

秋まきコムギの春化処理は0℃~10℃の低温に数週間さらす必要があるぞ。
またチューリップの球根の場合、2℃~5℃の低温をおよそ7週間も経験しなければならないそうだ。
長日植物と短日植物の違いは限界暗期の長さにある!
長日植物は暗期が限界暗期よりも短くなることで、短日植物は暗期が限界暗期よりも長くなることで花芽が形成されるということを学習しましたね。
それでは、それぞれの限界暗期の長さはどれくらいなのでしょうか。限界暗期の長さと緯度の違いを考えながら違いを学びましょう。
限界暗期は、長日植物は約11時間で短日植物は約13時間!
長日植物の限界暗期は約11時間であり、暗期が約11時間以下になる3月中旬から4月中旬にかけて花芽形成をし、開花するということになります。一方、短日植物の限界暗期は約13時間であり、暗期が約13時間以上になる9月中旬から10月中旬にかけて花芽形成・開花するのです。
高緯度の地域では短日植物よりも長日植物が生息しやすい!
高緯度の寒冷な地域では短日植物ではなく長日植物が多く生息することをご存じでしょうか。
これは、短日植物は夏から秋に花芽形成し開花しますが、高緯度の地域では結実の時期には気温が低下し枯死することで繁殖ができません。一方で、長日植物は春頃に花芽形成・開花するので、気温が下がる前に結実し、種子の状態で冬を越すことができます。このため、高緯度の地域では長日植物が多く生息しているのです。
長日植物には何がある?

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世の中には、様々な長日植物が存在します。誰もが知っている身近な作物や野菜から雑草までと多種多用です。ここでは、ぜひ覚えていただきたい有名な長日植物を3つご紹介します。大学入試でも出題されるので、しっかりと覚えるようにしましょう。
コムギ
私たちの食生活に欠かせないうどんやパンなどの原料であるコムギは長日植物なのです。9月中旬に種をまき、10月上旬に芽が出る秋まきコムギと4月から5月に種をまいて8月に収穫する春まきコムギがあります。
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