体の仕組み・器官理科生き物・植物生物

尻尾の意味や役割とは?なぜ人間には尻尾がない?尻尾がある動物の種類について獣医学部卒ライターがわかりやすく解説!

今回のキーワードは「尻尾」です。突然ですが、動物の尻尾にはどんな意味があるのか考えたことはあるか?尻尾には身体のバランスを保つ役割や、コミュニケーションをとる、虫を追い払うなど、動物によって実に多くの使い道がある。なんとなく飾りのようにも思える尻尾も、実は動物が生きるために欠かせない機能だったんです。そんな尻尾はもともと魚のヒレが起源だったという驚きの事実もある。今回はそんな尻尾の起源や詳しい役割について学生時代、獣医学部で動物のことを勉強していたライターみんちと解説していこう。

ライター/みんち

学生時代、獣医学部で動物の知識を学んだ。趣味は動物園巡り。ライターとして、初心者にもわかりやすく、質のある情報を提供できるよう、日々奮闘中。

尻尾の起源はまさかの魚?!

image by iStockphoto

フワフワしていて思わず触りたくなってしまう尻尾。意外にもその起源は魚だったということは知っていましたか?実は魚のヒレが形を変えたものが尻尾なんですよ。今から5億年前、生物はみんな海の中に住んでおり、魚の形をしていました。

そのとき泳ぐために尾びれが発達しました。やがて魚は陸上にも進出し、いろいろな姿に進化しました。そこで尾びれだった部分がしっぽに変化したというわけです。しっぽの起源が魚のヒレだったなんて、驚きの事実ですね。

尻尾がない動物もいる!

もとは魚のヒレだったという驚きの尻尾ですが、私たち人間には尻尾がありません。それはなぜでしょう?人間以外にもカエルやモグラなどにも尻尾はありません。これは、普段の生活の中で尻尾が必要なかったために退化したと考えられています。

尻尾の使い道がないと退化する

意外にも、しっぽのない動物は少ないんですよ。尻尾があると、その分身体を保つためのエネルギーが必要となります。人やモグラは尻尾の使い道があまりないため、退化してしまったのです。動物界では尻尾をもつ動物のほうが圧倒的に多いため、意外にも尻尾のない人間はレアな生き物だったんですね。

人間にも実は尻尾があった!

先ほど人間には尻尾がないと言いましたが、実はお母さんのお腹のなかにいたときには尻尾があったんですよ。という、まだとっても小さい時期の胎児には身体全体の6分の1もの長さの尻尾が生えているんです。しかし、成長するにつれて尻尾は徐々に身体に吸収されます。それでも尾骨というしっぽの名残りとなる骨格は存在するんですよ。

様々な尻尾の役割をみていこう

image by iStockphoto

ここからは動物の尻尾にはどんな役割があるのか、色々な動物の例をみていきましょう。

1.身体のバランスを保つ

オーストラリアに住むカンガルー。太くてがっしりとしたしっぽが特徴ですよね。カンガルーは尻尾をつかってバランスを保つことで、両足でピョンピョンと移動することができるんですよ。また、ライバルと争うときには尻尾を足の代わりにして地面で支え、両足を使って思いっきりキックすることもあります。

また、チーターの尻尾もバランスを保つ役割があるんですよ。チーターは細身な体格のわりに太く長い尻尾をもっています。世界最速と言われるチーターですが、高速で走れる理由の1つに尻尾の活躍があるんです。獲物を追いかけようと右に曲がったり左に曲がったりする時に、尻尾が重しとなってバランスを保つことができるんですね。

「身体を支える」という意味では樹上で生活するサルの尻尾も特徴的です。クモザル尻尾の先端が枝に巻き付けられるようになっており、これで枝から枝へと移動したり、木にぶら下がったりすることができます。

2.コミュニケーションツール

皆さんご存じの通り、イヌの尻尾は感情表現の役割があります。犬を飼っている人なら良くわかると思いますが、しっぽをプリプリ降っているときは嬉しいときや興奮しているとき、逆に垂れ下がったりおしりの間に入り込んでしまっているときなどは緊張していたり不安な気持ちのときが多いです。

あまり知られていませんが、ネコも尻尾で感情表現をするんですよ。くねくねさせているときにはワクワクしているとき、たわしのように大きく膨らませて逆立てているときは敵を警戒しているなど。このように尻尾は感情を表したり、個体間の情報伝達に使われたりすることもあります。気まぐれで何を考えているのかわからないネコですが、意外と尻尾からも気持ちを読み取れることができるかもしれませんね。

3.虫を追い払う

牧場などでウシやウマがしっぽをファサファサと振っているところを見たことがありますか?実は尻尾をよく見ると先端の毛が房のようになっていて、これを振り回すことで虫を追い払っていたのです。動物の周りには獣ならではの臭いや糞尿に誘われてハエや蚊が寄ってきます。このような虫は病気や感染症の原因になるため、尻尾を振り回して虫よけをしていたんです。まるで人間の手のような役割ですね。この行動はライオンやシマウマでもみられます。動物園に行った際にはぜひ注目してみてくださいね。

4.身体を保温する

image by iStockphoto

リスの尻尾は身体に負けない大きさをしており、フワフワしています。この尻尾は空気を含んだ構造になっており、温かいため保温の役割があるんです。キツネなども同様に、フワフワの太いしっぽを上手に使ってマフラー代わりにして丸くなって眠るんですよ。

変わった尻尾の使い道を紹介

ここまでで、動物の主な尻尾の使い道を紹介してきました。ここからは、ちょっと変わった尻尾の使い方をする動物たちをご紹介していきましょう。

\次のページで「尻尾を武器にして身を守る」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: