


解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/きき
大学生の頃は農学部に所属し植物のことを勉強した。現在は大学院に進学し植物のことを研究中。生物や植物の面白さを伝えられるライターを目指している
垂直分布って何?
「垂直分布(すいちょくぶんぷ)」とは、高度によるバイオームの移り変わりのことを言います。そもそもバイオームとは、植物を中心としたその地域に生息する生物のまとまりのことです。標高が異なると気温などの環境が変わってくることで、生息する植物種も変わってきます。具体的なバイオームについては後ほど解説しますね。
ここからは、垂直分布とよくセットで耳にする「水平分布(すいへいぶんぷ)」について学びましょう。
垂直分布と水平分布の違い

image by Study-Z編集部
「水平分布」とは、南北の緯度に応じたバイオームの変化のことを言います。上記の図のように、日本のバイオームは南から「亜熱帯多雨林」、「照葉樹林」、「夏緑樹林」、「針葉樹林」の順になっており、各地域の「気温」が大きく関係していることが言えますね。
一方、垂直分布は生息する動植物が高度によって変わるのでしたね。このように、バイオームの分布が「緯度」の違いによるものであったら「水平分布」であり、「高度」の違いによるものであったら「垂直分布」ということになります。

日本では、北海道と沖縄では全く気温が違うし、普通の平地と富士山の山頂でも寒暖差がある。このように、「縦」と「横」のそれぞれで気温に大きな差があって、それがバイオームにも影響を与えているぞ。次はバイオームがどのように決まるのかを学ぼう。
バイオームが決まる要因
ある地域に生息する植物の種類はどのように決まるのでしょうか。大きな決定要因として2つのことが挙げられるので、それぞれについて詳しく解説していきます。
1. 年平均気温
先ほどから度々登場していますが、「気温」はバイオームを決定する要因の1つなのです。植物によっては寒冷な地域に適応しながら進化したものもあれば、逆に熱帯地域の環境に適応して進化したものなど、多種多様な植物が存在します。そのため、各地域の年平均気温によって、そこに生息する植物を含む生物の種類が変わってくるのです。
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