
GPSやBS放送を支える通信衛星とは?その用途や将来性について現役理系学生ライターが5分でわかりやすく解説
通信衛星は人工衛星の一種で、地球上のデバイスと衛星の間のデータ通信に特化したものになっているぞ。身近なところでは、スマートフォンの位置情報サービスやBS放送などの技術が、通信衛星を利用している。今回は、通信衛星の仕組みから、それを用いた応用技術まで徹底解説するつもりです。ぜひ、この機会に通信衛星についての理解を深めてくれ。
地学に詳しいライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。人口衛星によるリモートセンシングについて学んだこともある。
通信衛星について詳しく学ぼう!
Go Miyazaki – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
スマートフォンの位置情報サービスやテレビのBS放送は、私たちの生活の一部となっており、今や手放すことができない存在になっています。そして、これらのサービスを提供する上で不可欠になるものが通信衛星です。この事実を知るだけでも、通信衛星の技術がいかに重要であるかが理解できますよね。
今回の記事では、通信衛星とはそもそも何なのか、通信衛星は具体的にどのような分野で利用されているのか、といった点を深堀りしていきます。それでは早速、解説をはじめていきますね。
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通信衛星とは?

image by Study-Z編集部
人工衛星のうち、電波による無線通信を目的として打ち上げられたものが通信衛星に分類されます。ちなみに、多くの通信衛星はマイクロ波帯の電波を用いていますよ。また、通信衛星以外には、リモートセンシングを目的とした観測衛星などがあります。
かつて、通信衛星の目的は、地上や海底に張り巡らされた通信網が行き届いていない地域の人々に情報を伝達することにありました。しかしながら、近年は位置情報サービスのようにすべての人を利用対象にしている通信衛星も多くなってきています。
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通信衛星の軌道
続いて、宇宙に打ち上げられた通信衛星がどのような軌道を描いて地球を周回しているのかを学んでいきましょう。比較的古い通信衛星の軌道は、静止軌道や準静止軌道になっています。このようになっている理由は、地球上から見て常に同じ場所に通信衛星が存在していると電波の受信が簡単にできるからです。
ですが、近年になって電波の送受信を行う装置の高性能化が進み、地球上から見て通信衛星が同じ位置に存在する必要性が少なくなってきました。このような事情から、低軌道の通信衛星が登場するようになりました。地球から近い距離にある低軌道の通信衛星を用いることで、高速の衛星通信の実現が期待されているのです。
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