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雪の結晶の形は温度と湿度で決まる!雪の結晶ができる原理から観察方法までを農学部卒ライターが徹底わかりやすく解説!

雪の結晶の形を決めるのは温度と湿度

image by iStockphoto

先ほど引用した本の著者である中谷宇吉郎は、雪の結晶の写真集を見て感動し雪の研究を始めました。その研究においてこの章で紹介したいのは、「雪の結晶を分類したこと」と「雪の結晶の形が温度と湿度で決まるというのを証明したこと」です。

雪の結晶の分類

まず中谷宇吉郎が行ったのは、北海道にて自然の雪の結晶を顕微鏡写真におさめることでした。そして、3000枚くらい写真がたまったところで、従来の雪の結晶の分類に疑問を感じ、自ら分類を行おうと思ったそうです。

中谷宇吉郎の雪の結晶の一般分類(中分類)

  1. 針状結晶(針、針のたば、針の組み合わせ)
  1. 角柱状結晶(角錐、砲弾型、角柱、砲弾の組み合わせ、角柱の組み合わせ)
  1. 板状結晶(角板、扇形、枝の付いた角板、広幅六花、星状六花、樹枝状六花、シダ状六花、角板の付いた樹枝、樹枝の付いた角板、三花、四花、上下組合せ六花、形の整わない六花、立体六花、立体放射状)
  1. 平板角柱組合せ(つづみ型[角柱と角板]、つづみ型[角柱と樹枝]、つづみ型[段々つづみ]、角板の付いた砲弾、樹枝の付いた砲弾、シダ状十二花、広幅十二花)
  1. 平板角柱不規則組合せ(不規則な集合[粉雪]、交差した角板)
  1. 雲粒付結晶(雲粒の付いたいろいろな結晶、雲粒の付いた厚い板、あられ状雪[六花状]、あられ状雪[かたまり状]、あられ[六花状]、あられ[かたまり状]、あられ[円錐状])
  1. 無定形(形が定まらない雪[氷のかけら状、雲粒付き]

一般的な雪の結晶はなぜ六角形なのか?水分子の構造から解説

一般的な雪の結晶はなぜ六角形なのか?水分子の構造から解説

image by Study-Z編集部

まず、雪の結晶は水蒸気から作られるので、水蒸気の元の水分子について理解しましょう。水分子(H2O)の構造は、時計の針で例えると、時計の中心に酸素原子(O)が1個、4時と8時を指しているときの短針と長針の先に水素原子(H)が1個ずつくっついているような状態です。実際の水分子では、酸素原子と水素原子の距離はそれぞれ等しくなっています。その水分子どうしは氷になるとき、水素結合によって規則的に並ぶ性質があり、構造的に安定する形が六角形なのです。

つまり、水蒸気が空気中の微粒子にくっつくことでできる氷晶は構造的に安定する六角柱になります。そして、六角柱の氷晶をもとに成長して雪の結晶になるので、雪の結晶は六角形がよく観察されるのです。

中谷ダイヤグラム

中谷宇吉郎は、1936年に世界で初めて人工雪の作成に成功した人物です。人工雪の研究結果が示された中谷ダイヤグラムは、雪の結晶の形が温度(上空の気温)と湿度(雲の中の水蒸気量)で決まるということを証明しました。

簡単に言うと、温度は六角柱の氷晶の成長する方向(角板状もしくは角柱状)を決め、湿度は結晶の複雑さ(樹枝状)を決めます。気になった方は、中谷ダイヤグラムを調べてみてください。

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