この記事ではキジトラとサバトラの違いについてみていきます。どちらも毛の模様など見た目がほとんど同じだというイメージがあるよな。違いはずばり色のようですが、ルーツや性格など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はキジトラとサバトラの違いを、ざっくりとした見分けのポイントから確認しつつ、生き物好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

生き物の観察が好きなWebライター。様々な生き物をモチーフにしたイラストなども描いている。様々な視点から違いを詳しく解説。

キジトラとサバトラのざっくりした違いは?

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キジトラとサバトラはネコの種類です。名前もですが、見た目もよく似ていますよね。道で遭遇することがあっても、パッと見ただけではどっちなのかわからないこともあるのではないでしょうか。

そんなキジトラとサバトラを見分ける際にポイントとなる、ざっくりした違いからご紹介していきます。

毛の色が違う!

キジトラとサバトラの一番わかりやすい違いは「毛の色」です。模様も似ているので、まずは色味をチェックしてみましょう。それぞれのベースとなる色、縞模様の色は以下を参考にしてみてください。

キジトラの毛の色
・ベース:明るめな茶色
・縞模様:黒または焦げ茶

サバトラの毛の色
・ベース:銀色
・縞模様:黒または暗めなグレー

キジトラのベースとなる毛の色は、ほんのりとオレンジ(または黄色)がかったような茶色であることが多いです。縞模様は全体的にハッキリしていますが、目の横や尻尾はとくに濃く見えます。

サバトラは日の光が当たるとほわっと輝いて見えるような、銀色の毛がベースです。縞模様は黒色ですが、個体や年齢によって暗めのグレーに見えることも。ベースとなる色は違いがわかりやすいので、注目してみてください。

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キジトラとサバトラをもっと詳しく知ろう!

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キジトラとサバトラについてより詳しくなれるよう、ルーツ・名前の由来・性格などについても解説していきます。それぞれどんなネコであるのか、一緒にみていきましょう!

キジトラとサバトラの「ルーツ」

キジトラやサバトラを含む、飼い猫(イエネコ)の祖先は「リビアヤマネコ」という動物です。中東にもいますが、特にアフリカや砂漠地帯に多く生息することから「アフリカヤマネコ」や「デザート・キャット(砂漠の猫)」と呼ばれることもあります。

実はこのリビアヤマネコとキジトラは、遺伝子の構造などがほとんど同じなのです。毛の色や柄なども非常に似ています。

また鎌倉時代後期〜室町時代の絵巻にキジトラのようなネコが描かれていることもあり、日本猫の中でも歴史がるネコと言えるでしょう。

一方サバトラの日本における歴史は割と浅く、登場した可能性が高いのは戦後である1950年代頃とされています。この頃、洋猫と呼ばれる「海外の純血種」が日本にやってきました。

この洋猫と日本にいたキジトラが、何かしらの形で交配して生まれたのがサバトラです。そのためサバトラは、遺伝子などもキジトラとは少々異なります。

キジトラとサバトラの「名前の由来」

キジトラ・サバトラという名前は、それぞれ見た目から付けられた名前です。海外での呼び名も併せてチェックしていきましょう。

まずはキジトラ。英語だと「Brown tabby(ブラウンタビー)」という名で呼ばれています。毛の色が茶色であることと、縞模様(タビー)であることが由来です。

日本名であるキジトラは、毛の色や柄などが「鳥のキジ(メス)」に似ているところからきています。

サバトラの英語名は「Silver tabby(シルバータビー)」。キジトラと同様に、毛の色と模様が名前の由来です。日本名であるサバトラは、色味や縞模様の柄が「魚のサバ」に似ていることから名付けられました。

海外でもシルバータビーのほか、「Mackerel tabby(マッカレルタビー)」と呼ばれることも。マッカレルはサバのことを指しています。タイセイヨウサバなどの写真を見てみると、柄や色が本当によく似ているので、ぜひ調べてみてください。

キジトラとサバトラの「性格」

キジトラとサバトラは遺伝子の構造などが違うこともあり、基本的な性格も異なります。個体差はありますが、それぞれどんな猫なのか下記にまとめてみました。

キジトラの基本的な性格
・野生的
・警戒心が強め
・慣れると甘えん坊
・やんちゃ
・臆病な一面もある

サバトラの基本的な性格
・慎重
・活発
・マイペース
・神経質
・警戒心が強めorフレンドリー

飼い猫の祖先であるリビアヤマネコとほとんど同じ遺伝子を持つキジトラは、野生的な性格をしています。飼い主など信頼した相手には甘えることもありますが、基本的に警戒心は強いです。

体を動かすような遊びも好きで、夢中になることも。ハツラツとしていて元気いっぱいな個体が多い傾向にあります。

サバトラは警戒心が強い性格と、フレンドリーな性格の2つに分かれる場合が多いです。基本的に慎重でおっとりしているため、キジトラと比較すると大人しく感じる場合があります。

毛の色が自然の中では目立つこともあり、生き延びる為に慎重にならざるを得なかったとも考えられますね。ただサバトラはキジトラのDNAも持っているためか、好奇心旺盛で活発な一面も。オモチャにじゃれて遊ぶことも大好きです。

キジトラやサバトラを飼う場合は、どんな性格なのか観察しつつ、適度な距離感で接することが大切になってきます。特にある程度大きくなったネコを飼い始める場合は、警戒心がより強く現れる場合も。

慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、無理矢理触るなど配慮に欠ける行動は禁物です。ゆっくりと信頼関係を築いていくようにしてみてください。心を許してくれると、ネコの方から甘えてきてくれますよ!

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キジトラやサバトラをお迎えするには

キジトラやサバトラは雑種です。ペルシャ猫やシャム猫などとは違い品種が定められていません。そのため、ペットショップなどでは販売されていない場合がほとんどです。

家にお迎えしたいと考えているのであれば、里親募集されている保護猫から探してみましょう。最近ではサイトの他にも、保護猫がいるネコカフェなども各地にできています。年齢が大きめな個体が多いですが、猫カフェでは近くで見て触れ合うこともできるのでオススメです。

里親になる際は審査を受ける必要がある場合も多いですが、気になる方はぜひチェックしてみてください。

キジトラやサバトラと見た目が似ている猫

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キジトラとサバトラの印象的な縞模様の毛柄。この毛柄と同じ(あるいは非常に近い)模様をもつネコが何種類かいます。キジトラやサバトラと見分けられるよう、それぞれの特徴をまとめました。

茶トラ

キジトラやサバトラに似ているネコの代表格である茶トラ。同じ毛柄を持っているため、見分けがつきづらいネコと言えます。

茶トラのベースとなる色は赤みがかった茶色で、模様はオレンジに近い色合いであることが多いです。また、キジトラやサバトラは鼻や肉球が黒や茶色であるのことに対し、茶トラは明るいピンク色であるのもポイント。

稀に茶色い鼻を持つ茶トラもいますが、鼻や肉球の色も判断材料の1つにしてみてください。

キジ白・サバ白

キジトラやサバトラと同じ縞模様・毛の色を持ちつつ、白い毛の割合が多いネコをキジ白・サバ白といいます。毛が白くなっている部分は個体によって様々です。

おでこの辺りから漢字の「八」のように毛の色が分かれている「ハチワレ」や、白い靴下を履いているように見える「ソックス」などもいます。また全体的に白く、縞模様がポイント程度にしか入っていない個体もいるようです。

基本的には背中側にキジトラやサバトラのような模様や色がでて、お腹側は白い個体が多い傾向にあります。キジトラやサバトラに似ているとはいっても、白い毛の量には圧倒的な違いが。見分けることはそれほど難しくないネコと言えるでしょう。

アメリカンショートヘア

アメリカンショートヘアの中に、「シルバークラシックタビー」と呼ばれるサバトラに似たネコがいます。メインの毛が銀色なだけでなく、黒色の縞模様もあるため少々見分けがつきづらいです。

ただよく見ると、模様が渦巻き状になっていたりと違いがハッキリしてきます。サバトラより丸みのある輪郭や、少し低めな鼻もポイントです。

またサバトラとアメリカンショートヘアでは毛のカラーバリエーションも違います。アメリカンショートヘアにはレッド系・クリーム系・ブラックの毛を持つ個体も。

シルバー系とブルー系は特にサバトラと間違えやすいので、顔のつくりなどもチェックしてみるといいでしょう。

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迷ったときは毛の色をチェック!

見た目が似ているキジトラとサバトラ。どちらなのか知りたいときはベースとなる「毛の色」をチェックしてみましょう。キジトラは茶色でサバトラは銀色に近い色味をしています。

性格などにも違いはありますが、色の違いが一番わかりやすいですよ!キジトラとサバトラは野良猫として見かけることも多いネコなので、ぜひ出会ったときに見分られるかチャレンジしてみてください。

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生き物・植物雑学

3分で簡単キジトラとサバトラの違い!見分け方は?見た目や性格など生き物好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事ではキジトラとサバトラの違いについてみていきます。どちらも毛の模様など見た目がほとんど同じだというイメージがあるよな。違いはずばり色のようですが、ルーツや性格など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はキジトラとサバトラの違いを、ざっくりとした見分けのポイントから確認しつつ、生き物好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

生き物の観察が好きなWebライター。様々な生き物をモチーフにしたイラストなども描いている。様々な視点から違いを詳しく解説。

キジトラとサバトラのざっくりした違いは?

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キジトラとサバトラはネコの種類です。名前もですが、見た目もよく似ていますよね。道で遭遇することがあっても、パッと見ただけではどっちなのかわからないこともあるのではないでしょうか。

そんなキジトラとサバトラを見分ける際にポイントとなる、ざっくりした違いからご紹介していきます。

毛の色が違う!

キジトラとサバトラの一番わかりやすい違いは「毛の色」です。模様も似ているので、まずは色味をチェックしてみましょう。それぞれのベースとなる色、縞模様の色は以下を参考にしてみてください。

キジトラの毛の色
・ベース:明るめな茶色
・縞模様:黒または焦げ茶

サバトラの毛の色
・ベース:銀色
・縞模様:黒または暗めなグレー

キジトラのベースとなる毛の色は、ほんのりとオレンジ(または黄色)がかったような茶色であることが多いです。縞模様は全体的にハッキリしていますが、目の横や尻尾はとくに濃く見えます。

サバトラは日の光が当たるとほわっと輝いて見えるような、銀色の毛がベースです。縞模様は黒色ですが、個体や年齢によって暗めのグレーに見えることも。ベースとなる色は違いがわかりやすいので、注目してみてください。

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