テルルという物質を聞いたことがあるでしょうか。
あまり聞きなれない物質ですが半金属という金属と非金属の中間の性質を示す物質です。
今回は色々な場面で使われているテルルとは何なのか、化学に詳しいムームーと一緒に解説していくぞ!
ライター/ムームー
大学では化学工学を専攻し、現在は化学技術員として従事している。最先端のエレクトロニクスデバイスなどについて詳しい。
最近のはまっていることは電子工作。
そもそもテルルとは何?
W. Oelen – http://woelen.homescience.net/science/index.html, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
テルルとは原子番号が52、原子量127.60の酸素族元素です。身近な場所で使われ、今後もさまざまな場面で使われていくであろうテルルの知られざる性質をご紹介します。
希少金属テルルとは
テルルは希少金属(レアメタル)の一種です。レアメタルとは埋蔵量が少ない、もしくは生成が難しい金属の中で、工業的に需要がある物質の事を指します。レアメタルはテルルのほかにチタン、ニッケル、マンガンなど30鉱種ほど。レアメタルの用途としては物質を錆びにくくするための構造材料の添加剤や触媒など色々な用途があり、その中でもテルルはほとんどが合金鋼の添加剤として使用されています。きわめて微量(0.04%ほど)の添加で加工性、特に延性が著しく向上するためです。
また、テルルは半金属(メタロイドともいう)と呼ばれ、金属と非金属の中間の性質を持ち、導電性を示しますが、その抵抗値は他の金属元素に比べてかなり高く、電気が流れにくいという性質を持ちます。しかし通常の金属と同じように温度が上昇すると抵抗値も増大するため、半金属と名付けられました。半金属はテルルの他にホウ素やケイ素、ゲルマニウムなどが挙げられます。
テルルは鉱物の中にある!?
テルルは最近になって新聞紙上などで注目されてきている元素ではあるが、どちらかといえば普通はあまり聞かない元素です。
テルルの採掘方法としてはほとんどがテルル化物や亜テルル酸塩の形で採掘されます。しかしこのテルルを含む鉱物は産出箇所も限られていることから採掘対象となることはほとんどありません。資源となるものは銅や亜鉛、鉛などの硫化鉱物中の微量成分で、製錬時の副産物から採取されます。この方法は世界的に見ても同じです。
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