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オスからメスに変わる?!雄性先熟ってなんだ?性転換の理由について獣医学部卒ライターがわかりやすく解説!

動物だけじゃない!植物の性転換とは?

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性転換をするのは動物だけではありません。植物にだって、雄しべと雌しべといって性別を表す性表現というものがあるんですよ。植物における性転換は、受粉を助ける媒介物が何であるかによって雄性先熟なのか、雌性先熟なのかが分かれるんです。

雄性先熟:虫媒花に多い

雄性先熟の植物はヤツデやクサギなど虫媒花という植物に見られます。虫媒花とは、昆虫によって花粉が雌しべの柱頭に運ばれることで受粉する花のことです。

種子植物の雄性先熟では、花を咲かせている時期に、オスからメスへと性表現が変わります。開花したばかりの頃は雄しべだけが成熟し、“花粉を放出している”のですが、時間がたつと今度は雌しべが成熟し“花粉を受け取る”ようになるんです。ヤツデなどでは、性表現が変わる時期には雄しべも雌しべもない中性期が存在するんですよ。

雌性先熟:風媒花に多い

雌性先熟では、雄性先熟とは反対に、先に雌しべが成熟し、後から雄しべが成熟するようになります。イネ科、カヤツリグサ科などでよく見られますね。風によって花粉を運び、受粉させる風媒花という種類に多く見られるんですよ。

植物は近親交配を避けるために性転換する!

ところで植物が性転換を行う理由とは何でしょうか?答えは近親交配を避けるため

花は蜜や目立つ花びらをつけて虫をひきつけたり、風にのせて花粉を運びますよね?これは他の花と受粉することで、新たな遺伝子をもった子孫を残すためなんです。これを他家受粉(たかじゅふん)といいます。

もし、自分の花粉が自分の柱頭についてしまったら、自家受粉が起きてしまいます。もし自家受粉をしてしまうと、自分と同じ遺伝子をもった子孫ができてしまいますよね。それを防ぐために雄しべと雌しべが作られる時期をずらしているんです。

一般的に、遺伝子は多様性であることが有利です。遺伝子がどれも同じであると、病気に対する耐性がみんな同じになってしまうため、病気が蔓延しやすくなり絶滅の可能性が高くなります。また、近親交配を続けていると遺伝子の欠損などにより変異株が生じやすいです。そのため、生物にとって遺伝子の多様性を保つためにも他家受粉が望まれるのですね。

\次のページで「性転換は生物が子孫を残すための戦略!」を解説!/

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