この記事では鍵十字と卍の違いについてみていきます。どちらも何かを象徴するマーク、世界の各地で見かけるイメージがあるよな。違いはずばり歴史的背景のようですが、意味によって使われ方が違う・形が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。
今回はそんな世界史に欠かせない記号の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライター熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり鍵十字と卍の違いは?

image by iStockphoto

鍵十字と卍は、どのような違いがあるのでしょうか。見た目は似ていますが、意味や歴史は大きく違うはずです。はじめに、ざっくりと鍵十字と卍の違いをご紹介します。これらの記号を通して、世界で起きた歴史を知っていきましょう。

鍵十字:ナチ党のシンボル

鍵十字はナチ党のシンボルです。鍵十字はドイツ語で、「ハーケンクロイツ」と読みます。ナチスが鍵十字をシンボルにしたきっかけは、ドイツの考古学者であるハインリヒ・シュリーマンが、トロイの遺跡の中で鍵十字を発見したことです。

卍:多くの文化・宗教のシンボル

卍は世界中の文化や宗教で、シンボルとして使用されていました。宗教では、ヒンドゥー教や仏教です。他にも、アメリカの先住民族などがあげられます。日本では家紋や、漢字としても使用されていました。幸福のシンボルとして、長く使われてきた記号です。

特徴1:歴史的背景の違いは?

image by iStockphoto

鍵十字と卍の歴史的背景には、どのような違いがあるのでしょうか。由来は何か、何に使われていたのかなどが気になりますね。この章では、鍵十字と卍の歴史的背景の違いをご紹介します。世界史・日本史に興味のある方は必見です。

\次のページで「鍵十字:ナチ党に使われる前から存在していた」を解説!/

鍵十字:ナチ党に使われる前から存在していた

鍵十字は1920年にアドルフ・ヒトラーによって、ナチ党のシンボルとなりました。しかし、ナチ党のシンボルとなる5000年程前には、実は既に使用されていたのです。鍵十字は「スワスティカ」とも呼ばれていて、サンスクリット語の「スヴァスティカ」に由来しています。言葉の意味は幸運です。

卍:仏教では「和の元」

卍は仏教で「和の元」と捉えられています。最も古い卍は、ウクライナのメジネで発見されました。旧石器時代に象牙に掘られ、儀式で使用していたとされています。日本では、奈良時代の薬師寺本尊にある、中尊の薬師如来の掌と足の裏に描かれたものが現存最古です。

特徴2:意味の違いは?

鍵十字と卍の意味は、どのような違いがあるのでしょうか。本来の意味は何か、いくつも意味はあるのかなど気になりますね。この章では、鍵十字と卍の意味の違いをご紹介します。「見たことはあっても、意味は知らなかった」という方は必見です。

鍵十字:幸運・吉兆

鍵十字の本来の意味は「幸運」「吉兆」で、ヨーロッパで広く使用されていました。空を横切る太陽の動きを表したといわれています。しかし、民族主義運動に取り込まれ、鍵十字は「アーリア系の象徴」となりました。当時は、ドイツの国家主義者の誇りともいわれています。

卍:幸福の印

卍の意味は「幸福の印」です。世界中の文化や宗教で、幸福のシンボルとされています。日本では、家紋・漢字としても使用されていました。「幸福が訪れますように」という願いを込めて、使用していたのでしょう。他にも、幾何学的な紋章や意匠・記号・文字の1つでもあります。

\次のページで「特徴3:形の違いは?」を解説!/

特徴3:形の違いは?

鍵十字と卍の形は、どのような違いがあるのでしょうか。実はどちらも似た形ですが、具体的な違いを説明できる方は、少ないかもしれません。この章では、鍵十字と卍の形の違いをご紹介します。「形の違いを全く知らなかった」という方は必見です。

鍵十字:卍の逆向き

鍵十字の形は卍の逆向きで、さらに45°傾いています。「逆卍」「右卍」と呼ばれるように似た形です。ナチ党は赤地上の白円の中に、黒の鍵十字が入ったデザインを作りました。黒・白・赤は帝政時代に、国旗に使われていた色です。

卍:太陽が光を放つ状態を象形化

卍の形は、太陽が光を放つ状態を象形化しています。4本の腕を途中から、同じ方向に折り曲げたような文様です。「アショーカ王碑文中の文字を、図案化したものが起源である」という説があります。しかし、さまざまな説があり、一定はしていません。

卍が邪悪の対象となった経緯は?

image by iStockphoto

卍が邪悪の対象となった経緯は、どのようなものなのでしょうか。やはり形が似ているからなのか、原因は何なのか気になりますね。この章では、卍が邪悪の対象となった経緯をご紹介します。全く別物である卍がなぜ「邪悪」に思われるのか、一緒に見ていきましょう。

卍を見て”隠れナチス”と勘違いする

鍵十字と形が似ている卍は、日本では地図記号や寺院などで記されています。外国人旅行者は日本国内にある卍を見て、”隠れナチス”と勘違いするケースが多々ありました。第2次世界大戦後のドイツでは、鍵十字を公共の場で使用できません。使用した場合、処罰されるほどの禁止マークです。

鍵十字と卍の違いは「歴史的背景」

鍵十字と卍の違いは「歴史的背景」です。鍵十字はもともと、「スワスティカ」と呼ばれる幸運の印でした。しかし、1920年にアドルフ・ヒトラーによって、ナチ党のシンボルに使われます。卍は多くの文化・宗教のシンボルとして使用されていました。日本では「和の元」として、寺院や家紋でよく使われています。他にも、鍵十字と卍は「向きが逆」という違いがありました。

" /> 3分でわかる鍵十字と卍の違い!歴史的背景や意味・形などの違いを雑学好きライターが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
文化・歴史雑学

3分でわかる鍵十字と卍の違い!歴史的背景や意味・形などの違いを雑学好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では鍵十字と卍の違いについてみていきます。どちらも何かを象徴するマーク、世界の各地で見かけるイメージがあるよな。違いはずばり歴史的背景のようですが、意味によって使われ方が違う・形が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。
今回はそんな世界史に欠かせない記号の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライター熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくり鍵十字と卍の違いは?

image by iStockphoto

鍵十字と卍は、どのような違いがあるのでしょうか。見た目は似ていますが、意味や歴史は大きく違うはずです。はじめに、ざっくりと鍵十字と卍の違いをご紹介します。これらの記号を通して、世界で起きた歴史を知っていきましょう。

鍵十字:ナチ党のシンボル

鍵十字はナチ党のシンボルです。鍵十字はドイツ語で、「ハーケンクロイツ」と読みます。ナチスが鍵十字をシンボルにしたきっかけは、ドイツの考古学者であるハインリヒ・シュリーマンが、トロイの遺跡の中で鍵十字を発見したことです。

卍:多くの文化・宗教のシンボル

卍は世界中の文化や宗教で、シンボルとして使用されていました。宗教では、ヒンドゥー教や仏教です。他にも、アメリカの先住民族などがあげられます。日本では家紋や、漢字としても使用されていました。幸福のシンボルとして、長く使われてきた記号です。

特徴1:歴史的背景の違いは?

image by iStockphoto

鍵十字と卍の歴史的背景には、どのような違いがあるのでしょうか。由来は何か、何に使われていたのかなどが気になりますね。この章では、鍵十字と卍の歴史的背景の違いをご紹介します。世界史・日本史に興味のある方は必見です。

\次のページで「鍵十字:ナチ党に使われる前から存在していた」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: