ドイツヨーロッパの歴史世界史

不条理の文学の最高峰となる小説家「カフカ」について元大学教員が5分で解説

よぉ、桜木建二だ。フランツ・カフカは、プラハのユダヤ人家庭に生まれた小説家。生前はそれほど高く評価されなかったが、亡くなったあと友人のマックス・ブロードにより、遺稿が発表されたことをきっかけに再評価されるようになった。

第一次世界大戦後、敗戦により精神的危機に陥ったドイツの様相を思わせる『変身』は一読の価値がある。そんなカフカの生涯や世界観について、世界史に詳しいライターひこすけと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/ひこすけ

アメリカの歴史や文化を専門とする元大学教員。カフカの小説は高校生のときに初めて読んで衝撃を受けた。恐ろしいほど暗くて奇妙なカフカの世界観の源泉について考えてみることにした。

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フランツ・カフカとはどんな人物?

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フランツ・カフカは、1883年7月3日にプラハのユダヤ人家庭に生まれました。生前はそれほど高く評価されませんでしたが、1924年6月3日に亡くなったあと、友人のマックス・ブロードが遺稿を発表。それをきっかけに再評価されるようになりました。実存主義文学と評され、世界的なブームに。現在では20世紀文学を代表する作家と位置づけられています。

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ユダヤ家庭に生まれたフランツ・カフカ

フランツ・カフカの父ヘルマンは高級小間物店を経営する商人。母はユーリエです。二人ともユダヤ人で、家では父はチェコ語、母はドイツ語を話していたとのこと。母は多くの成功者や学者を輩出しているユダヤの名門の出身でした。カフカは自分では、母方の血をより多く受け継いで作家になったと思っていました。

カフカは長男。2年後に、二男ゲオルク、その2年後に3男のハインリヒが生れましたが、二人とも幼くして亡くなりました。続いて3人の女の子が生まます。妹たちには大きな影響を受け、成人してからは、精神面でも物質面でもいろいろ助けてもらっていました。その反面、厳格な父とは、生涯、心が通わなかったようです。この家庭環境は、カフカの代表作である『変身』に投影されました。

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初等教育時代に作家になる夢を抱くように

フランツ・カフカは1889年9月、小学校に入学するものの、成績はパッとしませんでした。もの静かで目立たない、勉強の嫌いな子どもでした。1893年にギムナジウムに入学。授業の大半がラテン語と古代ギリシャ語でした。彼はここでホメロスなどの古典を学び、当初は成績優等生だったものの、しだいに降下。卒業試験にやっと合格するありさまでした。

このときカフカが目覚めたのがボート。これをきっかけに生涯、スポーツを愛しました。また、ダーウィン・ニーチェに関心をもち、実証主義、社会主義にも触れるようになったのもこのころ。初等教育時代、彼は作家になるという夢を育んだようです。

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フランツ・カフカは、ナチス政権が台頭するころに生きている。彼の独特な世界観は、ユダヤの生まれだった影響が大きいだろう。また、父親よりも母親やお姉さんに対する想いが強いこともポイントだ。

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大学時代からカフカは小説執筆に熱中

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1901年、カフカはプラハ大学に入学。最初は科学を専攻。次に法学専攻、美術史、ドイツ文学と専攻を転々とします。また、詩や創設の朗読会、有名作家の講演会にも積極的に参加するようになりました。

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大学時代にマックス・ブロートと出会う

1902年10月に出会ったのがマックス・ブロート。カフカの死後、彼の作品を世界に紹介した人物です。マックスは新進作家として名をなしていました。マックスはカフカの才能を見出し、勉強会に誘ったり朗読会を催したりします。このころのカフカと父の仲は険悪。成績も振るわず、かろうじて大学終了試験に合格しました。

1907年10月、フランツ・カフカはイタリアの保険会社のプラハ支店に就職。激務のために小説執筆もできず、プラハ市内の「労働者障害保険協会」に転職しました。このころ、4歳年下のフェリーツエという女性と知り合い、熱烈なラブレターを送るように。ゆとりがある職場だったため執筆を再開させたのもこのころです。

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