この記事ではフロイトとユングの違いについてみていきます。どちらも精神科医・心理学者で、現在の医療に大きな影響を与えているイメージがあるよな。違いはずばり学問の方向性のようですが、考え方によって無意識の認識・性の捉え方が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。
今回はそんな心理学に欠かかせない偉人の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライター熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくりフロイトとユングの違いは?

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フロイトとユングは、どのような違いがあるのでしょうか。見解は全く反対なのか、対立していたのかなど気になりますね。はじめにざっくりと、フロイトとユングの違いをご紹介します。心理学や世界史に興味のある方は必見です。

フロイト:オーストリアの神経病学者

フロイトは、オーストリアの神経病学者です。精神分析学者としても、知られています。心理学を学んでいる場合、一度は必ず耳にする名前です。フロイトはユングと親交がありましたが、学問的な見解のずれから次第に距離を置くようになりました。

ユング:スイスの精神科医

ユングはスイスの精神科医です。最初はフロイトと親交がありました。ヒステリー患者の治療と、無意識の解明について親しく意見を交わしていたといわれています。しかし、次第にフロイトとの理論的な差異を表に出し始めました。

特徴1:無意識に対する考え方の違いは?

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フロイトとユングの無意識に対する考え方は、どのような違いがあるのでしょうか。無意識に意味はあるのか、勝手に作り出されるものなのか、などが気になりますね。この章では、フロイトとユングの無意識に対する考え方の違いをご紹介します。

\次のページで「フロイト:三構造に分ける」を解説!/

フロイト:三構造に分ける

フロイトの無意識に対する考えは、「三構造に分ける」です。これは、集合的無意識に対する見解になります。三層構造とは意識・前意識・無意識です。この見解から伝えたいことは、”人間の行動には全て心理的な裏付けがあり、それは無意識である”になります。

ユング:個人と集合に分けた

ユングの無意識に対する考えは「個人と集合に分けた」です。こちらも、集合的無意識に対する見解になります。無意識を個人的無意識と集合的無意識に分けました。そして集合的無意識は、人類が普遍的に持つものであると主張しています。

特徴2:性に対する考えの違いは?

フロイトとユングの性に対する考えは、どのような違いがあるのでしょうか。性がどのような影響を与えるのか、どのように捉えているのか、などが気になりますね。この章では、フロイトとユングの性に対する考えの違いをご紹介します。

フロイト:エディプス・コンプレックス

フロイトの性に対する考えは、「エディプス・コンプレックス」になります。人間の無意識の中核は、エディプス・コンプレックスだと主張していました。このコンプレックスは、児童が抱く心理的葛藤のことです。防衛機制や対象関係論に繋がりがあります。

ユング:性に重きを置きすぎない

ユングの性に対する見解は「性に重きを置きすぎない」です。ユングはフロイトの理論が、性に重きを置き過ぎていると批判します。ユングはコンプレックスとは、自我を脅かすほどの強い感情の複合体だと唱えていました。

特徴3:リビドーに対する考えの違いは?

フロイトとユングのリビドーに対する考えは、どのように違うのでしょうか。リビドーとは精神分析を行う際の、性への比重の置き方のことです。この章では、フロイトとユングのリビドーに対する考えの違いをご紹介します。

\次のページで「フロイト:人間の行動エネルギーの根源は性」を解説!/

フロイト:人間の行動エネルギーの根源は性

フロイトのリビドーに対する見解は、「人間の行動エネルギーの根源は性」です。性が行動の動機となると考えていました。他に動機はなく、性的なものに限定しています。しかし、それはネガティブなものとして捉えられていました。

ユング:一般的な生命の力の意味として用いる

ユングのリビドーに対する見解は、「一般的な生命の力の意味として用いる」です。性的なものは、一部に過ぎないと主張していました。性はネガティブなものだけではなく、ポジティブなものもあると考えていたそうです。

どのような患者を診察していたか?

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フロイトとユングは、どのような患者を診察していたのでしょうか。同じ症状の患者はいたのか、それとも全く違う症状だったのか、気になりますね。この章では、フロイトとユングが診察してきた患者についてご紹介します。

神経症患者や統合失調症患者

フロイトとユングは、患者の症状が違いました。フロイトは、神経症患者を多く診療しています。非合理なことを、合理的に明確にしようとする治療をしました。ユングは、統合失調症患者を多く診療しています。非合理のさらに奥底に進もうとする治療です。

フロイトとユングの違いは「学問の方向性」

フロイトとユングの違いは「学問の方向性」です。フロイトは無意識を三構造に分けたり、エディプス・コンプレックスを唱えたりしました。ユングは無意識を個人と集合に分けたり、性に重きを置きすぎない考えを唱えたりしています。他にもリビドーに対する主張や、治療法などにも違いがありました。

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文化・歴史雑学

3分でわかるフロイトとユングの違い!無意識や性・リビドーに対する考えの違いなどを雑学好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事ではフロイトとユングの違いについてみていきます。どちらも精神科医・心理学者で、現在の医療に大きな影響を与えているイメージがあるよな。違いはずばり学問の方向性のようですが、考え方によって無意識の認識・性の捉え方が違うなど調べてみるといろいろあるみたいです。
今回はそんな心理学に欠かかせない偉人の違いを、定義から確認しつつ、雑学好きライター熊家と一緒に解説していきます。

ライター/熊家

現在ライターとして、さまざまな分野で活動している。文学や歴史などのジャンルが得意で、これまで多くの記事を執筆してきた。この経験を生かし文学や歴史、雑学などの知識を分かりやすく解説していく。

ざっくりフロイトとユングの違いは?

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フロイトとユングは、どのような違いがあるのでしょうか。見解は全く反対なのか、対立していたのかなど気になりますね。はじめにざっくりと、フロイトとユングの違いをご紹介します。心理学や世界史に興味のある方は必見です。

フロイト:オーストリアの神経病学者

フロイトは、オーストリアの神経病学者です。精神分析学者としても、知られています。心理学を学んでいる場合、一度は必ず耳にする名前です。フロイトはユングと親交がありましたが、学問的な見解のずれから次第に距離を置くようになりました。

ユング:スイスの精神科医

ユングはスイスの精神科医です。最初はフロイトと親交がありました。ヒステリー患者の治療と、無意識の解明について親しく意見を交わしていたといわれています。しかし、次第にフロイトとの理論的な差異を表に出し始めました。

特徴1:無意識に対する考え方の違いは?

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フロイトとユングの無意識に対する考え方は、どのような違いがあるのでしょうか。無意識に意味はあるのか、勝手に作り出されるものなのか、などが気になりますね。この章では、フロイトとユングの無意識に対する考え方の違いをご紹介します。

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