
ノーベル化学賞を2000年に受賞した白川英樹氏を知ってるか?彼が発見した「電気を通すプラスチック」は今の生活に既に欠かせなのですが、なぜプラスチックなのに電気を通せるのか説明できる人は少ないかもしれませんね。
今回は白川英樹氏の業績について紹介すると共に、なぜそれが偉大な発明なのか説明していきます。途中大学レベルの化学が登場しますが、なるべく分かりやすく解説するから安心してくれ。化学に詳しいライターの小春と一緒に解説していきます。
- 白川英樹氏について解説
- 1分で分かる白川英樹氏の経歴
- 白川英樹氏の主な著書紹介
- 電気を通すプラスチックの発見と開発
- 通常プラスチックは電気を通さない
- 白川氏の発見1 :ポリアセチレンの薄膜化
- 白川氏の発見2:ポリアセチレンの導電性の発見
- セレンディピティー (serendipity)
- 白川英樹氏の著書より、名言の一部を紹介
- 導電性ポリアセチレンとは?ズバリわかりやすく解説
- ポリエチレンではなくアセチレンであるべき理由
- σ結合とπ結合
- 画期的な「化学ドープ」とは?
- 導電性高分子が注目される理由
- 理由1:高分子(プラスチック)の有用性
- 理由2:導電性高分子が使われている製品紹介
- 導電性高分子はもう珍しくない!白川英樹氏の功績は大きい
この記事の目次
ライター/小春(KOHARU)
大阪大学・大学院で化学を専攻。卒業後はメーカーで開発を担当したため最先端の有機デバイスやセンサー開発について詳しい。結婚を機に退職した今は、子供達に身の回りの自然科学や家電の仕組みをどのように教えるか、日々考えている。
1分で分かる白川英樹氏の経歴
昭和11年東京生まれた白川英樹氏は小学3年から高校卒業までの10年間を飛騨高山で過ごしました。中学の卒業文集で「将来はプラスチックの改良をやりたい」と書いたことが、何分の1かの自分の出発点になっていると後にインタビューで語っています。この頃は他にもエレクトロニクスや昆虫採集、植物にも興味を持っていたそうですが、入学した東京工業大学で高分子化学の勉強をしているうちに合成の研究にのめり込んでいったそうです。
昭和36年東京工業大学理工学部化学工学科を卒業。昭和41年には同大学院理工学研究科博士課程を修了しています。東京工業大学資源化学研究所助手、米国ペンシルベニア大学研究員、筑波大学教授、同大学第三学群長などを務め、平成12年3月に退官されました。 退官された年の10月、「導電性ポリマーの発見と開発」によりノーベル化学賞を受賞し、日本中で大注目されました。
白川英樹氏の主な著書紹介
白川英樹氏の主な著書は以下の通りです。
化学に魅せられて(岩波新書)
私の歩んだ道(朝日選書)
自然に学ぶ(法藏館)
「ロウソクの科学」が教えてくれること(SBクリエイティブ)
実験でわかる 電気をとおすプラスチックのひみつ(コロナ社)
電気を通すプラスチックの発見と開発
白川英樹氏がノーベル賞を受賞したのは導電性ポリマーの発見と開発によるものですが、なぜこの発見がそれほど画期的かつ重要なのか分かりますか?
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