この記事では「生きた心地もしない」について解説する。

端的に言えば「生きた心地もしない」の意味は「非常に恐ろしく感じたということ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「手が付かない」の意味や例文、類語などを見ていきます。一緒に「生きた心地もしない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「生きた心地もしない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「生きた心地もしない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「生きた心地もしない」の意味は?

「生きた心地もしない」には、次のような意味があります。

恐ろしさで生きている感じがしない。「地震が収まるまでは—◦なかった」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「生きた心地もしない」

この言葉は、「(恐ろしくて)生きているような気持ちがしない」という意味の慣用表現です。「非常に・とても恐ろしい」ということを強調して言うもので、若者風に言うなら文字通り「死ぬほど恐ろしい」ということになるでしょうか。

それほど恐ろしいとは、一体どのような状況でしょうか。大きな事件があったりして、激しく感情が揺れ動いたことが推測できる言葉のため、小説などで登場した場合は注意して読み解いていくようにしましょう。

ちなみに、これは「~しない」という、否定形で語句を強める表現であるため、反対語として「生きた心地がする」という肯定表現は、正式にはありません。「生き生きしている」と言いたいのであれば、「生きている実感を覚える、実感がある」などと言うのが良いでしょう。

「生きた心地もしない」の語源は?

次に「生きた心地もしない」の語源を確認しておきましょう。「心地(ここち)」とは、「心の状態、気分」のこと。「住み心地」「夢心地」などという言葉を聞いたことがあるでしょう。

一方「生きた~もない」は、「死ぬほど辛い」のように「死」を用いて意味を非常に強める比喩的言い方で、この二つが合わさってできた表現と考えられます。また「心地しない」の「も」も強調するためで、「生きた心地しない」という言い方も正しい言い方です。

なお「心地」は、『栄華物語』や『源氏物語』でも確認することができる言葉ですが、当時は「体の状態」や「考え」という意味でも使うことがあったそう。古典を勉強している人は、こちらも覚えておくといいでしょう。

\次のページで「「生きた心地もしない」の使い方・例文」を解説!/

「生きた心地もしない」の使い方・例文

「生きた心地もしない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・新しい英語のクラスでは、単語の意味を辞書で引くことが禁止されていて、いきなり指名されて答えさせられるので生きた心地もしなかった。

・新入社員で入った時、専門用語ばかりの仕事だったので、必要な言葉を一覧にして常に持ち歩いていないと、生きた心地もしなかった。

・脱出ゲームで、課金して脱出方法のヒントを自分だけ表示させていたら、周りから責めに責められて、生きた心地もしなかった。

「非常に恐ろしい」というニュアンスが伝わりますでしょうか。そんな感情を呼び起こす、何かしらの重大な事態が起きていることも想像ができますね。大きな出来事がセットで述べられているはずですので、注目しましょう。

先にも述べた通り、「死ぬほど恐ろしい」を意味するため、簡単に使ってしまうとただ大げさになってしまう表現であることにも注意が必要です。

ただ、「デートに遅刻しそうになって、電車に飛び乗ってからも生きた心地もしなかった」と言うのはどうでしょうか。さすがに言い過ぎかもしれませんし、あるいは、本人にとってはそれくらい重大なことだったとも読み取れますね。

あえてコミカルさを出すことを狙った使い方をしてみるのもいいかもしれません。言葉の色々な用法を考えてみるのも面白いでしょう。

「生きた心地もしない」の類義語は?違いは?

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「生きた心地もしない」の類義語には「背筋が凍る」が挙げられます。

「背筋が凍る」

「背筋が凍る」は「恐怖や気味の悪さで背中がぞっとする」ことを意味する慣用表現です。同じ意味の言い方として、「背筋が寒くなる」というのも覚えておきましょう。

怖い思いや想像をして、思わず身を震わせたことがあるでしょうか。得体のしれないことを前にして、ゾクっとした感覚を思い出してみましょう。

またその為もあってか、この言葉は「気味の悪いこと」に対してよく使われます。「生きた心地もしない」やその他の似た表現と合わせて、適したものを選べるようにしてください。

\次のページで「「生きた心地もしない」の対義語は?」を解説!/

学校の共用パソコンで検索していた時、キーワード候補に私の名前がずらっと並んでいるのを見つけて、背筋が凍るような思いをした。

「生きた心地もしない」の対義語は?

「生きた心地もしない」の対義語は「水を得た魚のよう」を紹介します。

「水を得た魚のよう」

「水を得た魚のよう」は、「物事に生き生きと取り組む様子」を表す慣用表現です。前向きに、生命力にあふれて活動しているニュアンスから、この表現を選んでみました。

その人にとって適切な場所で自由に活動でき、生き生きしているという意味合いの表現ですが、逆に考えてみると、魚が水の無いところに連れてこられてしまったら、たしかに「生きた心地も」しないと言えるでしょう。

あまりのパワハラ具合に生きた心地もしない職場だったが、転職した先はみんな優しくて、水を得た魚のように働けている。

「生きた心地もしない」の英訳は?

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「生きた心地もしない」の英訳は「My heart is in my mouth」を紹介します。

「My heart is in my mouth」

これは直訳すれば「心臓が口にある」ということで、それくらい「とても驚いた、恐怖を感じた」という意味のフレーズです。日本語でも、「心臓が飛び出そう(なほど驚いた)」と言うことがありますね。英語でも、単語そのままで面白い表現です。

使われている単語の意味からしても、「驚き」や「ドキドキ」が強いでしょうか。もしもっと直接的に表現したい場合は、「I was scared to death=死にそうなほど驚いた」などと言ってしまっても構いません。

\次のページで「「生きた心地もしない」を使いこなそう」を解説!/

My heart was in my mouth when I suddenly met the person I gave my love letter to a long time ago.
ずっと前にラブレターを渡した相手に突然出会って、生きた心地もしなかった。

「生きた心地もしない」を使いこなそう

この記事では「生きた心地もしない」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「驚く・怖がる」ことは、感情が大きく動くためでしょうか、色々な表現で言い表すことができます。小さなハラハラや、死んでしまいそうなほどの驚き。悪い意味はもちろん、良い意味でドキドキすることもありますね。

気付いたときに、適切な表現は何かを考えていくと使える語彙がどんどん増えて勉強になりますよ。

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国語言葉の意味

【慣用句】「生きた心地もしない」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

この記事では「生きた心地もしない」について解説する。

端的に言えば「生きた心地もしない」の意味は「非常に恐ろしく感じたということ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んです。一緒に「手が付かない」の意味や例文、類語などを見ていきます。一緒に「生きた心地もしない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「生きた心地もしない」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「生きた心地もしない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「生きた心地もしない」の意味は?

「生きた心地もしない」には、次のような意味があります。

恐ろしさで生きている感じがしない。「地震が収まるまでは—◦なかった」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「生きた心地もしない」

この言葉は、「(恐ろしくて)生きているような気持ちがしない」という意味の慣用表現です。「非常に・とても恐ろしい」ということを強調して言うもので、若者風に言うなら文字通り「死ぬほど恐ろしい」ということになるでしょうか。

それほど恐ろしいとは、一体どのような状況でしょうか。大きな事件があったりして、激しく感情が揺れ動いたことが推測できる言葉のため、小説などで登場した場合は注意して読み解いていくようにしましょう。

ちなみに、これは「~しない」という、否定形で語句を強める表現であるため、反対語として「生きた心地がする」という肯定表現は、正式にはありません。「生き生きしている」と言いたいのであれば、「生きている実感を覚える、実感がある」などと言うのが良いでしょう。

「生きた心地もしない」の語源は?

次に「生きた心地もしない」の語源を確認しておきましょう。「心地(ここち)」とは、「心の状態、気分」のこと。「住み心地」「夢心地」などという言葉を聞いたことがあるでしょう。

一方「生きた~もない」は、「死ぬほど辛い」のように「死」を用いて意味を非常に強める比喩的言い方で、この二つが合わさってできた表現と考えられます。また「心地しない」の「も」も強調するためで、「生きた心地しない」という言い方も正しい言い方です。

なお「心地」は、『栄華物語』や『源氏物語』でも確認することができる言葉ですが、当時は「体の状態」や「考え」という意味でも使うことがあったそう。古典を勉強している人は、こちらも覚えておくといいでしょう。

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