
「居候三杯目にはそっと出し」の対義語は?
次に「居候三杯目にはそっと出し」の対義語を見ていきましょう。
「面の皮が厚い」
「居候三杯目にはそっと出し」は、「他人の家に世話になっているため食事のときなどは、控えめに遠慮がちな態度でおかわりを頼む」ということでした。考えてみると、自分は食べさせてもらっている立場だときちんと自覚した行動だと言えるかもしれませんね。対義語ではありませんが、「居候三杯目にはそっと出し」が立場をわきまえた態度だとしたら、立場もわきまえず「堂々と三杯目を要求する態度」は厚かましい態度だと言えるかもしれませんね。
そんな図太い態度をとることを意味する慣用句に「面の皮が厚い」(つらのかわがあつい)という言葉があります。「面の皮が厚い」は、「恥を恥とも思わない」や「図々しい」様子を表現したいときに使われる言葉です。
「Beggars can’t be choosers」
「居候三杯目にはそっと出し」は、家賃や食事費がタダの条件で生活させてもらっている立ち場の人は、家主たちに対して遠慮がちな態度をとるものだという意味の慣用句でしたね。やはりそこには、「お金を出す方」と「お金をだしてもらっている方」の力関係が存在するわけです。似通った英語表現があるのか捜してたところ、ピッタリとくるものは見つからなかったのですが、「提供する側」と「無償で提供される側」の関係性がよく理解できることわざがありましたのでご紹介しましょう。
「Beggars can’t be choosers.」です。「Beggars」は「Beggar」(bégɚ)の複数形で、「物乞い」(ものごい)や乞食(こじき)という意味になり、「choosers」は「選ぶ」、「選択する」するという意味の動詞choose(tʃúːz)の人化された表現で、「choosers」は「選ぶ人」,「選択する人」という意味になります。例えば、「泳ぐ」の動詞は「swim」ですが、「swimmer」となれば「泳ぐ人」になるのと同じ理屈です。「Beggars can’t be choosers.」は、全体で、「物乞いの人たちは選ぶ立場にはなりえない」という意味になります。
「居候三杯目にはそっと出し」を使いこなそう
この記事では「居候三杯目にはそっと出し」の意味や使い方を見てきました。「居候している人は、万事に遠慮がちになるものだ」という意味のことわざでした。長い人生の中、不況の時代で就職できなかったり、入社した会社がブラック企業で体を壊したり、いろいろなハラスメントが嫌で会社を辞めて無職になることも珍しいことではありません。誰でもが人のやっかいになることは起こりえることです。居候しなければならなくなったら世話してくれる人に感謝し、また、あなたが人を助けられる場面があればできることをしてあげたらいかがでしょうか?