理科生き物・植物生物

形成層とは?どこにあるの?単子葉類と双子葉類の茎の構造も現役理系学生がわかりやすく解説

形成層と接ぎ木

ここでは、形成層の少し発展的な話について触れていきましょう。農業技術の1つとして、「接ぎ木」というものがあります。この接ぎ木と形成層の関係について学んでいきましょう。

接ぎ木とは

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接ぎ木とは、2つの植物体を、人の手によって作られた切断面を接着して1つの個体にすることです。土台となる部分を「台木」と呼び、上部は「穂木」と言います。接ぎ木をする主な利点は、以下の通りです。

1 病害虫に弱い品種の穂木を、病害虫に強い品種の台木に接ぐことで病害虫を防除できる。

2 樹勢の強い品種を穂木に、樹勢の弱い品種の台木に接ぐことで、樹をわい化(小さく)させる。

3 成長が遅い果樹の穂木を、成熟した樹の台木に接ぐことで早く収穫できる。

4 連作障害に強い品種を台木にすることで、連作障害に強くなる。

(連作障害は、同じ作物を同じ圃場で繰り返し育てることで生育不良になり、収量が下がってしまう障害です。)

このように、接ぎ木は農業場面でたくさん利用されているのです。この接ぎ木と形成層の関係について簡単に学びましょう。

接ぎ木がうまくいくかどうかは形成層次第!

接ぎ木を成功させるには、長年培った技術とコツが必要になります。接ぎ木をする上で、最も気を付けていることは、穂木と台木の形成層の一部をしっかりと接着させることです。形成層を十分に接着できなければ、その接ぎ木された植物は枯れてしまいます。

形成層が傷つくと、そこに傷害ホルモンによって「カルス」が形成されるのです。カルスとは人間でいうとかさぶたのようなもの。穂木と台木のカルスがくっつくことで、切断面がガッチリと固定されて一体化します。これで、養分や水分が植物体内に行ったり来たりすることができて、1つの植物体として生存できるのです。

接ぎ木は主に果樹トマト、ナスなどのナス科植物、キュウリやスイカなどのウリ科植物に行われます。

農業技術は、植物の特性を上手に使いながら発展してきたのですね。

形成層は植物を太らせる!

形成層は双子葉類の肥大成長に関わることを学びましたね。肥大成長をすることで、しっかりと植物体を支えることができます。植物の茎や根の構造は想像以上に複雑で、覚えることが大変ですが、受験でも頻繁に出題されるので、しっかりと頭に入れておきましょう。

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