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オスからメスに変わる?!雄性先熟ってなんだ?性転換の理由について獣医学部卒ライターが解説!

よぉ、桜木健二だ。今回は「雄性先熟」をキーワードに解説していこう。不思議なことに、生き物の中には”オスからメスに”、あるいは”メスからオスへ”と性別を変えられる生物が存在するぞ。中にはオスとメス、どちらの特徴も持ち合わせた動物もいる。このように生涯で性別を変えることを性転換というぞ。中でも、オスからメスに変わるものを雄性先熟、メスからオスに変わるものを雌性先熟と呼ぶ。陸上には性転換を行う生物はあまりいないが、海の中には性転換する生き物が多くいる。今回は海の生き物たちが性転換する理由や、しくみについて学生時代、獣医学部で動物のことを勉強していたライターみんちが解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/みんち

学生時代、獣医学部で動物の知識を学んだ。趣味は動物園巡り。ライターとして、初心者にもわかりやすく、質のある情報を提供できるよう、日々奮闘中。

雄性先熟はオスからメスに性転換

image by iStockphoto

雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)とは生物がオスからメスに変化すること。クロダイやクマノミなどは幼魚のうちはすべてオスですが、成長するとメスになります。カキやフナクイムシ、フネガイなども同じような成長の仕方をするんですよ。

なぜこのように性別を変化させるのかというと、“繁殖の方法”“身体の大きさ”に関係があるんです。

一夫一妻制をとる生き物に多い

オスからメスに変化する雄性先熟は、一夫一妻制の繁殖方法をとる魚に多く見られます。繁殖の際、メスは産卵をしますよね。メスは身体が大きい方が産卵能力が高いため、十分成長していなければなりません

そのため、生まれたばかりでまだ身体が小さい時期はオスとして生活し、大人になって身体が十分成長したらメスになるのです。メスになる際は雌性器官は退化し、卵巣が発達していきます。成長段階に合わせて性別を変えることで、効率よく子孫を残せるというわけですね。ここからは雄性先熟の例をみていきましょう。

クロダイ:身体の大きさによって性分化する

クロダイ幼魚のうちはすべてオスです。生まれて2年ほどたつと体長は15~25センチほどになり、両性型といってオスの生殖器官もメスの生殖器官も持ち合わせた体(雌雄同体)になります。

体長が25センチを超える頃になると、性の分化が始まり、完全にオスになるのかメスになるのかを決定できるんですよ。自分の身体の大きさに合わせて性別を選んでいるなんて驚きですね。

クマノミ:集団で最も大きいものだけがメスになれる!

オレンジの模様がキュートなクマノミも、身体が小さい子どものうちはみんなオスなんですよ。雄性先熟の例としては大変有名なんです。クマノミは集団の中で最も大きい個体だけが、メスになることができるんですよ。

ここで興味深いのが、メスが死ぬと2番目に大きかったオスがメスに性転換してしまうこと。そして、3番目のオスと繁殖を行います。このように身体の大きさが上位のもの同士で繁殖することで、より強い子孫を残していこうとする賢い戦略なんですね。

雌性先熟はメスからオスに性転換

一方で、雌性先熟(しせいせんじゅく)とはメスからオスに身体が変化すること。始めのうちは卵巣が発達していますが、成長するにつれて、のちに精巣が発達してくるようになります。

この場合も雄性先熟と同じように、“繁殖の方法”と“身体の大きさ”が関係しているんですよ。

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