この記事では「鼻を突く」について解説する。

端的に言えば鼻を突くの意味は「強い臭いを感じる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「鼻を突く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「鼻を突く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻を突く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「鼻を突く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「鼻を突く」の意味は?

「鼻を突く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.においが強く鼻を刺激する。「つんと—・く異臭」
2.主人から勘当される。
「御供に仕うまつりたりし人々は、皆鼻突き放たれぬ」〈宇津保・俊蔭〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻を突く」

「鼻を突く」は臭いが強く鼻を刺激する、または主人から勘当されることを表す慣用句です。鼻を突いたような強い臭気を感じる様子、主人から叱責され縁を切られる様子と、違った2種類の意味をもった言葉となっているため注意しましょう。文脈に注意し、どちらの意味で使われているか捉えることが大切です。

また勘当されるという意味は、特に古い書籍などに登場することが多い表現となっています。こちらの点にも注意していきましょう。「鼻を突く」は書籍・新聞等の文章中を中心として、現在でも使われている表現です。この機会にしっかりと意味を捉えて、自身の語彙力を高めていきましょう。

「鼻を突く」の語源は?

次に「鼻を突く」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「鼻を突く」の語源は現在はっきりとはしていません。「鼻を突く」の語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「鼻を突く」は970~999年頃の宇津保物語に「御ともにつかうまつりたりし人々は、みなはなつきはなたれぬ」として登場しています。

このことから非常に古くから使われていることが分かりますね。またこちらは主君の勘気を受ける・勘当されるという意味で使われています。「鼻を突く」は古くから使われている表現という点についても、しっかりと覚えておきましょう。「鼻を突く」の主君から勘当される意味は、基本的に現在は使われていません。

\次のページで「「鼻を突く」の使い方・例文」を解説!/

「鼻を突く」の使い方・例文

「鼻を突く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.鼻を突く臭いが部屋に充満していた。
2.冷蔵庫の中の肉を取り出してみると、腐っていて、つんと鼻を突く臭いがした。
3.線香を焚くと、強い匂いが鼻を突くので苦手だ。

「鼻を突く」は例文のように、主に強い臭いで鼻が刺激されることを表して使われている言葉です。腐臭など悪臭で使われることが多いですが、線香などの強い匂いに対しても使われる場合があります。こうした点にも注意して、「鼻を突く」を実際に自身でも使用することができるようにしていきましょう。

また「鼻を突く」は他に主人から勘当されるという意味もありますが、こちらは非常に古い表現のため、現在は基本的に使われていません。古い書籍に登場した際は、どちらの意味で使われているのか、文脈に注意し読み取っていきましょう。正しい用法を確認し、誤用しないようにしていきましょう。

「鼻を突く」の類義語は?違いは?

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続いて「鼻を突く」の類義語・違いについて確認していきましょう。「鼻を突く」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「鼻を突く」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「突鼻(とつび)」

「突鼻」は主人から咎めを受けること・勘当されること、またそのような失敗をすることを意味する言葉です。こちらは「鼻を突く」の主人から勘当されるという意味と似た意味をもった類義語となっています。こちらは強い臭いに鼻を刺激されるという意味はない点など、違いがあるため注意しましょう。

\次のページで「その2「鼻を打つ」」を解説!/

その2「鼻を打つ」

「鼻を打つ」は強い臭いが鼻を刺激することを意味する言葉です。こちらも臭いが鼻を刺激することを意味する言葉となっており、「鼻を突く」と非常によく似た意味をもった類義語となっています。細かい意味や使用頻度に違いがあるため、それぞれの意味・用法の違いに注意して使い分けていきましょう。

その3「鼻が曲がる」

「鼻が曲がる」はあまりに酷い悪臭を指す言葉です。鼻が曲がるかのような、強烈な悪臭を感じることを表す言葉となっており、「鼻を突く」と少し似た意味をもった類義語となっています。こちらは強烈な悪臭を指して使う言葉となっており、使用場面に少し違いがあるため、注意して使い分けていきましょう。

その4「鼻を突き合わせる」

「鼻を突き合わせる」は非常に近く寄り合う様子、または狭い場所に一緒にいる様子を表す言葉です。こちらは「鼻を突く」と非常によく似た言葉の並びとなっている類義語となっています。意味は大きく異なっているため、混同してしまわないように注意して、それぞれの意味・用法を覚えておきましょう。

その5「鼻につく」

「鼻につく」は嫌な臭いが鼻を刺激することを意味する言葉です。こちらも鼻を刺激する臭いを表した言葉となっており、非常によく似た意味をもった類義語となっています。ほかに飽きて嫌になること・人の振る舞いを鬱陶しく感じる様子についても表す点など、違いがあるため、注意して覚えておきましょう。

「鼻を突く」の対義語は?

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つづいて「鼻を突く」の対義語についても確認していきましょう。「鼻を突く」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「無臭」

「無臭」は臭みがないこと・全く臭いがないことを意味する言葉です。「鼻を突く」が強い臭いが鼻を刺激する様子を表していたのに対し、こちらはそうした鼻を刺激する臭いが全くないことを意味しています。対義語としてこちらの言葉についても意味・用法を覚えておきましょう。

\次のページで「「鼻を突く」を使いこなそう」を解説!/

「鼻を突く」を使いこなそう

この記事では「鼻を突く」の意味・使い方・類語などを説明しました。「鼻を突く」は強い臭いが鼻を刺激すること・主人から勘当されることを意味する慣用句でした。現在は主に強い臭いが鼻を刺激するという意味で、書籍・新聞等の文章中を中心として使われています。

また類義語には「突鼻」、「鼻を打つ」、「鼻が曲がる」、「鼻を突き合わせる」、「鼻につく」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「鼻を突く」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「鼻を突く」について解説する。

端的に言えば鼻を突くの意味は「強い臭いを感じる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「鼻を突く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「鼻を突く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「鼻を突く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「鼻を突く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「鼻を突く」の意味は?

「鼻を突く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.においが強く鼻を刺激する。「つんと—・く異臭」
2.主人から勘当される。
「御供に仕うまつりたりし人々は、皆鼻突き放たれぬ」〈宇津保・俊蔭〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)「鼻を突く」

「鼻を突く」は臭いが強く鼻を刺激する、または主人から勘当されることを表す慣用句です。鼻を突いたような強い臭気を感じる様子、主人から叱責され縁を切られる様子と、違った2種類の意味をもった言葉となっているため注意しましょう。文脈に注意し、どちらの意味で使われているか捉えることが大切です。

また勘当されるという意味は、特に古い書籍などに登場することが多い表現となっています。こちらの点にも注意していきましょう。「鼻を突く」は書籍・新聞等の文章中を中心として、現在でも使われている表現です。この機会にしっかりと意味を捉えて、自身の語彙力を高めていきましょう。

「鼻を突く」の語源は?

次に「鼻を突く」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「鼻を突く」の語源は現在はっきりとはしていません。「鼻を突く」の語源ははっきりとしていないと覚えておきましょう。「鼻を突く」は970~999年頃の宇津保物語に「御ともにつかうまつりたりし人々は、みなはなつきはなたれぬ」として登場しています。

このことから非常に古くから使われていることが分かりますね。またこちらは主君の勘気を受ける・勘当されるという意味で使われています。「鼻を突く」は古くから使われている表現という点についても、しっかりと覚えておきましょう。「鼻を突く」の主君から勘当される意味は、基本的に現在は使われていません。

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