3. 中性植物
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「中性植物」は暗期の長さに依存する長日植物や短日植物と異なり、花芽の形成が日長に関係なく行われる植物のことを指します。そのため、限界暗期がないので、いつでも花芽形成が行われるのです。四季咲きの植物が多く、例としてナスやトマト、ソバなどがあります。
植物は光受容体で光を感じる
植物が花芽形成するかどうかは暗期の長さによるのでしたね。それでは、植物は日照をどのように感知しているのでしょうか。実は、植物にある光受容体が日照を感知しています。光受容体はいくつも存在しますが、花芽形成で最も活躍すると言われているのは「フィトクロム」という光受容体です。このフィトクロムについて解説していきますね。
フィトクロムとは?
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フィトクロムには赤色光吸収型であるPr型(不活性型フィトクロム)と遠赤色吸収型であるPfr型(活性型フィトクロム)の2タイプがあります。赤色光の波長は600nm~700nmで太陽光にも含まれており、遠赤色光の波長は700nm~800nmです。上記の図のように、Pr型のフィトクロムに赤色光を当てるとPfr型になり、Pfr型に遠赤色光を照射する、もしくは暗期の環境下にさらすとPr型になります。
短日植物の場合、Pr型が13時間前後(短日植物の限界暗期は8時間~12時間であるから)、蓄積されると花芽形成へと誘導されるのです。一方で長日植物の場合、フィトクロムがPr型だと花芽形成が抑制されます。この抑制が解除されると長日植物の花芽形成が促進されるのです。
花芽形成のしくみ
植物は葉で日長の情報を受容することで、花芽形成をするか否かが決まるのでした。
花芽形成の促進に働く物質を「フロリゲン」と呼びます。これまで、このフロリゲンの正体を明らかにしようと、多くの研究者が奮闘しました。その結果、長日植物であるシロイヌナズナのフロリゲンは「FTタンパク質」であり、短日植物であるイネのフロリゲンは「Hd3aタンパク質」であることが明らかになったのです。それぞれのフロリゲンの働き方について詳しく学んでいきましょう。
長日植物:シロイヌナズナの場合
長日植物のシロイヌナズナは、葉で日長を感知すると、葉の維管束の師部の細胞内でFT遺伝子によってフロリゲンであるFTタンパク質が合成されます。このFTタンパク質が篩管を通って茎頂まで移動し、茎頂に存在するFDタンパク質(他の遺伝子の働きを調節するタンパク質)と結合し、花芽形成の最初の段階で必要になるAP1遺伝子を稼働させることで花芽形成が開始されるのです。
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