臭素の歴史と資源
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臭素の発見はハロゲン族(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)の中で一番遅く、1820年代の事でした。自然界には単体として存在していなく、臭化物として主に海水に存在しています。そして1920年代にエンジン中の酸化鉛の沈積を防ぐため、モーター燃料ガソリン中に二臭化エチレンを添加する必要があった。この需要が臭素の工業利用に大きな発展を貢献したとされています。現代では医薬品業界や石油業界等の幅広い分野で利用され、なくてはならない元素の一つとなりました。
臭素の用途
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臭素は他のハロゲン族とは違う特異な物性と高い反応性を持っており、その性質が様々な分野で利用されています。車業界で発展し、その後は医薬品や石油業界、色素業界も使用している。最近では放射線防護服にも利用されており、実は臭素業界は成長が予想されている分野です。それでは臭素の具体的な用途例を見ていきましょう。
用途例その1 消化剤ハロン
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ハロンとはフロンの一種で消火剤に使用されているもの。成分はハロゲン化炭化水素で、負触媒効果によって鎮火する消化剤です。このハロンの中に臭化化合物が含まれています。原理の前に燃焼について学びましょう。火災によって生成された燃焼物は熱によってラジカル種を発生させ、このラジカルが燃焼を手助けします。ここに臭化化合物がいると、ラジカル種と結合して燃焼の促進を阻害。これが消火剤の仕組みです。ハロンは毒性が低く、消火能力も大変高く、さらには高価な機材や貴重な書類がある環境で使用できる優秀な消化剤になります。
用途例その2 紫色染料チリアンパープル
チリアンパープルは貝から抽出した紫色染料で、主成分が6,6′-ブロモインジゴという臭素化合物です。紫色は高い階級の象徴として使用されており、チリアンパープルの歴史は古いからあります。一説にはカエサルやクレオパトラ7世が使用していたらしいです。
インジゴは藍色で有名な染料で、インジゴブルーのインジゴは聞いた事があるかもしれませんね。これを臭素化すると光の吸収波長が変化し、紫色に見えるようになります。現在は合成方法が確立されているため、大量の貝やカタツムリから抽出する必要はないです。
用途例その3 医薬品 臭化ナトリウム

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臭化ナトリウムは鎮静剤、抗てんかん剤に利用されています。化学式はNaBr。体内でBr-が発生し、大脳皮質の知覚や運動中枢の興奮を抑制する働きをする。催眠作用や抗痙攣作用もあるため、19世紀後半から広く普及している薬剤です。臭化カリウムも医薬品として利用されているが、心臓への負担が大きい。臭化ナトリウムは心臓への負担が少なく、注射液としても使用している。
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