端的に言えば残り物には福があるの意味は「残り物には幸運が訪れる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「残り物には福がある」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ハヤカワ
学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。
「残り物には福がある」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「残り物には福がある」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「残り物には福がある」は分類としては日本語のことわざであるという点も抑えておきましょう。
「残り物には福がある」の意味は?
「残り物には福がある」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。
1.人が先に選んで取り、残されたもの、または最後に残った物には思わぬよいことがある。
出典:ことわざを知る辞典「残り物には福がある」
「残り物には福がある」は人が先に選んで取っていき、残された物、最後に残った物には思いがけない良いことがあるという意味のことわざです。人に先んじようとする人よりも、遠慮深い人にこそ幸運が訪れるという意味が込められています。また同様の意味で「残り物に福あり」という言い回しも存在していますね。
我先にと争う様子を戒めたり、最後に残されたものを手にする人を慰めるように使われることが多い言葉となっています。古くから使われていることわざですが、現在でも時折会話の中で使われている身近な表現です。この機会にしっかりと「残り物には福がある」の意味を覚え、自身の語彙力を高めていきましょう。
「残り物には福がある」の語源は?
次に「残り物には福がある」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「残り物には福がある」の語源は現在はっきりとはしていません。「残り物には福がある」の語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「残り物には福がある」と同様の意味をもつ「余茶に福がある」は、発生時期の確認ができます。
1739年の浄瑠璃・平仮名盛衰記には「余り茶には福が有る、呑(のん)でお休みなされや」としてこの言葉が登場しており、非常に古くから使われている表現ということが分かりますね。「残り物には福がある」は、こちらの言葉から派生した言葉として見られています。こちらも覚えておきましょう。
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