この記事ではジャガー・ヒョウ・チーターの違いについてみていきます。3種とも見た目が似ているイメージがあるよな。違いはずばり体の模様のようですが、生態や生息地など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなジャガー・ヒョウ・チーターの違いを、分類などから確認しつつ、生き物好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

生き物の観察が好きなWebライター。様々な生き物をモチーフにしたイラストなどを描いている。様々な視点から違いを詳しく解説していく。

ジャガー・ヒョウ・チーターのざっくりした違いはどこ?

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ジャガー・ヒョウ・チーターは3種とも同じネコ科に分類される動物です。日本の動物園にもいるため、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。

ただ3種とも具体的にどこが違うのか少々わかりづらいですよね。まずはそんなジャガー・ヒョウ・チーターが見分けやすくなる、ざっくりした違いをご紹介していきます。

体の模様が違う!

ジャガー・ヒョウ・チーターを見分けるうえで一番わかりやすい違いは、体にある模様です。それぞれの模様にどんな特徴があるのか、早速チェックしてみましょう。

ジャガーの模様:梅花紋の真ん中に黒い点
黒い模様がオレンジ色の中心を放射状に囲んで、花のように見えることを指す梅花紋。ジャガーの場合、中心のオレンジ色の部分に小さな黒い点がある。

ヒョウの模様:梅花紋
いわゆる豹柄。オレンジ色の中心と黒い花びらのような模様が特徴。ジャガーと似ているが、中心部分に黒い点はない。中には毛が全体的に黒いブラックパンサーと呼ばれる個体もいる。

チーター:斑点
黒い水玉のような模様が特徴。また、チーターにのみ目頭から下向きに「ティアーズライン」という黒い線が入っている。

ジャガー・ヒョウ・チーターの詳しい違いをチェック!

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ジャガー・ヒョウ・チーターの違いは体の模様だけではありません。同じネコ科ではありますが、それぞれ全く別の動物なので生息地や生態も違いがあります。それぞれの特徴がもっと良くわかるように、詳しい違いもチェックしてみましょう。

\次のページで「ジャガー・ヒョウ・チーターの「分類」の違い」を解説!/

ジャガー・ヒョウ・チーターの「分類」の違い

ネコ科から分類を細かく分けると、ジャガーとヒョウが同じでチーターだけ別になります。まずはジャガーとヒョウ。この2種は「ネコ科ヒョウ属」というグループの仲間です。

このグループには大型の肉食動物(哺乳類)が分類されています。例えばライオンやトラなども同じです。ネコ科ヒョウ属は野生で生息する個体が少なくなってきており、全ての種が絶滅する恐れがあるとされています。

日本の動物園でも必ずと言っていいほどいるライオンも例外ではありません。ネコ科ヒョウ属は食物連鎖の上部にいることがほとんどですが、人間による狩りや餌不足によって個数が少なくなってきているようです。

チーターは「ネコ科チーター属」というグループに分類されます。このグループにはチーターしかいません。中にはキングチーターと呼ばれる、背中部分に黒いストライプ模様がある個体もいますが、チーターが突然変異したものです。一般的なチーターと模様は違いますが、別種ではありません。

ジャガー・ヒョウ・チーターの「生息地」の違い

ジャガー・ヒョウ・チーターの生息地はそれぞれ違います。どんなところで生活しているかは以下にまとめました。

ジャガーの主な生息地:中南米
森林など木の多い場所や草原、川や沼などの水辺に生息。以前はアメリカとメキシコの国境辺りで多くのジャガーが生活していたが、現在はアマゾン川の近くにいることが多い。

ヒョウの主な生息地:アフリカ・中央アジア・インド・中国
3種の中で一番広く分布している。森林や藪、深さのある草むらや岩場など生息場所も様々。キリマンジャロやヒマラヤなどの標高5,000mを超える場所でも目撃されている。

チーターの主な生息地:アフリカ・イラン
サバンナの草原や木がまばらな林、低い木があつまる場所で生活していることが多い。砂漠や半砂漠などの乾いた土地にいることも。

アフリカが共通しているヒョウとチーターでも、生息している土地の特徴は異なります。ヒョウは熱帯雨林にもいますがチーターはいません。ヒョウは適応能力が高いため、3種の中で一番住んでいる場所の範囲が広いです。

ただ3種とも絶滅の危機がある動物なので、今後も生息地が変わっていってしまう可能性があります。チーターを例に挙げると、以前はインドやパレスチナなどにも生息していましたが、現在は絶滅してしまっているようです。

ジャガー・ヒョウ・チーターの「生態」の違い

ジャガー・ヒョウ・チーターの生態もみていきましょう。ジャガーは夜行性で木登りや泳ぎが得意です。地上だけでなく水中で狩りをすることもあります。

がっしりとした見るからに強そうな体格とパワフルな顎の力を使って、ワニなども餌にしてしまうそうです。特に顎の力は凄まじく、カメの甲羅を砕いたり硬い馬の首の骨を折ったりすることもあります。

ヒョウは夜行性で木登りが大得意。ハイエナやヒヒなどの天敵に襲われることもあり、日中は木の上で寝ていることがほとんどです。食事も木の上で摂ります。

体の模様をカモフラージュにして姿をくらませたり、空中から襲い掛かったりと、巧みな戦術を使って狩をするのも特徴です。

チーターは昼行性で、獲物を追いかける足を使った狩りが得意な動物。子どものころは群れでチームプレーを活かして捕食することも。一度決めたターゲットより近くに他の動物がいても、ターゲットのみをロックオンして追跡するのも特徴です。

チーターは顎の力が比較的に弱いため、ジャガーなどとは違って肉弾戦を仕掛けることはほとんどありません。獲物を仕留めるときは傷を負わせるのではなく、喉元を噛んで窒息させています。

ジャガー・ヒョウ・チーターの「大きさ」の違い

それぞれの大きさを比較してみましょう。サイズ感と一緒に、体格なども解説していきます。

\次のページで「ジャガー・ヒョウ・チーターの中で一番足が速いのは?」を解説!/

ジャガー
・体長:110〜180cmほど(オス)/115〜170cmほど(メス)
・体重:95〜135kgほど(オス)/50〜75kgほど(メス)
・体格:全体的にがっしりしている。足や尻尾は短め。

ヒョウ
・体長:140〜190cmほど(オス)/100〜120cmほど(メス)
・体重:20〜90kgほど(オス)/15〜40kgほど(メス)
・体格:ジャガーほどがっしりしていないが、お腹のラインにに丸みがある。

チーター
・体長:100〜150cmほど(メスはオスに比べて若干小さめ)
・体重:50kgほど(オス)/30kgほど(メス)
・体格:頭が小さく体が全体的に引き締まっている。2種と比べ小柄。

ジャガー・ヒョウ・チーターの中で一番足が速いのは?

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ジャガー・ヒョウ・チーターは身体能力が高いです。その中でもとある1種の動物は、足の速さが地上最速と言われています。さっそく一番足が速い動物はどれなのかみていきましょう!

チーターが最速

地上最速という呼び名をを持っているのはチーター。平均でも時速50〜65kmほどのスピードがあり自動車並の速さと言えます。トップスピードでは時速120kmほどにまでなるとのことで驚きですね。

また速さだけでなく瞬発力も凄まじく、獲物を狩るときは走り始めて2秒ほどで時速70km以上まで速度を上げることができます。なぜこんなにも早く走れるのか気になりませんか?

ポイントはチーターの体のつくり。しなやかなで細身な体格・方向転換をサポートする尻尾の長さ・心臓の強さなど色々とありますが、その中でも特徴的なのは足の爪です。

ジャガーやヒョウなどネコ科の猛獣たちは、必要に応じて爪を出したり引っ込めたりして生活しています。しかしチーターだけはある程度大きくなると、爪を自在に仕舞うことができなくなるのです。

爪が出しっぱなしになっていることによって、いつでも爪をスパイクのように使った力強い走りが可能になります。このようにチーターは走ることに特化した体のつくりになっているのです。

ジャガー・ヒョウ・チーターに似ている「ピューマ」って?

ネコ科の中の一種である「ピューマ」という動物。見た目がジャガー・ヒョウ・チーターと似ており、初めて見る方は特に見分けづらいと思います。いったいどんな動物なのか、どこで見分けられるかなどピューマの特徴をみていきましょう。

ピューマの特徴

ピューマは「ネコ科ピューマ属」に分類される動物です。ジャガーたちと同じ肉食で、カナダ〜チリの広範囲に生息しています。体長は95〜150cmほど、体重は25〜80kgほどです。「クーガー」や「マウンテンライオン」と呼ばれることも。

ピューマは木登りや泳ぎも上手ですが、ジャンプ力は特にズバ抜けています。垂直に4〜5m、横に10m以上飛ぶこともあるようです。見た目の特徴もみていきましょう。

\次のページで「見分けるときは「体の模様」に注目してみよう」を解説!/

ピューマの見た目の特徴

・目が大きく視力が優れている
・首や尻尾が太め
・ライオンのメスに似ている
・毛の色は茶色っぽい黄色、黒、灰色など
・赤ちゃんのころはチーターのような斑点模様があるが、大人になると体の模様はなくなる

見分けるときは「体の模様」に注目してみよう

同じネコ科に分類されるジャガー・ヒョウ・チーターは見た目が似ています。しかし体の模様を覚えておけば見分けることも難しくはありません。

ジャガーは「梅花紋の中心に黒い点」が、ヒョウは「梅花紋」、チーターは「斑点模様」というポイントを押さえておきましょう。またジャガーたちに似ているピューマという動物もいますが、体に特徴的な模様はありません。このことも判断材料の1つになりますね。

他にも細かな違いは沢山ありますが、まずは一番わかりやすい体の模様をヒントに、どの動物なのか見分けてみてください!

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生き物・植物雑学

ジャガー・ヒョウ・チーター違いは見た目だけ?一番足が速いのは?生き物好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事ではジャガー・ヒョウ・チーターの違いについてみていきます。3種とも見た目が似ているイメージがあるよな。違いはずばり体の模様のようですが、生態や生息地など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。
今回はそんなジャガー・ヒョウ・チーターの違いを、分類などから確認しつつ、生き物好きライター田嶋と一緒に解説していきます。

ライター/田嶋あこ

生き物の観察が好きなWebライター。様々な生き物をモチーフにしたイラストなどを描いている。様々な視点から違いを詳しく解説していく。

ジャガー・ヒョウ・チーターのざっくりした違いはどこ?

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ジャガー・ヒョウ・チーターは3種とも同じネコ科に分類される動物です。日本の動物園にもいるため、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。

ただ3種とも具体的にどこが違うのか少々わかりづらいですよね。まずはそんなジャガー・ヒョウ・チーターが見分けやすくなる、ざっくりした違いをご紹介していきます。

体の模様が違う!

ジャガー・ヒョウ・チーターを見分けるうえで一番わかりやすい違いは、体にある模様です。それぞれの模様にどんな特徴があるのか、早速チェックしてみましょう。

ジャガーの模様:梅花紋の真ん中に黒い点
黒い模様がオレンジ色の中心を放射状に囲んで、花のように見えることを指す梅花紋。ジャガーの場合、中心のオレンジ色の部分に小さな黒い点がある。

ヒョウの模様:梅花紋
いわゆる豹柄。オレンジ色の中心と黒い花びらのような模様が特徴。ジャガーと似ているが、中心部分に黒い点はない。中には毛が全体的に黒いブラックパンサーと呼ばれる個体もいる。

チーター:斑点
黒い水玉のような模様が特徴。また、チーターにのみ目頭から下向きに「ティアーズライン」という黒い線が入っている。

ジャガー・ヒョウ・チーターの詳しい違いをチェック!

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ジャガー・ヒョウ・チーターの違いは体の模様だけではありません。同じネコ科ではありますが、それぞれ全く別の動物なので生息地や生態も違いがあります。それぞれの特徴がもっと良くわかるように、詳しい違いもチェックしてみましょう。

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