います。

「訂正」は誤りを直すこと

「訂正」とは、誤りを正しく直すことです。特に、言葉や文章・文字の誤りを正す意味で使います。つまり、誤字脱字など明らかな誤りがある場合に「訂正」となるのです。

また、「訂正」の特徴としては、文章や言葉(発言)の間違えを直す際に
・謝罪の意味を含む
・謝罪と併せて使われやすい……などが挙げられます。

例えば、ニュースなどで人名や数字などの間違えがある場合、「訂正してお詫び申し上げます」のような表現として使われますね?このように、誠意ある意味としても使われる言葉です。

【例文】
・初芽は女子だけの名前ではないと名簿を訂正された。
・開催時間に不備があったため最新号で訂正する。
・タイムカードを押し間違えたので訂正するため訂正印を押す。

「修正」は改め直すこと

「修正」とは、不十分・不適当と思われる部分を改め直すことです。大まかに分けて「言葉や文章以外の行動や思考における道筋や方向を変える」、「不適当とされる部分を改善する」が挙げられます。

例えば、
・企画会議などで「このプランは軌道修正しないか」=行動や思考を変える。
・難解な文章に対して「わかりやすい言葉に修正します」=不適当の改善。
……となるわけです。

【例文】
・税込価格を税抜き価格に修正する。
・クレジットのリポ払いを10回に修正した。
・提出した資料の修正を求められた。

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