
冷たいモノと聞くと何を想像する?氷やドライアイスを想像する人がほとんどでしょう。
今回はドライアイスを紹介していきます。
ドライアイスは、生活の中で見かける一番冷たいモノといってもいいでしょう。
ですが、冷たすぎるがゆえにドライアイスを触ると「やけど」を起こすぞ。
今回はドライアイスの特徴と、冷たすぎるため起きる「低温やけど」について、化学に詳しいライターリックと一緒に紹介していくぞ!
ライター/リック
高校生で化学にハマり、大学院までずっと化学を勉強してきた化学オタク。今は化学メーカーで働きながら化学の楽しさを発信する。
ドライアイスってどんな物質

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冷たいモノと聞くと何を想像しますか。多くの方が「氷」を想像すると思います。さらに冷たいモノとなると…「ドライアイス」や「液体窒素」を想像しますよね。液体窒素は簡単に手に入らないので、私たちの生活の中で手に入る一番冷たいモノは「ドライアイス」だと思います。アイスクリームを買って持ち帰るとき、ドライアイスを一緒に入れてくれることがありますよね。
冷たいモノの代表「氷」は水でできています。では、ドライアイスって何でできているかご存じですか。ドライアイスは、実は「二酸化炭素」でできています。二酸化炭素って、気体では?と思いますよね…実は二酸化炭素はずっと冷やしていくと気体から固体へ状態変化するんです。
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ドライアイスの温度は-○○℃

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二酸化炭素は常温常圧では気体の物質ですが、ずっと冷却していくとある温度で固体に変化するんです。その温度は-78.5℃。-78.5℃を境目にして二酸化炭素は気体から固体へ変化するんですね。
ここで一つ気になりませんか?
一般的に温度が下がっていくと、気体→液体→固体の順に変化していきますよね…水を想像すると分かりやすいです。水蒸気を冷やすと水滴にり、さらに冷やすと氷になる。一方で、二酸化炭素は-78.5℃で気体→固体に変化し、ドライアイスを温めていくと、固体→気体へ変化します。
では、液体の二酸化炭素は、存在しないんでしょうか?実は、そんなことはありません。圧力(0.5MPa以上)をかけた状態で二酸化炭素を冷却していくと、-56.6℃で気体→液体に変化するんです。そのため、二酸化炭素の融点は-56.6℃、沸点は-78.5℃と定義されていますが、融点は常温常圧では観測できません。さらに、常圧では固体から気体へ変化するので、沸点ではなく昇華点と表現する方が正しいんです。
昇華とは…固体から液体を経由せずに気体へ状態変化すること。常温常圧で昇華する物質はとても珍しいんですよ。
ドライアイスからでる白い煙の正体は

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ドライアイスを見ると、周りからもくもく白い煙が出てきてないですか?さらにドライアイスに水をかけると…一気に白い煙が上がります。この煙の正体は何なんでしょう。ドライアイスは二酸化炭素からできているんだから、二酸化炭素では?と思うかもしれませんが、実は違うんです!二酸化炭素は無色透明の気体なので、色がついてみてることはありません。
白い煙の正体は、水分です。約-79℃の超低温のドライアイスに触れた水蒸気はすぐに冷えてしまいます。その水分がドライアイスからもくもくと上がってくる白い煙の正体なんです。ただ、白い煙が氷だけでできているのか、液体の水なのか、両方が混ざった状態なのか、実はまだはっきり分かっていないんですよ。
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