化学理科

現代化学の基礎「アボガドロの法則」はどんな法則?わかりやすく理系ライターが解説!

よぉ、桜木建二だ。

今回はアボガドロの法則を、解説していくぞ。
アボガドロと聞くと多くの学生は、物質量(mol)を勉強するときに一緒に聞いたことあると思い出すだろう。
質量・体積と物質量をつなげる考え方は多くの学生を苦しめる化学の最初の難関だ。だが、化学を学ぶ上で最も重要な考え方でもあるぞ。

今回はアボガドロの法則と質量・体積を物質量とつなげる考え方を化学に詳しいライターリックと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/リック

高校生で化学にハマり、大学院までずっと化学を勉強してきた化学オタク。今は化学メーカーで働きながら化学の楽しさを発信する。

アボガドロの法則とは

Avogadro Amedeo.jpg
From a drawing by C. Sentier, executed in Torino at Litografia Doyen in 1856. – Edgar Fahs Smith collection, パブリック・ドメイン, リンクによる

「アボガドロの法則」は1811年、アボガドロによって発見された法則です。アボガドロが提唱した説はほかにも、「アボガドロの分子説」があります。

すべての気体は、同温・同圧の時、同体積中には同数の粒子を含む」「それぞれの気体は、いくつかの原子が結合した分子という粒子からできている」。この2つがアボガドロの提唱した説です。

アボガドロの法則は「すべての気体は、同温・同圧の時、同体積中には同数の粒子を含む」と説明され、アボガドロの分子説は「それぞれの気体は、いくつかの原子が結合した分子という粒子からできている」と説明されます。

アボガドロの仮説は当時の矛盾を解消する画期的な説だった

アボガドロの法則は、当時正しいと考えられていたドルトンの「原子説」とゲーリュサックが発見した「気体反応の法則」の矛盾を解消する画期的な説でした。今の私たちは、分子の存在を知っていますよね。

ただ、当時は分子という概念がなかったんです。まずはドルトンの提唱した「原子説」とゲーリュサックの提唱した「気体反応の法則」とはどんな説だったのか、ご紹介していきますね。

ドルトンの原子説が提唱された当時は、間違いないと信じられていましたが、現代の化学で間違っている部分もあると分かっています。なので、ごちゃごちゃにならないように注意してください。

ドルトンの原子説とは

Dalton John desk.jpg
Henry Roscoe (author), William Henry Worthington (engraver), and Joseph Allen (painter) – Frontispiece of John Dalton and the Rise of Modern Chemistry by Henry Roscoe, パブリック・ドメイン, リンクによる

ジョンドルトンが提唱した「原子説」は歴史的に見て革命的な説でした。1774年に提唱された「質量保存の法則」や1799年に提唱された「定比例の法則」を説明することができた「原子説」は、当時誰もが「この説は正しい!」と信じた説でした。

原子説の大原則はこの4つです。「物質はそれ以上分割手出来ない粒子からできており、それが原子である」「同じ元素の原子は大きさも質量も性質も等しい」「化合物は2種類以上の原子が一定の割合で結合した複合原子からできている」「化学変化は原子と原子の繋がり方が変わるだけで原子が消えたり、生まれることはない」。この説は現代の化学から見れば間違っている箇所がいくつかあると分かりますが、当時はだれもがこの説を信じ、支持しました。

しかし、1808年にゲーリュサックが「気体反応の法則」を発見したことで、ドルトンの「原子説」にいくつかのほころびが見つかったんです。次は、その「気体反応の法則」についてご紹介していきます。

ゲーリュサックの「気体反応の法則」から見た「原子説」との矛盾

ゲーリュサックの「気体反応の法則」から見た「原子説」との矛盾

image by Study-Z編集部

気体反応の法則は、1808年フランスの化学者ゲーリュサックが提唱しました。「2種類以上の気体が関与する化学反応で、消費あるいは生成する各気体の体積は、同じ圧力・温度のもとで簡単な整数比が成り立つ」という法則です。

水素と酸素から水ができる反応では、体積比は2:1:2が成り立ちます。ゲーリュサックは「同温同圧下では、同体積の気体は同数の原子または複合原子を含む」と仮定して、この法則を原子説を使って説明しようとしたんです。しかし、ここで問題が起こりました。

原子説を用いると、気体反応の法則がどうしても説明することができなかったのです。

原子説と気体反応の法則の矛盾点

原子説と気体反応の法則の矛盾点

image by Study-Z編集部

原子説の立場で考えると、気体の水素と気体の酸素が結合して水蒸気になる反応は、図のようになるはずでした。こうなると、体積比は2:1:1になるはずでした。(当時は分子という概念はなく、Hはプラスの元素で、H同士がくっつくなんてありえないと考えられていたんです。そのため、水素や酸素は単原子の気体だと考えられていました。)

ここで、明らかな矛盾が生まれてしまったんです。水素と酸素の反応を成立させるには、原子を半分に割るしかありませんでした。しかしそれでは、原子はこれ以上分割できない最小単位とした原子説に矛盾してしまいます。

そのため、気体反応の法則発見後に原子説にほころびが見つかりました。このほころびを解消したのが「アボガドロの法則」と「アボガドロの分子説」なんです。

\次のページで「22.4L/molとはどんな数字のことなのか」を解説!/

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